第4話 チュートリアル その2
『ステータスにある種族レベルと職業レベルについてですが、種族レベルはモンスターなどを倒すと上がりやすいですね……つまり、生産職は冒険者などモンスターと戦うことを職業にしている方と比べると種族レベルが上がりづらいと思われます。職業レベルは自身のついている職業の経験を積むことでレベルが上がります。もちろん必要経験値はついている職業によって異なりますので違う職業の方と比べて落ち込むなんてことは無意味です。今のところ、生産職の方はこちらのレベルの方が高い方が多いですかね。どちらもレベルアップするとステータスに割り振れるポイントがもらえますのでご安心くださいね』
「わかりました。頑張りますねっ!」
『では、次にSelect Life Onlineについてご説明していきますね。まず、皆さまプレイヤーの方はゲーム内では異界の旅人と呼ばれています。死亡しても復活できることがNPCとの大きな違いですね。NPCはゲーム用語などを話しても聞き取れないなんてことはありません……ただし、NPCは自身の世界をゲームだとは知りません。そこに暮らす人々なのでゲームやNPCと言っても通じず、勝手に変換されることがあります。あくまでも異界から自分たちの世界に旅人がやってきたと思っていますのでご理解ください』
不都合な部分はシステムがうまく変換してくれるならそんなに気にしなくてもいいのかな……
「そうなんだぁ……あの、もしもNPCの人が死んじゃったらどうなるんですか?」
『その場合は消滅し……復活はしませんので、何かあった場合は助けてあげてください。あ、これはわたくし個人からのお願いなので……』
「わかりました!助けられるときはそうしますねっ」
『リリー様、ありがとうございます。そしてプレイヤーが戦闘などで死亡してしまった場合ですが、デスペナルティというものがあります。デスペナルティはデスペナとも呼ばれ、ゲーム内時間で最初の6日はデスペナルティはありません。ただし、ログインしていない間もカウントされますのでご注意ください。その後はゲーム内時間で6時間の能力値半減と所持金の2割ロスト。1日に3度以上死ぬとその日はアイテムもロストするようになります』
ふむ、デスペナ……りょーかい!
『そしてゲーム内時間での1日が現実の8時間となっています。ログインは8時間(ゲーム内で1日)までしか連続で行えず、1時間あたり10分のクールタイムが義務付けられており、1日あたり現実時間の最大12時間までの制限もございます。警告を無視し、時間を超えるとセーフティエリア外でも強制的にログアウトされてしまいますのでご注意ください』
つまり現実時間で8時間ログインしたら80分休憩、4時間ログインしたら40分休憩しないとログインできないってことだね。うん、わかりやすい。
「わかりました!気をつけますね」
『セーフティエリア内ではどこででもログアウトが可能ですが、もちろん宿屋やホームなどでログアウトすることもできます。まぁ、それはお金がかかるため雰囲気を楽しみたい人ぐらいしか今は使っていませんね……しかし、ホームを設定するとリスポーン地点……つまり死に戻った場合、通常は教会のところがホームで復活できます。ちなみにNPCの住居やお店をホームに設定することはできません。もちろん、対価を払い借り受けた場合は別です。ダメな場合はシステムに弾かれますのでご安心ください』
「つまり、不法侵入した家や土地をホームにはできないってことですね!」
『え、ええ……極端に言えばそうなりますね。次にモンスターについてですが、基本的に街中はセーフティエリアに設定されていますのでモンスターは出現しません。もちろん、イベントやテイマーなどは除きます』
「はい」
『モンスターを倒すとモンスターは消え、アイテムをドロップします。ドロップ品はアイテムボックスに直接入ります。通常アイテムボックスの上限は30種類×99ですが……いっぱいだった場合、ドロップしてもアイテムボックスに収納されず地面にドロップします。その際はアイテムボックスをその場で整理するか、手で持ち帰るしかありません。容量には気をつけましょう』
「はーい」
ま、モンスターを倒せるかは置いといて、覚えておいて損はないだろう。他のことでも使うだろうし……
『次はメニューウィンドウでできることですね。ウィンドウではフレンド登録やマップ、メモやヘルプ、ログアウトなど様々なことができます。タイマー機能を使えば現実時間を忘れて遅刻……なんてこともなくなりますよ。少し、ウィンドウの練習をしてみますか?』
「はい!」
さっそくウィンドウを開きタイマーをセットしてみる。晩ごはんに遅れたら怒られちゃうからね……
ウィンドウ上でポイントを振るのはさっきもやったけど、困ってもナビさんが丁寧な説明をしてくれるからわかりやすい。
「できた……」
『ちなみにマップはお店で買うか、スキルを取得するか、NPCからもらうことができます。NPCからはだいたいクエストなどを受けるともらえると思います。マップを手に入れるとウィンドウに地図と現在地が表示され歩いたところに色がつきます。地図スキルを取得すると地図を持っていなくても自身の歩いた場所が自動的に記録され地点登録なども可能となります。あとは初期費用がかかりますが無人販売所などもウィンドウ上から使用できます』
「へー」
無人販売所と言いつつ、どこかに店舗を出すわけではないらしいので……ネット販売みたいな感じかな?売るものができたら考えよーっと……
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