王子様って呼ばないで

とまと

第1話

「ああ、美しい姫よ 私が貴方に惹かれていると知ってその様な態度をとるのですか?」


舞台上で ただ1人スポットライトを浴び 観客(全て女生徒、女子校なのだからそうなのだが)から黄色い声援を受けているのが 聖・マリアズ高等学校 演劇部副部長の大路 亜也 端整な顔立ち、キリッとした眉 白い肌。極め付けは 声である。凛々しい声が場内に響きみに来ていた女生徒が ため息をつくほど

彼、違いますね。彼女の声は魅力的なのである。


舞台が終わっても鳴り止まない歓声、アンコールの声、律儀に彼女は舞台に出て行って挨拶を数回し帰ってくる。


軽く休憩を取りたいと思い 亜也は 部室を後にした。







またやってしまった……。なんなんだろうあの台詞。

姫よって、なんで毎日のように王子様役しか来ないのかしら…!演劇部に入ればドレスが着れるかもって思って 入部したのに、部長が「貴女にとっておきの役を与えよう!万年皆んなの王子様だ!君にぴったりでしょう〜」


なにが万年皆んなの王子様よ!だ。


ふわっふわな…ドレス着たいなぁ。レースがふんだんに使われてる可愛いワンピースも着たいなぁ。


亜也は制服のポケットに潜ませていたある物を取りだし、しばらく見つめた。


親友の有栖川加奈子が作ってくれたとっても可愛いワンピースを着た兎のヌイグルミ。

とても女の子っぽくて可愛い。ワンピースも真っ白で素敵、とっても素敵なのだ。これを見ている時だけ嫌なことを忘れられる。


亜也は時々学校の裏山に足を運ばせて一人物事にふけていた。


そろそろくる頃かな…


亜也が裏山の真ん中にある大きな木に腰を落とす。


木の裏側から猫のヌイグルミが顔を出した。


『3日振りだね!王子!』


亜也は兎のヌイグルミを出して


『姫こそ、元気そうだね』


と、ヌイグルミを介して話すのだ。


時間を決めてたまに会う。実際には顔を見たことなんてない。でも見なくても良いかなとお互い思っているのできにする必要はないんだけども。


今日もまた2つのヌイグルミは 学校の出来事とか愚痴とかを話し合い ちょっとスッキリする そんな仲であった。



きっかけは亜也が一人で兎のヌイグルミを動かして遊んでいたのが 出会いである。


突然木の裏側から猫のヌイグルミが 出てきて会話してきたのがはじまりなのだ。


『いつも愚痴とか聞いていてくれてありがとね。姫』



『こっちこそ。王子に色々相談に乗ってもらって助かってるよ』



『あっ、もう昼休み終わっちゃう。姫待たね』


『うん!王子もあと4日頑張れ』



2つのヌイグルミは身体全体で バイバイと表しそれぞれの持ち場に戻っていく。



お互いに勘違いしながら



「しかし、姫は可愛い声してたなぁ。きっと可愛い女の子なんだろうなぁ」



亜也は姫を同じ学校の女生徒だと思っている。可憐な子だと、いつか顔を見せ合って友だちになりたいとも強く思っているけど、もう少し、もう少し仲良くなってからの方がいいなと、亜也は兎のヌイグルミをポケットに戻して 部室へと戻って行った。

「王子様って呼ばれてます」(2)


