起の章参

1人目が出てからまもなく一人、また一人と力を発現する者がでてきた。


あるものは翼が生え、またあるものは角が生え、さらには下半身が馬のような四足歩行になるものまであらわれた。


他にも


「あのー...多分できたと思うんですけど...」


「...どこが変わった?」


兵士が言うとおりその少女の容姿は変わっている気配はなかった。


「えとー...なんか遠くのものがものすごくはっきり見えるようになった気が...する?」


兵士はそれを聞き納得したようにうなずいた。


「なるほど タカ かそれににたようなモンスターの力か。理解した。これが部屋の鍵だ。」


というように姿は変わらなくとも何かしら変化する力もあるようだった。


一時間も立つとほぼ全員が力を発現し自分の部屋へと向かっていった。


それから30分も立たないうちにホールが体育館へとあらわれた。


「全員いなくなってるかと思ったが...まだ一人残っているのか。おい、おまえ。あとどれくらいでおわりそうだ?」


最後の一人というのはクロであった。


「え、あ、はい。まだ気絶したときに感じる違和感?みたいなものがどこかわからなくて...」


「わからない?」


「はい。気絶したときに何にも感じなかった気がしてて...」


「ほう、何も感じなかった...か。ではもう一度やってみるか。''力を発現しろ''」


ホールがそう言うと同時にクロは苦しみ始め10分ほど立ったころ気絶した。


(数秒で気絶しなかったところを見る限り力は確実に持っているはずだ。なのにこいつの体は一回目と同じくどこも変化はない。目や視覚といった見えない力という線もあるが...それでも違和感を感じなかったというのはやはりおかしい...わからないが気絶されてても拉致があかない。)


「おい、さっさと起きろ。」


ホールはそう言うとクロを起こしにかかった。























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