第38話
まるで巨大な岩だった。
殴った拳から伝わる感触は、まさに巨大な岩を殴ったようである。俺の全力が、まったくダメージを与えていない絶望感がこれでもかと拳を通じて伝わってくる。
蹌踉けることもない。
ただ少し、ほんの少しだけウサギ野郎の首が傾いた。ただ、それだけである。
「決定……」
ただ、それだけが。
「八つ裂きぽよ」
欲しかったんだっ!!
「感謝するッ!! 魔法少女!!」
俺を殴るために、俺が攻撃を避けたために、俺の攻撃を受けたために、俺へと殺意を向けたために。
生まれた隙なんてあってないようなものである。実際には一秒だってないくらいのものだ。
そのたった一秒がありさえすれば。
「しまッ!!」
「永遠なる凍土! 世界を終わらせる闇夜の使者よ! 彼のモノの刻を止めよ!!
全てを一瞬で凍らせる総帥さんの大魔法が発動出来る!
どんなものでも凍らせてしまう大技だ! なんで効果が分かるんだって? 細かいことは気にするもんじゃない!!
一瞬なんだ!
どんなものでも一瞬で凍らせる吹雪なんだ!
そう!
吹雪なんだ!!
「アホかぁぁぁぁぁ!!」
俺も巻き込んでんじゃねぇええええええええ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます