リコレクション
幻中ゆうき
風夏編
幕間
「助けてっ! 誰か助けてっ⁉︎」
誰かの悲痛な声が聞こえる。
「あなたはどこにいるの?」
呼びかけてみるが返事はない。答えることができないくらい切迫しているのだろうか。
「今すぐ助けに行かないとっ!」
「待って--」
後ろで男の子が叫ぶ声がした。
「あれ?」
急に意識が朦朧としてきた。どこか深いところに落ちていくような気がする。そして、とても寒いような、とても暑いような不思議な感覚がした。
「あなたは誰?」
真っ黒な世界で誰かが私に手を伸ばしていた。
「た、すけて--」
再び誰かの悲痛な声が聞こえてくる。
「あなたは誰なの?」
あれ、私は誰だっけ?
「私は、
そう、私は夢乃風夏だ。それは間違いない。
「あれ、さっきの人は?」
真っ暗な世界には私一人しかいなかった。他の人の気配はもうない。
「ここはどこ? 私はどうしてここにいるの?」
『風夏よ。この世界でたくさんの人と接し、たくさんの人を助けよ。さすれば、真実の道が開くだろう』
「あなたは、誰ですか?」
やはり、返事はなかった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます