第5話 趣味は将棋と読書と小説執筆とオナニーです♡

1 棋力きりょくはアマチュア初段しょだん


 勝負しょうぶ終盤しゅうばんへとはいった。

 ちちとの勝負しょうぶ手合てあいは飛車落ひしゃおち。毎回まいかい、そこそこの勝負しょうぶにはなるのだけれど、どうしてもてなかった。

 まがりなりにも、初段しょだん免状めんじょうとしては、ちち相手あいて飛車落ひしゃおちでたないのはくやしい。しかも……。

 ちちはアマチュア六段ろくだん超強豪ちょうきょうごうでアマチュアの全国大会ぜんこくたいかい上位じょうい入賞にゅうしょう常連じょうれん

 プロの公式戦こうしきせんでも二桁ふたけた以上いじょう勝利しょうりげ、アマチュア大会たいかいかせいだ賞金しょうきん総額そうがくは1000万円まんえん以上いじょう。とはいえ、将棋しょうぎ全国ぜんこく大会たいかい遠征えんせいすると、おかねかるので収入源しゅうにゅうげんとはなりていないようだ。

 ただアマ強豪きょうごう天城あまじょうといえば、プロ棋士きしでも名前なまえらぬものがないほど有名人ゆうめいじんで、プロ殺しキラーおそれられている。

 さき手合てあいはちち飛車落ひしゃおちといたが、ちち本気ほんきせば二枚落にまいおちの手合てあいでも、ほとんどてない。

 飛車落ひしゃおちで勝負しょうぶになるようにゆるめてもらっているわけで、それでも……。

けました」

 あ〜っ、またけた〜っ! く〜や〜し〜い!

「あ〜辰子たつこ、この局面きょくめんだがな、飛車取ひしゃとりにかまわず、こうしていれば、辰子たつこほう優勢ゆうせいだったんだぞ。そちらの陣形じんけい美濃囲みのがこいで飛車打ひしゃうちにつよく、一方いっぽうで……」

 感想戦かんそうせんわり、

「ありがとうございました」

とおれいべてせきつ。中学ちゅうがくはいったころは、女性初じょせいはつのプロ棋士きし目指めざしていたのだけれど、棋力きりょく残念ざんねんなくらいびなかった。

 これでも部活ぶかつ将棋部しょうぎぶないでは男子だんしふくめても無敵むてきつよさをほこる。アマチュア初段しょだん無敵むてきなのだから、その程度ていどのレベルの学校がっこうである。ちちえるかべとしてはあまりにも高過たかすぎ、部活ぶかつほうはあまりにもレベルが低過ひくすぎた。わたしのコミュ力不足りょくぶそくもあり、みなのレベルをげることが出来できなかったのが誤算ごさんである。結果けっか、プロ棋士きしになるゆめ早々そうそうあきらめた。のみならず、女流棋士じょりゅうきしすらあやうい状況じょうきょうである。

 ちちもうわけなくはおもってるんだよね? 

 けれども、実力不足じつりょくぶそくはいかんともしがたいところで。


2 師匠ししょうとしては尊敬そんけいしてるけれど、父親ちちおやとしては……


「おかあさ〜ん 、お風呂ふろはいるよ〜?」

いま、おとうさんがはいってるからあとになさい。一緒いっしょはいるっていうんなら、めないけれど?」

「はぁ? おとうさんと一緒いっしょはいわけないでしょ! っていうか、おとうさんのあとやだ〜! なんかへんなモノいてそうだし、それにおとうさんのおちんちんからへんなモノてきて、わたし妊娠にんしんしたりしないかな〜。心配しんぱいだよ〜」

なに莫迦ばかなことってるの? 自分じぶん父親ちちおやをそうわるわないの。だれのおかげ生活せいかつ出来できてるとおもってるの?」

「だってさ〜、おかあさんがバイトなりパートしなけりゃ生活せいかつしていけないんでしょ? 中途半端ちゅうとはんぱ将棋しょうぎつよいから大会たいかいたびたび赤字あかじじゃん! こないだ、全国ぜんこく大会たいかい優勝ゆうしょうして賞金しょうきん50万円まんえんだってうから、おこづかい強請ねだったらいくらくれたとおもう? 500えんだよ、500えん家族かぞくにいい迷惑めいわくけて。甲斐性かいしょうなしのくせに、とんだ道楽どうらく親父おやじだよ!」

