β版MMORPGの世界でテストプレイヤーになりました

冷奴太郎

第1話:当選

「晴斗先輩。さっきから誰からの手紙読んでるんですか?まさかラブレター?」

放課後の学校のパソコン室で手紙を読んでいると、ダークブラウンの髪をポニーテールにしたメガネの後輩が話しかけてきた。

「なんだ、香音か。ラブレターなわけないだろ、俺は17年間ずっと非リアだからな」

「ふーん、そうなんですか。じゃあその手紙は何なんですか?」

香音がどうにかして見ようとしてくるので俺は手紙の内容を説明することにした。

手紙にはこう書かれていた。


 この度はβ版テストプレイヤー公募に応募頂き、誠にありがとうございます。厳正な審査の結果、当選となりました。つきましては、後日、二人分の機材を送付いたしますのでご参加ください。二人目に関しましては任意ですので、どなたでも構いません。

 何かありましたら担当の連絡先までご連絡ください

  連絡先 www.########

0120XXXXXXX    株式会社トライデント取締会長


つまり誰か一人だけ呼んでもいいという事だろう。

「これは『アースクエスト』って言うMMORPGのテストプレイの招待状だな。一カ月前におじいちゃんに勧められてやってみたんだが本当に当選するとは思わなかったから驚いてる」

「驚いてる割にはリアクション小さいですねぇ。いつも騒がしい先輩にしては珍しいですよ。で、私も連れて行ってくれるんですか?」

香音はずれた眼鏡を直しながら言った。

「一応そのつもりだけど来る?他に適任いないし」

そう言った瞬間、香音は目を輝かせながら頷いた。どうやら決まったようだ。

「じゃあ準備して早速やってみようか」


-------------------------------------------------------------------------------------------------


《アースクエストの世界へようこそ。ここではあなたの基礎的な情報を決定します》

気づくと真っ白な空間に一人でいた。服装が本でよくある冒険者のような服装になっている。女声のアナウンスに従って設定を進めていく。

《名前を決めてください》

名前はいつもゲームで使っている『ハルト』でいいか。

《職業を2つ決めてください。片方はサブになります》

なるほど・・・。職業が複数あるシステムなのか。職業はどうしようか。

職業

剣士:片手剣・両手剣・刀などを扱う近接職

槍兵:槍をあつかう近接職

弓兵:弓を扱う遠距離職

魔導士:魔法を扱う遠近両用職

白魔導士:回復魔法・補助魔法を扱う

黒魔導士:デバフ・状態異常を得意とする

召喚術師:魔物などを召喚して戦う

錬金術師:錬金術を扱える・触媒魔法も使える

暗殺者:短剣・毒手・その他さまざまな暗器を扱う 隠密もできる

武闘家:空手など武術で戦う

重装戦士:盾などを持った防御系の装備・モーニングスターなどの武器を扱える

軽装戦士:鞭・短剣・投げナイフなどを扱える


悩むけど魔法剣士みたいなプレイングが好きなんだよな。メインを剣士、サブを魔導士にしよう。

《最後に種族を決めてください》

種族なんてあるんだ。何があるんだろう?

種族

人間:ステータスがバランスよく育つ

エルフ:魔力特化のステータス

ドワーフ:筋力特化のステータス

獣人:敏捷特化のステータス

こっちはシンプルなんだな。まあ人間でいいかな。

《設定が全て完了しました。それでは世界に転移します。転移まで3,2,1》

カウントが終わると光に包まれていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る