始の章肆

飲み込まれる。


そう思った瞬間腹に激痛が走り目を覚ました。


「起きたか。」


クロは先ほどまでの出来事は夢だと遅れながら気づいた。


それほど現実的でとても身近な者に感じたからであろう。


「それでだ。何かつかめたんだろうな?」


クロは未だにホールが言っていること。

他の生徒達がつかめたと感じていた違和感のこと。そのどちらもクロには分からなかった。


それをホールも感じたのであろう。


「未だに力の鍵となる違和感をつかめないとでも言うのか」


ホールはハズレだったと感じたようであった。その証拠にホールの雰囲気がガラリと変わった。


「もういい。お前は用済みだ。」


そう言うのと剣を抜き出しタイミングは同じであった。そしてその剣をうつぶせになっているクロの首へと剣を突き刺した━━


「...」

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