辰子たつこ迷惑めいわくなんてかってないでしょ? それに将棋しょうぎおしえてもらってるんじゃないの?」

「そうだけれど、おとうさん、おしえるの下手へたなんだもん★ そこはさあ、わたし気持きもたせてくれて、やるげてくれないと。全然ぜんぜんてないんじゃ、そりゃ〜やるなくなるよ?」

辰子たつこ女性初じょせいはつのプロ棋士きしになるんじゃなかったの? 手加減てかげんしてたせてくださいなんて、勝負しょうぶ世界せかいではけっしてったらダメながするんだけれどな?」

 おかあさんの言葉ことばむねさる。『女性初じょせいはつのプロ棋士きしになる』なんてってたんだ。ついこのあいだまでは。これまでだれもなしなかったこと。そこにいたるにはにじむような努力どりょくをしなければならないはずであった。

 それなのにわたしは、おとうさんのせいにしてげてしまった。本当ほんとうわるいのはおとうさんじゃない。努力どりょくおこたった自分じぶんのはずなのに……★


3 中学生ちゅうがくせいにして挫折ざせつ


 プラトー現象げんしょうという言葉ことばがある。

 勉強べんきょう練習れんしゅうつづけていると、あるところでなやみ、ときに実力じつりょくがることもあるという。

 スランプとているけれども、スランプはいままで出来できていたことが出来できなくなること。っているはずの能力のうりょくせなくなることをいう。

 プラトー現象げんしょうほう成長せいちょう停滞ていたいである。

 プラトー現象げんしょうであれば、やがてはしてふたた成長せいちょうしていけるようになるのだけれど。

 将棋界しょうぎかいでよくわれている言葉ことばに、

不調ふちょうも3ねんつづけば実力じつりょく

がある。不調ふちょうだ、不調ふちょうだとおもっていたらいつのにか実力じつりょくちていたというものである。

 中学生ちゅうがくせいわたしにとって、いま実力じつりょく頂点ちょうてんだとはおもえないし、おもいたくもないけれど。

 停滞ていたいさきあらたな上昇じょうしょうがあるのか? それとも、停滞ていたいのちには実力じつりょく下降かこうはじまるのか?

 そういった不安ふあんなかで、わたし将棋しょうぎからげてしまった。

 もはや、プロ棋士きしはおろか、女流棋士じょりゅうきしにもとどかないであろう。

 将棋しょうぎ勉強べんきょう自体じたいいまつづけているけれども、それはくまでもたんなる趣味しゅみ

 この挫折ざせつ原因げんいんでおとうさんとの関係かんけいにも微妙びみょうみぞ出来できてしまった★


4 あたらしい目標もくひょう。『く』ことと『む』こと


 ほんむのはちいさいころからきだった。将棋しょうぎ停滞ていたいしてきたわたしは、自分じぶんめられたべつ可能性かのうせいとして、小説しょうせつけるんじゃないかとかんがえた。

 物語ものがたりかんがえるのはきだし、それだったらプロになれるんじゃないかな? と。

 他愛たあいのない物語ものがたりだけれどいているうちに、すこしずつ挫折感ざせつかん払拭ふっしょくされてきたようにおもう。

 将棋しょうぎがダメだから人生じんせいわりというわけじゃない。あることがダメだったなら、べつのことをためしてみればいんだ♪


 うじうじモードはおしまいで、ここからはおたのしみモードに突入とつにゅうします❤


5 おにいちゃんのベッドでオナニー


「さーて、読書どくしょでもしよーっと。なに面白おもしろそうなほんないかなあ📕」

 といつつ、やってきたおにいちゃんの部屋へや本棚ほんだなまえをスルーして押入おしいれをけると、物色ぶっしょく開始かいしした。

 ほどなくして、大変たいへん面白おもしろそうで興味深きょうみぶかほん発見はっけんした。

 『おとこ必読ひつどく 乳首ちくびオナニーでイキましょう』

 ぶはっ💦 なに? おにいちゃんたら、おとこにも興味きょうみあるの? ひょっとして、押入おしいれのなか家探やさがししたら女物おんなものふくとかスカートとかてきたりして。ヤダ、ウケるんですけれど(わら)

