第80話 夜の森 その2
「じゃあ、なるべくいつもと違うところを通りつつ帰るってことでいいのかな?」
「ウン!ミチアナンナイハ、ボクニマカセテ!」
「ありがとー」
よし、これで地図も更に埋まるね!ただ、今回は案山子さんの魔物避けもオフにするから気をつけないと……
基本的に夜の方が魔物が強くなる傾向があるらしい……夜の方が視界も良くないから余計にそう感じるのかもしれないけど、夜の方が活発になるのは確実みたい。
もう夕暮れになりつつあるので急ぎつつも、帰りに案山子さんにはオフにしてもらって……
「リリーハ、ボクガマモルカラアンシンシテネ!」
きゃー!案山子さんがイケメンなこと言ってるー!
「よろしくねー!」
「ウン!マカセテ!」
早速、案山子さんについて出発……今はまだあたりが見回せるのでわたしも気配察知を意識しつつ行動……
地図を埋めつつ、群生地を見つけて採取したり、カラフルでキレイなきのこを採ろうとして案山子さん止められたりしながら進んでいく……
「あんまり、出てこないね?」
「ウン……オフナノニ……」
あー、案山子さんが張り切ってた分しょんぼりしちゃったよー……今のところ出てきたのはトレントとグランドボアとっていう猪ぐらいなんだよね。
トレントはあんまり素早く動く魔物じゃない(動くときは根を足のようにして移動する)から出てくるっていうよりトレントのいる方向へ進んでこっちが見つけるって感じなんだけど……トレントは頑張ってわたしも槍で攻撃したよ!
枝をしならせてくる攻撃が何度も当たりそうになったんだけど、その度に案山子さんが守ってくれてさー……まじイケメンだったわー!そのあとは水魔法で攻撃したり、槍で突いたりとスキルのために頑張った。でも、水魔法は何回も練習できたんだけど……槍は1回突いただけでトレント倒せちゃったんだよね……これじゃあスキルの練習にならないじゃんねー。
グランドボアは採取しているわたしめがけて猪が突っ込んできて、察知したときは結構近くまで迫ってて死に戻りを覚悟したんだけど、案山子さんがいちはやく察知してわたしの前に立ち塞がって案山子さんのぐるぐるパンチでグランドボアの一撃って感じだったよ。
「まぁ、トレントならたくさんいるし……ここの採取終わったら、探してみよう?少しでもお金にはなるはずだから!」
「ウン……」
「あと、今度トレントと戦うときしたいことがあるんだけど……」
「ン?ナニスルノ?」
「あのね、案山子さんが瀕死くらいまで追い込んでくれたら1度盾で攻撃を受けてみたいんだよね」
そうすれば、どれくらい攻撃を耐えられるか守護の盾の確率でダメージ軽減っていうのがどういうのかわかるかもだし……案山子さんに瀕死くらいまで追い込んでもらえれば即死ってことはないはずだよね……トレントなら瀕死になると凶暴化するとかもなさそうだし……
「ワカッター……ホカノマモノノトキハ、ドウスル?」
「ありがとう!うーん、見たことない魔物も多いはずだからとりあえずはトレントだけでいいかな」
「ワカッタ!」
よし、このまま魔物が出てこなかった場合は地図にいくつかマークしてあるハニービーの巣に突っ込むしかないな!魔物が少なくてしょんぼりしてる案山子さんのためにわたしが囮になろうではないかー!
なんてったって、ハニービーなら何度か攻撃されても耐えられるからねっ!
ピコン!
〈スキル:暗視が取得可能になりました〉
「おおー!暗視!」
ってそういえば、案山子さんとちょっと話してる間に結構真っ暗じゃん!
