銀伍

「君はさっきの...」


「あの時間だと夕食の時間は過ぎてるので良ければこれを。」


クロを訪ねてきたメイドはそう言うと包みを渡してきた。


「これは?」


「中身はパンです。本当はスープに浸して食べるものなので固いかもですが...迷惑でしたら持ち帰りますが?」


「いや、迷惑じゃないよ。ありがとう。えーと...」


「シロといいます。シロとお呼びください。」


「ありがとうシロさん。」


「ええ、それでは失礼します。」


メイドはお辞儀をして階段を降りていった。


クロはシロが階段降りるのを見届けると扉を閉めた。


ふと思った。


いつ自分の名前を教えただろうか。と。

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