この物語は二階堂と坂山がそれぞれに南の島で快適に過ごそうと試みるひとつひとつを、まるで台詞が一枚の絵を描くように進んでいきます。が、やがて少しずつ違和感を覚え始めるのです。それはぽとり落とされた違う色を見るようで、…あれ?…ん?と思ううちに驚愕の結末へ。そうだったのか!のどんでん返しで完成される絵。過程も楽しめ、だまされる心地よさを味わえる作品でした。この設定と展開は小説ならではのものですね。作者さまの着眼に唸りました。