かがみ月

神楽

異世界からの・・・!

昔・むか~し

どこかに有る

のどかで平和な小さな村に

事件がおきた・・・

ではお話し始めま~す


ーーーーーーーーーーーーー

今から15年前の年の瀬

空から光に包まれた何かが落ちて来た!!


村人達は大きな音に驚いたが

家の中まで差し込む優しい光に誘われ


誰言うでも無く

何かが落下した場所へ向かった


その時代空からの落下物は普通に考えて


・・・禍事・・・・・


悪い事が起こる前触れ

その様に考えられていた


だがつい先ほど地上に落下した物は不思議な事に


夜の暗闇をとても温かく優しく照らしていた


あたたかな光を放つ落下物に村人達は禍ではなく


神様が村に幸せを持たらした

その様な気持に成り


落下物の元へ皆が集まった

村人達は


その場所で光に包まれた

直径30㎝位の玉子形の物体を発見した


物体からは未だ優しい光が溢れている


村人の1人が物体に触れようとした瞬間

物体が光と共に粉々に飛び散った


驚く事に飛び散った光の中から

産まれたばかりの

赤ん坊が姿を現したのだ


村人達は赤ん坊を見てビックリした


だってまぶしい光は

赤ん坊の顔面から放たれていたからだ


だが光が強くて赤ん坊の顔が解らない状態!!


すると村人の1人が小さな白い頭巾を見つけた


その頭巾を赤ん坊の頭から被せると


その頭巾は赤ん坊の首から上・目と口が開けられ

すっぽり隠してしまった


どうやら頭巾は

赤ん坊と一緒に落下物の中に入っていたようだ


さて・・どうした物か?

神様からの贈り物が

赤ん坊では村人達で分ける事も出来無い


お腹を空かせているのか

赤ん坊は泣き止まない

「神様がコノ村で、赤ん坊を大切に育てなさい、と言っているに違い無い」

長老達はそう言った


「神様の贈り物だ!、必ず村に繁栄をもたらすに違い無い!、だが誰が赤ん坊の親に成るかが問題だ・・・・?」


村の住人はどの家も子沢山

食べ物は毎日働いて食べるのがやっとだった


だが赤ん坊は村に幸いをもたらす

神様から授けられた宝だ!!


村の長老達が話て居ると

後ろの方で覗き込んでいた若い夫婦が


皆を押し退け前に出て女房は赤ん坊を抱きしめた


すると赤ん坊は

始めからその両腕に抱かれていたかのように

スヤスヤと眠ってしまった


しかも不思議な事に赤ん坊を抱いた女房の乳が流れだした!!


若い夫婦には子が出来ず悩んでいたのだ


長老は

「この子は神の子だ、自分の親を自分で決めたとしても、不思議ではない!」と話す


村人達全員が長老の言葉に納得し

その日から赤ん坊は夫婦の子供として

村人達全員で見守る事にした


その出来事から15年


赤ん坊は夫婦と村人達に見守られ歳を重ねた


だが村人達は誰も彼女の顔を知らない


両親は彼女が物心ついた時に話した


父「病気で、顔が外気にふれると腫れあがるから、絶対に頭巾は外してはダメだ!!」と話した


娘は父親に話しを聞き

両親の言いつけを守り

村で普通の暮らしを送っていた


その話しは少女の成長と共に

村の皆で話し合い決めた事だった!!


少女が頭巾の事で悩み家に籠る事を避けたい


村人達が頭巾の事で少女をからかったりする子供達が出るやも知れん


それらを避ける為に村人達皆で決めた優しさだった


そのおかげで少女は

普通に村の子供達と遊び学んだ


優しい両親や村人達

友達が居るコノ村が大好きで


全ての幸せがココに有る

娘はいつも友達と笑ってこの村で日々成長していった


村で変わった事と言えば不思議な事に


少女の成長と共に村が裕福になった事だ


作物が良く育ち

耕した田畑には毎日何かしらの食物が沢山育った


それでも村人達は誰ひとりとして仕事を怠ける者はいなかった


村に足りるだけの食料が有れば贅沢をせず冬に備え蓄えた


近隣の村が作物が育たず困っていると聞けば

作物を届けたりもした


村人達は少女が神の子だと言う思いを胸に留め


夫婦と一緒に皆で少女を見守っていた


そこには少女をカラカッタリ変だと言う子供も居ない

ただ沢山の笑顔が有った


その村は優しさ溢れる普通の村だった


子供達は親達の手伝いをして

農作業の仕事を覚え


時間有れば山や川で遊び学ぶ

そんな普通の日常が有る

のどかな村だった


季節は夏から秋へそして

秋の終わりへと流れて行く


山々の紅葉が新たな季節へ変わる事を知らせてくれる


村人達は冬がくるのを知り冬支度を始める


ある朝

空は晴れわたり少し冷たい風が肌にあたる


娘の家でも冬支度を始めていた


その日は娘と母親の二人で山へ行き


今年最後の秋の山の幸を集めに行く


まだ少し枯れ葉に混ざり

・赤い葉・黄色い葉・

今年最後の紅葉


母と娘は仲睦まじく

栗やキノコ・山菜等を探しながら楽しんでいた


暫くして昼食を済ませ

いつもの道を下りながら山の幸を探し家路を目指した


だがその日は少し様子が違った


いつもなら暫く歩くと

山から村が見渡せる場所へ出るはずだった


なのにその日は・・・?