 今日きょうはこれを拝読はいどくするとしよう。おにいちゃんのベッドにもぐむ。

 おにいちゃんのにおいにつつまれながら、おにいちゃんのってるエッチなほんむのはすごくドキドキしてたまらなくなる。最近さいきんはこれがおりでやめられない。

 ふむふむ、ほうほう、おとこひとでも『乳首ちくび性感帯せいかんたいとなりる』と。へえ〜、性感帯せいかんたいっていうのはまれたときから気持きもいというわけではなくて、『刺激しげきすることによって性感帯せいかんたいそだげていかなければならない』のか。ためになるな〜。『おとこでも乳首ちくびいじりながらオナニーをすると、乳首ちくび性感帯せいかんたいになり、ぎゃくにオナニー乳首ちくびさわ習慣しゅうかんがなかった場合ばあい性感帯せいかんたいとならず、れられてもくすぐったいだけとなる』。

 そういえば、わたし、オナニーするとき乳首ちくびあんまりさわらないな〜。ちょっとは気持きもいんだけれど、物足ものたりないっていうか。おんな場合ばあいも、性感帯せいかんたいそだてないといけないのかな?

 疑問ぎもんおもってさがしてみたけれど、おんなのことについてはれられておらず。むうぅ〜★ このほん女性じょせい読者どくしゃたいする配慮はいりょりてな〜い! といきどおってみるも、よくかんがえてみれば、おとこになりたい男子だんしほんだから、仕方しかたないのかな、とおもってみたり。

 よし、このほんかれている内容ないようが、おんなにもてはまるのかどうか、わたしためしてやろうじゃない! わたし乳首ちくびだけでイケるようになりたいしね♪

 ほん左手ひだりてち、右手みぎてはおむねをもぞもぞと。なんとなくあついような、むずがゆいような、微妙びみょう感覚かんかくになってきたところで、

「うおぉっ! こら、辰子たつこ! またあにのベッドにもぐんで。自分じぶん部屋へやろっ! 自分じぶん部屋へやで」

 ヤバい、おにいちゃんかえってきちゃった。でも、いまイイところなんだよね〜。自分じぶん史上しじょう最高さいこうに、乳首ちくび感覚かんかく集中しゅうちゅうしてる。ここで途切とぎれたら、またあらためてなんて大変たいへん……というか、ぶっちゃけ、ここまできたらイクまでやめられない。なんとか延命えんめいはかろう。

「ねえ、おにいちゃん? ほんんでたら、あたまいたくなってきちゃって。風邪かぜかな? もうすこしだけいさせて?」

「おいおい、風邪かぜならばなおさら、自分じぶん部屋へやでしっかりと……、なっ!」

 わたしんでたほん表紙ひょうしをおにいちゃんにけてしてやった。

 そう、『おとこ必読ひつどく 乳首ちくびオナニーでイキましょう』というタイトルのほんを。

「おかあさんにぐちされたくないよね? わたしもそんなことしたくないし。もうちょっとしたら、てイクから、おねがい?」

「し、仕方しかたないな。すごあせじゃないか? このあにがタオルでいてやろう」

「うん♪ ありがと☆」

 おにいちゃんとの会話中かいわちゅう乳首ちくびへの愛撫あいぶめない。おにいちゃんのほういて横向よこむきになっているので、オナニーしてるのはバレてないはず。


6 兄目線あにめせん:ヤバい! おれのベッドでいもうとがオナニーしてるんだが?


 いもうと辰子たつこよ! おまえ気付きづかれていないつもりかもしれないが、おまえがオナニーしているのは一目瞭然いちもくりょうぜんだぞ!

 うるんだひとみ火照ほてったほお。あら息遣いきづかいにもぞもぞとうご毛布もうふ風邪かぜでダウンしてているとるのはあまりにも無理むりがあるぞ。

 くわしい事情じじょうはわからんが、このあに推察すいさつするに、『オナニーをしていて、もうイキそう♡ こんな中途半端ちゅうとはんぱぢゃやめられないから、イクまでなんとか居座いすわってやろう』という魂胆こんたんなのではないか? だとすれば、なかなか見上みあげた根性こんじょうだ。

 奇遇きぐうにもこのあにも、おまえがイク瞬間しゅんかんやイキがお一度いちど拝見はいけんしてみたいとかねてからおもっていたのだ。おたがいの利害りがい関係かんけい一致いっち。これこそウィンウィンというものだ。

 おまえのイク瞬間しゅんかんまばたきひとつせずに見守みまもって、脳内のうない記憶きおくメモリーに永久えいきゅう保存ほぞんしておいてやるからな。

 それはそうと、ちんポジをベストポジションにセット。ズボンのシワでっているのが一目ひとめわからないようにしておこう。


7 おにいちゃんのまえでイッちゃった♡


 おにいちゃんがタオルでかおあせいてくれているあいだも、けっしてやすめない。心臓しんぞうちか左胸ひだりむね乳首ちくびだけを集中的しゅうちゅうてき愛撫あいぶつづけ、自分じぶん史上しじょう最高さいこうに、乳首ちくび性感せいかんすことに成功せいこうしてきている。

 とはいえ、このまま乳首ちくびだけでイケるかについては未知数みちすうだ。おにいちゃんにバレるまえにイキたいというおもいもある。

 そこで、左手ひだりてでクリちゃんをいじってブーストアップ。いままで右手みぎてでしかしたことがなかったから、左手ひだりてでのクリちゃん愛撫あいぶはぎこちないながらも新鮮しんせんで、あらたな領域りょういきめそうだった。

 とはいえ、横向よこむきの体勢たいせいでは、なにかと不自由ふじゆうで……★

「おい、辰子たつこあせ呼吸こきゅうすごいし、きちんと仰向あおむけになってほういんじゃないか? 毛布もうふだけじゃさむいだろう? 布団ふとんけてやるよ」

 おにいちゃん、グッジョブ👍

 毛布もうふ布団ぶとんうえからじゃ、オナニーしてるのバレないよね? このまま一気いっき最後さいごまでイッてやる!

 あらくなる呼吸こきゅう無理むりやりころす。両手指りょうてゆびうごきをはげしくして、絶頂ぜっちょうへとがる。あっ、キタ、キタ、キタ。イク、イク、イク……。両足りょうあしをつまさきまでピンとばして呼吸こきゅうめ、んううぅぅ〜!

――――――――――

――――――――

――――――

――――

――

 ふうっ……。ふうっ……。呼吸こきゅうあらいのを無理むりころすように、ゆっくりいきす。

 全身ぜんしんつつ気怠けだる充足感じゅうそくかん

 イク瞬間しゅんかん、おにいちゃんとったままだった。えへっ♪

 あのとき、わたしイッてたんだよ? おにいちゃんにぶいから、全然ぜんぜんかなかったでしょ?

 そういたいのを我慢がまんする。

 あ、ねむくなってきちゃった。このまま……。

――――

――


8 兄目線あにめせん:この記憶きおくメモリーは、ヘビーローテーション再生さいせいされることと相成あいなった


 うっわぁ、エッロー。おもわずズボンのポケットにんでしごいちゃったよ?

 パンツのなかひどいことに。風呂ふろはいるときに手洗てあらいしてから洗濯機せんたくきほうまないとな。


 どうやら辰子たつこは、毛布もうふ布団ぶとんこうがわで、むね股間こかん同時どうじ刺激しげきしていたようにえた。

 おそらく本人ほんにんはバレていないつもりなのだろう。辰子たつこはそういうとこけてるからな。まあ、いまいたのはおれほうだが。

 それにしても、いモノをせてもらった。普段ふだんひどわされっぱなしだが、それをおぎなってあまりあるご褒美ほうびだった。

 いや〜、いもうとがいてかった☆


 つづく


 次回予告じかいよこく


 辰子たつこだよ☆

 このころ左胸ひだりむね乳首ちくびばかりでオナニーしてて、あるときいたら、左右さゆう乳首ちくびおおきさがちがっててあせった〜💦

 みんなも乳首ちくびオナニーにはげむときは、左右さゆう均等きんとうあいしてあげることを心掛こころがけてね♡

 さ〜て次回じかいは、未来みらいんで、ヒグマにわれてんだ天城辰子あまじょう たつこちゃんが復活ふっかつします。

 おたのしみに♪

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