第36話
嘘だろ……ッ! もう方向転換も出来ないってのに!?
「あれは……、さきほどの魔法少女かね」
「また変身するなんてどんな手を使ったぽよぉ? でも……、まぁ良いぽよ」
「待ッ! ぐゥ!?」
「うるさいぽよ」
明確に俺へと動きを向けたウサギ野郎を総帥さんが止めようとしてくれるが、裏拳をぶち込まれてしまう。
助けるどころか、邪魔になっちまっているじゃねえか!?
「面白い。なんて言うはずないぽよ。いい加減鬱陶しいぽよよ。男が魔法少女になるなんてお話がここまで続くなんて炎上にもほどがあるぽよ」
うっるせぇな! そんなことは……ッ!!
「やっぱり綺麗な女の子が魔法少女になることを世界が望んでいるぽよ。君みたいな出来損ないは」
俺が一番!
「処分してあげるぽよ」
分かってんだよ!!
ウサギ野郎が拳を握る。
まずい。あれはまずい! 総帥さんが裏拳で怯まされたんだ。あんなまっとうに殴られたらいくら魔法少女になってデブの魔法で硬化しているからといって……!
「
文字と発音合ってねえんだよ、ボケぇえええ!!
ウサギ野郎の拳が俺に突き刺さるその瞬間に、
「ぽよッ!?」
俺の身体が勝手に急転回を行った。
※※※
「よっし! 計算通り!!」
「ギ、ギリギリだったよぉ!?」
チーカマの拳がメガネに突き刺さる寸前だった。それにしても……。
「チビの言う通り、来てもらって正解だったね……」
「だろ? 意表を突くってのはこういうことを言うんだよ!」
偉そうに鼻を高くするチビは放置しておいて、僕はいままさにメガネを助けてくれた彼に頭を下げた。
「本当にありがとうございます」
「オレ様にかかれば容易いことばっせ! ころばっせっせ!!」
以前倒したはずの怪人コロッバセオに。
どうやら倒しされた怪人はみんな人間の姿に戻って会社に戻ってくるらしい。そしてたまたま今日来ていた怪人コロッバセオさんにまた怪人になってもらって来てもらっていたのだ。
「空中でも転ばせるオレ様はさすがとしか言えないばっせなァ!!」
無駄な能力でも役に立つ時はあるんだなぁ……。
「あとは、」
大笑いするチビと怪人コロッバセオさんを無視して、スノウさんが心配そうに空を見上げている。
やっぱりなんだかんだ言って優しい人なんだな。うん。
「任せたわよ」
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