いくら歩いても村が見えてこなかった


一本道に迷うハズなど無い

母と娘は・・・?!

不思議な感覚を身体に感じた


娘は怖くなり母にしがみつく!!

母は・・・・・?!

この道は・・・・・??!


昔村人達と光を探しに来た場所へ続く道だと気付いた!!


あの時・村長がみんなに

「神の示した場所だ、だから神聖な場所として、封印する!!」

村人全員が村長にしたがった


神聖な神の眠る場所

アノ出来事の後

周囲を囲み鍵をかけ入り口を作った・・・なのに?!!

なぜ囲いも門もなかったのかと不安が過った??!


若い世代の者達はあの場所の事を

神の聖域だと大人達に教えられ育った


何者も何事が有ろうとあの場所は一年に一度だけ


年の瀬から元旦までの祝いに祈る為だけに

開放すると定められた場所なのに・・・・・


・・・・・何故!!!?


村の長老達が神聖な場所へ足を踏み入れ願いを託し祈る場所だ!!


村人達が囲いの中に入れるのも祈りの期間だけだ!?


母と娘が迷い込んだ場所は・・・??


あの場所に続く道に似ている母はそう感じた!!


娘は訳がわからず恐怖を感じ母にしがみ付いた


母は娘を呼ぶ何かに・・・誘われたのだと思った!!


この場所へ何かが自分達を誘い込んだのだと感じた!!


母は娘に

「大丈夫だから、お母さんの側を離れてはダメよ、お母さんが守るから!!」


そう言って娘に笑顔を向けた

娘は母の笑顔に安心したが


怖さは消えず震えながら

母にしがみ付く事しかできなかった・・・・・


母と娘がたどり着いたのは

方向的で言えば聖なる場所だったハズだ


だが様子が違う!!

そこには民家が有る見たことも無い村だった!


実は隕石が落ちた場所は

昔家事で村が丸ごと焼けたと

長老が村人達に古い書物を読み解いてくれた


古い村が有った場所

まだ今の村が出来る前の話しだったが


今この場所には見たことが無い村が有る!!


二人は辺りを見回した

すると家の明かりが見えた


母は思ったどういう事か解らないけど

もしここが私達が住む村よりも遠い場所なら


出口さえ解れば抜け出せるかも知れない

とにかく何処かの家の人に話しを聞く事にした


母と娘は最初に目に付いた家の扉をトントン!!

「夜分遅くすみません、道に迷った者です、ココがドコなのか、教えて頂けませんか!?」


明かりは見えるが!

中から声は聞こえず??


仕方なく次の家へ向かう

ところがそこも同じだった・・・家には誰も居ない


暫く歩くと少し離れた場所に家が見えた!?


その家の周りに人が沢山集まっている?!!


二人はそこを目指し歩く事にした

後少しで人の居る場所に付くが・・・!?


母は歩みを止めた!!

沢山の人々がソノ家に藁を積み上げ囲ったいたからだ!!


そのあと人の集まった家から炎があがった!!


人がその家から離れると

炎はタチマチその家をのみ込んだ!!


母と娘はそのコウケイに呆然とした


母は我に返り

娘の手を引きその場から立ち去ろうとしたが??!


何故か娘は動かず・・・・

火柱が上がる家を見つめていた


その時娘は・母の手の温もりに気付き母と共に走った


再び山の中

母は娘を守りながら走り続けた・・・・・


気付けばいつもの道

まだ夕日は沈みきって居なかった


いつもより返りが遅いのを心配した父親が

二人を迎えに山を上がって来る姿が見えた


母と娘は父を見つけ

一目散に父に駆け寄った


父親は何が有ったのか解らず

だが二人に何か異変が起きたのだと感じ取り


二人を連れ急いで山を降り家へ戻った


家に戻り安心した娘は眠ってしまった


母は山で見た出来事を父に話した


父は今の二人の状態から

夢でも嘘でもない事を悟り


次の朝二人を連れて長老の家に行った


長老は娘の両親の話しを

最後まで聞き終わると


奥の部屋から

木箱を持って来て

三人の前で箱の蓋を開けた


中に入っていた物は

随分古い書物のようだった


長老はその書物を親子三人の前に差し出した


だが親子は字が読めない


長老は書物に書かれているで有ろう事を

語りはじめた・・・・・


「今から100年前、あの山の奥に小さな村が有った、村には山神と言う、神が奉られていた、だがその神は、何年かに一度贄を求める鬼神だった、村人は贄とする者を決めて鬼神が望めば、その家から贄を鬼神に葬った、だがある年の暮れ、贄となる者がそれを拒否して、家に籠ってしまった、その家には兄10才と妹5才の二人がいた、村人は妹を贄と決めたが、兄は妹をわたさず、仕方なく村人達はその家に火を放った、暫くして火柱が高く上がった時、天から稲妻が村に落ち、村は忽ち炎に包まれ、村人を含め全てを焼失させた、次の日たまたま村に旅の僧侶が訪れた、まだ焼失した村から煙りが上がっていた、僧侶は生きて居る者がいないか探した、だが人と思える炭塊が見えるが、生きている人の姿はなかった、ところが村の一番奥に有った一軒家の井戸の中から微かに声が聞こえた、僧侶は人が居る事に驚きながらも、その人物を井戸から助け出し、話しを聞きこの書物を書き残し、鬼神が住むと言う洞窟にこの書物を書き残した


その後助けた15才の少年と5才の妹を探す為に旅にでた

その少年はの話しでは妹は光に包まれ消えたと話していたらしい・・・・・」


父「長老様!、話しが変です!、その家には10才と5才の兄妹がいたのですよね、でも僧侶が助けた少年は15才・・・変です、字は読めなくともそのくらいは解ります!・・・・」

母も娘も同じ気持ちだった


父「焼かれた時10才の子どもは、次の日に僧侶に助けたられたら10才でしょ、なんで15才なんですか??!」


長老「あくまでココに書かれている事を読んだけだ、僧侶が間違えたのかもしれん、だがココには15才と書かれておる!」


父「少年が10才と言ったが、僧侶が間違えて15才と書いた・・・、私達には意味がわからんです!?、でも家の娘は15才です、何か関係が有るのでしょうか?!、だったら私達は娘を守る為なら何だってします!!」


娘は今年15才

僧侶に助けられた少年と同じ歳??!!


その話しを聞いて

娘は何かを思い出したかのように長老の家を飛び出て

一目散に山へ向かった


夫婦も長老も後を追うが

長老の足では追い付かず

それを見つけた村人達に自分も後を追うが

先に娘を追って欲しいと話した


その話し聞いた村人達は訳も分からず後を追いかけた


付いた場所は正に

娘が15年前に空から落ちて来た場所だった


封印されていた扉の鍵は開いていた不思議だったよは

門から中に入ると昼では無く夜だった


その場所で見た光景は・・・

まるで娘に月の光が集まったような不思議なものだった


娘は月を見上げて泣いていると感じた


そして娘は何を思ったか知らないが

自分が落ちて来たあの場所の地面を手で掘り出した


覚えているはずが無い場所を素手で掘りながら

「お兄ちゃんが居る!!、お兄ちゃんがこの中に居る!!、家が燃えてお兄ちゃんと一緒に井戸に入った、この中にお兄ちゃんが!!、助けなきゃ、お兄ちゃんを助けなきゃ、お兄ちゃん!!、今助けるねッお兄ちゃん大丈夫だよ、お父さんもお母さんもとても優しいよ、友達も沢山いるよ!!」


ソレを見聞していた両親や村人達も娘を手伝い

素手でその場所を掘り出した


長老がたどり着いた時はみんながひたすらその場所を掘っていた!!


暫く掘ると地面に裂け目ができた


裂け目は木蓋だどうやら何かを塞いでいるようだった


村人達皆で木蓋の周りを掘り全体が姿を表す


塞がれていたのは・・・井戸


村人達はそおっと井戸の蓋を開けた


すると井戸から水が溢れだし同時に辺り一面にわき上がる水が広がっていった


空には金色に輝く満月


丸い井戸からわきあがった水に満月が映り

辺り一面金色に輝いた


その光景は井戸からわき上がった水が水平線と成り

[かがみ]のように全てを全てを写し出す


村人の誰もが思った

コレが神様からの贈り物だと


その瞬間・娘の顔を隠していた頭巾が消えた


両親が村人達が皆で

大切に育てた娘の素顔を見た村人達は


[美しい天女]だと

誰言うとも無くそう呟いていた


やはり娘は神様がこの村に託された宝者だ

村人達は皆して安堵した


娘は何が起こったのか解らす放心状態

母に抱かれ気付いた!!


なぜここに居るのか

何が起こって居るのか


母に抱き止められた時に長老の家からこの場所に来た記憶は全て消えていたが


だが母に抱き寄せられ

辺り一面を見た時

知らぬ間に涙が流れていた


その涙が一粒水面(みなも)に落ちると・・・・


水面の月に優しくて懐かしい笑顔が見えた


それはまるで何処か遠い日に見た優しい笑顔だった


娘の涙が見せた水面の月に映る笑顔は重なって見えた


それはまるで・・・かがみ月


ーーーーーーーーー〆





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かがみ月 神楽 @wkaku4

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