第62話 機械島アミュライト その7

 

 「……トイウコトダナ」

 「あら、まぁ」

 「やっぱなー」

 「……甘くなかった」

 「だね~」


 あ、あれれ?なんか全然理解できなかったんですけど。しっかり聞いていたはずなのにっ!

 他のメンバーは理解してるっぽいし、わたしのキャパが追いつかなかったってこと?やばー。


 聞き取れた部分もホニャララを洗浄とかホニャララを錬成とかよくわからないし……いやー、聞きなれないからなのか右から左に抜けていきましたよねー。

 そりゃあ途中から呪文みたいだなーとか……そういえば本の文字が天籟の鐘にあった模様に似てるなーとか思ってたけどさあー。


 「まー、とりあえず……すぐにはクリスタルはつくれないってことか」

 「だねー」

 「まず、スキルと材料足りねーもんなー」

 「うんうん。トッププレイヤーでもスキル足りないってことは……」

 「お、ルミエルさんの出番?」

 「ルミエル、オオヨロコビダネ!」


 うーん、あの人なら教えたとたん作り出せそうだけどねー。材料だってどこからかかっぱらってきそうだし。

 てか、なんでもっと早く教えないんだ!とか怒られそう……いや、それすら時間が惜しくて猛スピードで実験始めそうだな。あれ、おかしいな?案山子さんが喜んで実験台になる姿が頭に浮かんできたんだけど……うん、本人の意思なら問題ない……のかな?


 あ、でもゴーレムの方は少し進展があったよ!アリッサ達のプレッシャー半端なかったからね……進展あってよかったよねー。


 なんでも、ゴーレムは起動させるための鍵となる言葉があるらしい。

 でもねー、それも本と同じ特殊な言語でスキルがないとダメらしいんですよねー……ま、アリッサ達がハリーに無理矢理頼み込んで起動させてみることになったんだけどさ。うん、イエスとしか言わせない3人のプレッシャーよ……


 結果、起動できたもののゴーレムはハリーのいうことしか聞きませんでしたとさ……どうも起動後に色々細かい設定できるみたいなんだけどハリーも起動はできたけど簡単な指示しかできない上、設定までは上手くいかなかったんだって。だから、起動した者の命令しか聞かないってことみたい。


 アリッサ達の悔しがりったらなかったよ……ゴーレムが実際に動いているところを見たら余計に自分たちで動かしたくなったみたい。

 ほかのゴーレムでも試そうとしたけどまだ起動できるほど綺麗な状態のゴーレムはいなくて泣く泣く諦めてた。ま、それでも腕にぶら下がったり肩に乗ってみたりといろいろ満喫してはいたんだけどねー。

 そして常夏はまた余計なこと言ってボコられてた。精神的にも物理的にも……ぶるぶるっ……触らぬ神に祟りなしだよっ!



ピコン!

 〈特殊クエスト:マシンナリーの願い2が達成されました〉



 「お、クエスト達成かー」

 「え、もう達成なの?」


 確認してみると……


*****


特殊クエスト: マシンナリーの願い2

内容:マシンナリーの仲間を探し一定数以上を再び動けるように協力する

期限:なし


*****


ピコン!

 〈条件を満たしたため称号が付与されました〉



 「おっ!今度は称号だってよ!」

 「おおー!スキルポイントあるかな?あったらいいなー!」

 「わーい……ってベル、喜ぶとこそこなの?」

 「いやー、思わず?」


 今回ゲットした称号は……


*****


 称号:マシンナリーの恩人

 効果:スキルポイント+3、マシンナリー(旧型)からの友好度が上がりやすくなる。ただし、個体により差はある。

 取得条件:特殊クエスト〈マシンナリーの願い2〉を達成すること


*****


 「恩人て……」

 「スキルポイントあったけど……恩人かー」

 「まだ全員助けられてないのに……もらっていいのかな?」

 「ガガ……君達ハ確カニ恩人ダ。君達ガ来ナケレバ我ラハ……ガガ、動クコトスラ出来ナカッタノダカラナ」


 いやー、ますます他のマシンナリーさん達も動けるよう頑張らないと!まずはお金を稼がなくちゃ!しかもゲーム内時間で1週間以内に!


