第20話 起承転結系

「な、何言ってるんだ…!!信也…!?」

ミーちゃんはその天使の姿で一生懸命に訴える。


「ミーちゃん……

たくさん調べたんだ…

たくさんたくさんたくさん……

俺がたどり着いた答えがコレなんだよ。」


「まず何で私何だよ!?私は最初から……」

声を荒げる。


「最初から……違うんだ。全部。

あの時、あの路地、

あの猫は最初から俺を呼び出した天使何かじゃ無かったんだよ。」


信也はミーちゃんに詰め寄る。


「俺を呼び出した天使はあのクリスタルの中。俺の所に来るハズだった本物。

君が天使をクリスタルに閉じ込め、俺の場所に召喚した天使だと言って猫に姿を変え来たんだろ?

それに……天使の維持時間もおかしいんだよ。3分ピッタリでしかも一日一回で終わるならあんなに直ぐに俺達を発見できる訳無い……」


「何の事!?何の為に!?それに私は最初から信也を裏切った事があるの!?」


「裏切った事は無い……」


「だったら何で!?」


「俺にも分からないけど……

でも……

どう考えても君しかいないんだよ……」


手を握りしめる。悔しいさと悲しさが込み上げてくる。1番近くにいるハズの友だった。

どんな時も頼りになるハズだった……

嘘だったら俺が救われる……

頼む……


ミーちゃんは呆れた表情をした。

「はぁ……もういいよ……」


「ミーちゃん……」


ランスロットやガウェインは剣を構える。その他の3人も戦闘体勢に入る。


ミーちゃんは両手を上げた。

「降参降参。私の負けだよ信也」


「ミーちゃん……何で……」


「んーっと何でって……まぁ楽しかったからかな?」

指を自分に向ける。


「それに君は……いや、君達は……」


「おや?その口調って……

信也もかなり成長したね!

私は嬉しいよ!!」

ミーちゃんは翼と手を大きく広げ、無防備になる。

「さぁ、私を殺すんだ信也!!私は逃げも隠れもしないぞ!?」


後ろからは何者かの足音が聞こえて来た。

静かな森林にはその何者かの拍手が響き渡る。

「まさか……私のトリックを見抜いてしまうとは…?いれ慈恵は誰だい?」


ランスロットがその後ろから来た男に刃を向ける。

「貴様は誰……ッッお前はッッ!」


「やぁ……久しぶりだねランスロット……最後はたしか竜退治だったかな。」


「やっぱりお前か……バグダート。」


「君も久しぶりだね信也君。最後は病院でかな?」


病院……そうかっ!!

あの石が好きな男はコイツ……!?

って事はコイツもこっちの世界に……


「さぁ……ミーちゃん、おいで」

バグダートはミーちゃんに向け手で二回程合図をする。


「えぇ……もっと私の迫真の演技を見せたかったな……」

そう言い、腕を組み歩き出す。


「ランスロットさんや俺達から逃げられると思うか」


「世界の常識を揺るがす情報を目の前で逃がすわけ無いでしょう。」


パロミデス、ベディヴィア共々ミーちゃんに向け武器を構える。

「あぁ…今はそう言うのいいから」

ミーちゃんは2人に指を向けをその指を違う方向に飛ばす。


2人はその指に操られるようにして別々の場所に飛んでいった。


「はいっ終わり」


これは……【反射】の魔法……


「まて」

ガウェインがミーちゃんの前を塞ぐ。

「邪魔しないでくれる…?私はバグダート様の所に行くの」


「貴様は俺に負けただろ?」

剣を抜く。


「あれはシナリオの為に手加減してただけ。」


背後に回ったガウェインの軍神の一撃がミーちゃんの頭上を瞬時に捕らえる。


【空間断裂】


剣は頭直前で止まっておりいくら力をいれてもそれ以上したに進まなかった。

「何だ……この魔法……」


【反射】

ミーちゃんが指した方へとガウェインは飛んでいった。大きな大樹に激突し辺りに無数の葉が枚落ちる。


「バグダート様~私の働きはどうでしたか~?」


「良くやったよ」

そう言いミーちゃんを笑顔で褒める。


ランスロットとトリスタンは共にその光景を見ていた。

「トリスタン……20秒でどうだろう。」


「甘いねぇ…10秒、いや、5秒で十分でしょうよ」


共々構える。

「君達そういえば動けるのかい?」

バグダートは阿保ズラでその2人に質問をする。


「何を……何だ……この魔法…。」


「おやおや……コイツはまんまとはめられたって訳かい……」


2人はその場に何かでからめられている用にして身動きが全く取れない様子だった。


バグダートとミーちゃんは宙に浮かび上がる。

「信也君。君はこの世界のカラクリに気付いてるだろ?」


「あぁ……この世界は夢の世界何かじゃない……」


この世界は過去にあった世界。そうつまりは

タイムスリップ

竜や1000年の伝説、そして勇者。

それは全てミーちゃんが俺に吹き込んだ嘘。

何でタイムリープを知っていたかは知らないが、何も知らない奴には嘘を伝えやすい。


そして、ここからは俺の推測。

ランスロットが死んでタイムリープした時は記憶が消えた。そして、病院では奴以外に誰

からも話し掛けられていない。警察もいない。


消えた?違う、元々無かった事になってた。

バタフライエフェクト……

ランスロットは俺に何か繋がりが……?