その暗い中で採取しつつ(案山子さんは見張り)話してたからかな?暗視スキル取得可能になったんだ……わーい。
「そもそも、明かりのことまったく考えてなかったよね……」
夜にうろうろしたことない弊害がこんなところに……全く考えつかなかったよー。そのおかげで暗視スキルが取得可能になったから問題ないっちゃないんだけどさー。
さて、暗視スキルを取得するべきか否か……取得に必要なのは3ポイントかぁ。
「うーん……そういえば案山子さんは暗いの平気なの?」
「ウン、モンダイナイヨ!」
「そうなんだー」
案山子さんは問題なく行動できるのかー……うーん、明かりねぇ……
「あっ!魔石式ランプがあるじゃん!」
……あー、魔石式ランプはあるけど魔石が……ないんだった……こんなことなら魔石を用意しておくべきだったなー。
「リリー!サッキ……ドロップシタマセキ、ツカッテイイヨ!」
「でも、案山子さんには明かり必要ないでしょ?それに魔物だって案山子さんが倒したのに……」
「イーノ、イーノ!」
「ありがとー」
ここは素直に甘えさせてもらって、魔石式ランプのひとつにトレントの魔石をセットする……ふむふむ。ここのツマミを回せばいいのね?へー、明るさが3段階まで調節できるらしい。ただ明るくすればするほど魔石の交換時期が早まるらしいので中間にしておこうかな。
「おー、結構明るいね?」
「ソウダネー」
周囲がぼんやり明るくなるくらいだけど、雲さえ移動すれば月明かりもあるしとりあえずこれでやってみよう!
あ、でも明るい分魔物の的になるみたいで魔物との遭遇率も上がってしまった……うん、案山子さんがすごく喜んでいるので良しとしよう。
◆ ◆ ◆
名前:リリー
種族:人間
性別:女性
状態:正常
種族レベル:Lv8
HP:78/80(+5)
MP:65/80(+5)
STR:19(+17)
VIT:20(+26)
INT:7(+5)
AGI:14(+15)
DEX:80(+3)
LUC:777(固定)
ステータスポイント:0ポイント
職業:農家見習い Lv4
スキル:鑑定Lv5、裁縫Lv2、採取Lv3、栽培Lv2、投擲Lv4、毒耐性Lv5、麻痺耐性Lv4、気配察知Lv4、隠密Lv4、地図 Lv5、成長促進 Lv6、瞑想Lv3、水魔法Lv2、槍術Lv2
スキルポイント:11ポイント
取得可能スキル:挑発、武器回収、工作、観察力、木工、精密操作、暗視
称号:遅咲きのラッキースター、挑戦者、方向音痴、天籟の鐘を初めて鳴らした者、転移陣を初めて使用した者、マシンナリーの恩人
所持金:597G(預金:81900G)
装備:麦わら帽子、守護のブーツ、守護のローブ、守護の手袋、見習いのシャツ、見習いのズボン、初心者用投擲ナイフ×3、どんぐりネックレス、花柄エプロン、守護の盾、守護のバンダナ、エメラルドのピアス、ローズクォーツのブレスレット、サファイヤのアンクレット、アクアマリンのネックレス、守護の槍、魔石式ランプ
持ち物:初級ハイポーション×5、初級マナポーション×5、水袋、火打ち石、ギルドカード(E)、小石×22、木ノ実×8、体力草×35、魔力草×29、メモ紙、ペン、きゅうり×3、ミニトマト×14、軍手×2、収穫用ハサミ、背負い袋、サンドイッチ×4、はちみつたっぷりクッキー×11、至誠のクリスタル×1、叡智のクリスタル×1、生命のコア×1、本:至誠のクリスタル製造法、叡智のクリスタル製造法、生命のコア製造法、ゴーレム取り扱い方法、マジックバック製造法、花瓶×1、綺麗な石×2、木の枝×11、くるみ×42、スライムゼリー×8、魔石式ランプ、よくわからないバック×1、ナイフ×3、食器セット×1、至誠のクリスタル(壊)×3、叡智のクリスタル(壊)×3、生命のコア(壊)×1、見習いのブーツ、守護の短剣、エルダートレントの棍棒、グランドボアの魔石×1、グランドボアの肉×40キロ、グランドボアの牙×2、トレントの魔石×2、トレントの丸太×3、トレントの枝×12、トレントの葉×168、トレントの樹液
ホーム収納:初心者用裁縫セット、葉っぱ×6、ハニービーの毒針×5、ハニービーの羽×40、はちみつ3瓶、ローヤルゼリー1瓶
販売所(2/10):体力草★3×5、魔力草★3×5(金庫:0G)
◆ ◆ ◆
ー案山子さんの背負子ー
・グランドボアの毛皮×1
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