 「うーん、個体により差があるっていうのはクリスタルのせいかなー」

 「多分ね。至誠クリスタル3つはめ込んだマシンナリーと叡智のクリスタル3つはめ込んだマシンナリーでは同じことをしても受け取り方や反応が全然違うってことだろうね」


 そっかー……


 「これ、情報屋に売るっつてもまずマシンナリーさん達のことからだよね?」

 「あー、そうだな……いや、その前に転移陣からか?」 

 「ゴーレムは秘密にしなくちゃっ!」

 「「賛成!!」」

 「私達のロマンだもの!」

 「それは……あ、はい。リョーカイシマシタ!」


 常夏はギリギリ危機を回避した!おぉー。


 「……ふふ、この情報は掲示板が荒れそうだね」

 「「「たしかに」」」

 「でも、高く売れたらその分クリスタル買えるね~」

 「ボク、ガンバル!」


 うん、案山子さんも仲良くなったハリー達のためにモンスターを倒して素材売る気らしいけど……あ、わたしが売るのね?ふむふむ……販売所で馬鹿高く売れとな?ふっふっふっ……案山子さんお主も悪よのぉ……


 「リリー、案山子さんと2人で何してんの?」

 「……悪いこと相談してる顔だけど……リリーだけ」


 はっ!案山子さんはポーカフェイスだったのかっ←


 「いや、ちょっと資金稼ぎの相談をですね」

 「まぁ、そんなに心配しなくても私達も協力するし」

 「うんうん。あえて、情報売らずに鐘の地下道でモンスター狩りまくって売り捌くっていう手もあるしなー」

 「ふふ……その方が素材は独占できちゃうね」

 「クランの生産組は発狂して喜ぶだろうなー」


 おおー、みんなもそこそこ悪い顔してますね……


 「ガガ……我等モ、力ヲ蓄エル必要ガアルナ」


 ハリー曰く、新型達にバレないよう内偵しつつ他に従わされている仲間を見つけ出し安全なルートを確保、クリスタルの製造、保管場所を探し出し……そこには予備のクリスタルやコアが保管されてるらしい。

 それにゴーレムを使いこなせるようになるまで時間が必要なんだって。それぞれの担当者をこちら側に引き込めれば色々とことは進むんだろうけど……やっぱり時間がかかるってことみたい。


 「ガガ……我等ガ新型ト対峙スルトキ……力ヲ貸シテ欲シイ」


ピコン!

 〈クエスト:マシンナリーの願い3が開始されました〉


 もちろんわたしたちの答えはイエスだよね!



◆ ◆ ◆


名前:リリー

種族:人間

性別:女性

状態:正常

種族レベル:Lv7

HP:68/75(+5)

MP:75/75(+5)

STR:17(+2)

VIT:17(+5)

INT:7

AGI:12

DEX:80

LUC:777(固定)

ステータスポイント:2ポイント

職業:農家見習い  Lv4

スキル:鑑定Lv5、裁縫Lv2、採取Lv3、栽培Lv2、投擲Lv4、毒耐性Lv5、麻痺耐性Lv4、気配察知Lv4、隠密Lv4、地図 Lv5、成長促進 Lv4、瞑想Lv3、水魔法Lv2、槍術Lv2

スキルポイント:9ポイント→11ポイント

取得可能スキル:挑発、武器回収、工作、観察力、木工、精密操作

称号:遅咲きのラッキースター、挑戦者、方向音痴、天籟の鐘を初めて鳴らした者、転移陣を初めて使用した者、マシンナリーの恩人

所持金:477G(預金:81900G)

装備:麦わら帽子、軍手、見習いのシャツ、見習いのズボン、見習いのブーツ、初心者用投擲ナイフ×3、どんぐりネックレス、花柄エプロン、エルダートレントの棍棒

持ち物:初級ハイポーション×5、初級マナポーション×5、水袋、火打ち石、ギルドカード(E)、小石×22、木ノ実×8、体力草×2、魔力草×4、メモ紙、ペン、きゅうり×3、ミニトマト×14、軍手(予備)、収穫用ハサミ、背負い袋、サンドイッチ×4、はちみつたっぷりクッキー×11、至誠のクリスタル×1、叡智のクリスタル×1、生命のコア×1、本:至誠のクリスタル製造法、叡智のクリスタル製造法、生命のコア製造法、ゴーレム取り扱い方法、マジックバック製造法、花瓶×1、綺麗な石×2、木の枝×11、くるみ×42、スライムゼリー×8、魔石式ランプ×2、よくわからないバック×1、ナイフ×3、食器セット×1、至誠のクリスタル(壊)×18、叡智のクリスタル(壊)×21、生命のコア(壊)×16

ホーム収納:初心者用裁縫セット、葉っぱ×6、ハニービーの毒針×5、ハニービーの羽×40、はちみつ3瓶、ローヤルゼリー1瓶

販売所(2/10):体力草★3×5、魔力草★3×5(金庫:11320G)



◆ ◆ ◆


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る