いや、そうだ……って事は…?

私は国を作るのが夢……

俺の幼なじみのヒミコ……

日本……大和……

ランスロットが裏切り魔法が何かしらによって消えた後、、、

まさか……日本を作った卑弥呼って……

じゃあ俺はその卑弥呼との血が……?


「その通りだよ信也君」

空中に居る奴から声が届く。


コイツ……考えてる事が分かる……?

「何でお前はタイムスリップしてここに来てるんだよ!?」


「簡単だよ。今の歴史を変え魔法を現代に復活させる事さ。」


「そんな世界の根本をひっくり返す用な事をすれば……取り返しのつかない事に……」


「なるだろうね。だが私はね信也君。

今の世界の方が余程酷いと思うのだよ。それは何故か?単純さ魔法が無いからだよ。」


「いやいや、意味が分からない……第一どうやってタイムスリップを……」


「全て明かしてはこれからの楽しみが無くなるだろ?まずは君を呼び出した天使に聞いてみるといい。私はね、エンターテイナー何だよ。」


トリスタンは死体偽装と言っていた。

自分ならこうするだろうと……

つまり奴とは考えが似てるからその先も何となく予想が出来るのであろう……


「またね信也君。君の活躍を楽しみにしてるよ。」


空中が歪み扉の用な物が出現した。

「ごめんね信也。楽しかったよ~」

ミーちゃんはそう言い手を振る。


バグダートとミーちゃんは共々その扉を開き入ろうとする。


「まだだぁぁぁあ!!」

ランスロットが叫ぶ。


ランスロット!?


バグダートはその声に反応少し止まる。

「何だい第一君は動けないだろ?」


「確かに動けないが……」

魔法を使えないとは言ってない


バグダートとミーちゃんの頭上には数千と数え切れない程の水で出来た刃が出現していた。

「それで?何をすると?普通に落とすわけ無いだろう?」


「あぁそうさ…これはダミーだからな」


「ほう……では本命は?」


「後ろを見てみろ…」

ランスロットの問いに答えるように顔を後ろへ向ける。


トリスタンの声が聞こえる。

「残念、下でした。」


【重力】


トリスタンは巨大なドーム状の黒い塊でバグダートとミーちゃんを包んだ。

信也やランスロットは下に這いつくばる。

「トリスタンッッ!私達も巻き込まれているッッ!ウッ…ッッ!」


「少しは我慢しろ。それに見てみろ」

バグダートは上を向く。


「トリスタン……そうか重力魔法だったか……」

バグダートは扉から徐々に下へと離れていき地面まで数mまで迫っている。


マズイ……バグダート様が……あぁもうめんどくさいな……

ミーちゃんは重い重力の中で指を鳴らす。

その音が響くと辺りは静かになり石のように何も動かなくなった。


「時止め何て使う予定じゃ無かったのにな……」


ミーちゃんはバグダートの体を扉の方へと投げ入れる。

「信也……最初から嘘のハズだったんだけどな……何でだろう……」


――ごめんね


そう言い残し再び時間が進んだ。

「あら?いつの間に逃げられたのかな?」


「いいから早く魔法を解けッッ!信也が意識を失ってるから!!」


「あぁ…すまないね」


気付くとトリスタンとランスロットは足が動くようになっている。


円卓の騎士5人と信也はランスロットの魔法により王国まで一緒に連れ帰ってもらっていた。

「んん……」


「おう……信也じゃないか!!目が覚めたんだな!!トリスタン!!信也が目を覚ましたって寝てるのか……」


「こんな無謀な賭けに……ランスロット…ありがとう……」


信也とランスロットは隣に座り込む。


「いや、友の為だからな。当然だよ。」


「お前は優しいな……」

信也は笑顔でランスロットに振り向く。


「ハッハッハ!そうだろ!それに……もうすぐで国に着く。そうすれば皆も君の事を認めるだろう」


「俺はさ、ランスロット以外にこんな仲良くなった人は居ないんだよ……」

信也顔が少し赤くなる。

「いや、別に惚れてるとかじゃないけど…」


ランスロットは俺の顔を覗き込む。


「あんまり見ないでくれよ……その恥ずかしいからさ……」


ランスロットはずっと黙り考え込んでいる顔をしている。

「ランスロット……?どうしたの?」


ランスロットは口を開ける

「お前……」























――誰だ?



第一章 完



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