ここは とある部室。





カチャカチャと誰かが一人作業をしている。



「よし、これで今回の演劇部の写真は完成ね!亜也は気乗りじゃなさそうだけど、部長がいる間は我慢よね!加奈子にも見てもらわなきゃ」


バタンとやや強めにドアを閉め 西条 しずくは写真部の部室を後にした。





演劇部 部室



「さっすが!流石よ!西条、これだったら今年の文化祭一位狙えるわよ!」


部長は絶賛の嵐、亜也は呆れ気味


「そんな大袈裟な」


加奈子が亜也の横から顔を出し


「中々のイケメンに写ってるわね、亜也。

部長 確かに文化祭では一位を狙えるかもしれないけれど今年は3年に一度の聖・蒼葉祭があるのをお忘れかしら?」


聖・マリアズと、蒼葉男子高等学校の合祭である。伝統的な学園祭であり、かれこれ100年くらい続いている。

各校の素敵な部分を素敵な部活を競い合いその中で順位を決める〜そんな学園祭なのだ。

ぶっちゃけると、女子校と男子校の文化祭なので

社交の場所、良い人と出会えたらいいね!みたいな感覚である。


「わ、忘れてたわ。もうそんな季節なのね…私が一年の頃 出会った殿方は元気かしら…」


ほうっと部長 北上撫子(きたがみ なでしこ)は窓を開け外の樹々を見つめる



「元気じゃないですか、毎日送り向かいしてもらってるくせに」

つかさず 西条がツッコミをいれた。


そうなのだ。だいたいその文化祭で彼氏ができたりするのだ。


「撫子先輩の彼氏って結構体力系ですよね〜初めてお会いした時、声の大きさにびっくりしちゃいましたよ」


「亜也だって、毎日大きな声出してるじゃない?」

と、加奈子は言う。


それとこれは違う!亜也は大きな声で反論した



「だとすると、練り直しかしらね」

部長は一人ぶつぶつと語り出し 閃いた!みたいな顔立ちで

私たち3人の前に立ちとんでもないこと言い出したのだ。


その事か今後 大路亜也にとっても 有栖川加奈子にとっても、西条しずくにとっても

大変な学園祭を迎えることをまだ彼女たちは知らない、知る由もなかった。





北上 撫子(きたがみ なでしこ)聖・マリアズ高等学校 演劇部部長 高校3年生


発想は芸術よ!と静かな図書室でも行ってしまうほどの心臓の持ち主。

もちろん一人で図書室には行けなくなってしまった。(うるさいので)実力は有り各方面から卒業後に来ないかと言われているが本人はそのまま附属の大学への進学を決めている。

身長は西条とさほど変わらない。

丸眼鏡をしている。

1年生の時今の彼氏と 聖・蒼葉祭で出会った。

出会った当初と現在もあまり2人のピュアさは変わってなく 見ているこっちが照れると

熟年夫婦になりかけてる加奈子が言っていた。


阿川 達郎(あがわ たつろう)蒼葉男子高等学校3年生 空手部所属 部長

彼女の事になると 硬派な姿勢が一気に弱くなる。

出会った頃から彼女があまり変わらないのでドキドキしっぱなし、心臓が持たない。心を落ち着かせるためにいきなり叫ぶことがある。ここは彼女と似ているだろう。


桜姫 由紀とは従兄弟。



「王子様って呼ばれてます」(3)


「桜姫生徒会長!入学した時から好きでした!ぼ、僕と付き合ってください!」×20


「ごめんね、僕の恋愛対象は何度も言ってるようだけど女性だから!男には興味もないから!」


朝起きて登校して下駄箱に大量のラブレター。

うん、差出人は男だね。

うん、そろそろ僕が男であるとを知ってほしいな、みんな知ってるはずなんだけどなぁーぁ


「桜姫会長モテモテですね」


「男にモテても意味ない事 輝知ってるよね?」


國分輝 が後ろの方から声をかけてきた。おちょくってるようだった


「知ってますよ、でもそれは会長が可愛すぎるのが問題だと思いますけどね〜」


桜姫は國分の腹をげしげしと蹴りなら


「会長言うな。生徒会してる時だけでいいって言ってるだろ」


「はいはい。まっ由紀もさ彼女作ったら人生かわるかもよ?」


この男子しかいない所で彼女なんか作れるハズないでしょうと思いかけたが 1つ忘れてたイベントを思い出した。



「なるほど。3年に一度の聖・蒼葉祭が今年はあったね。確か輝の彼女も聖・マリアズだよね」


「そうそう。だからさ、今年こそは絶対に学祭盛り上げてついでに由紀も彼女作ったらいいよ!」


彼女か。

「あれ?なんか考えてる?はっ!もしかして意中の相手でもいるわけ??」


「んー…意中の相手なのかなぁ。あったことないし」

果たして兎のヌイグルミは意中の相手なのか。相手が女の子なのかも不明だし…でも、声可愛かったし でも 王子って呼んでるから男子なのかなぁ

由紀が悶々と考えていると

その話を聞いていた壊都がガタガタと震えたし、

「俺の由紀をたぶらかしたやつぶっ殺す」などとぼやき始めた。


「あれ?壊都いつからいたの?」


「由紀に意中の相手でもいるのか?と貴様が聞いていたところからだ、なぁにが意中の相手だ!由紀には俺がいればいいの話しだろうが!」


「友達としてだよね!友達としてだよね!由紀」


壊都のぶっ壊れた思考回路を由紀に気付かせないために輝は 友達として!を強調した。


「んー。壊都は友達兼用心棒だよ?

輝は友達兼相談相手だし、あーでも恋バナするには達郎に頼んだ方がいいのかな?」


由紀の口から知らない男の名前が出た瞬間に

壊都の顔が更に厳しくなった。


「達郎?って だれ?」


「僕の幼馴染兼親戚の頼れる兄貴!確か彼女さんか聖・マリアズにいるハズだから色々聞けるかなって思ってとりま Lineでこっちにきてもらう事にした」


Lineかよ!てか同じ学校のやつかよ!


王子様って呼ばれてます(4)



由紀がLineで相談相手を読んでから数分後に生徒会室の扉が開が勢いよく開いた


勢いよくだ


「呼んだか!!由紀坊!!」

鼓膜が破れるんじゃないかって思うほどに馬鹿でかい声が木霊する。


声のする方に首を傾けると

その声の主はあろうことか空手部主将の阿川達郎であった。


「達兄、来てくれてありがとう。あと由紀坊はヤメて」


「んー。そうか?じゃあ由紀おまえが俺にLineするなんて珍しいがどうした?」


「達兄さ、聖・マリアズに彼女いるでしょ?」


「ンッッッ!!!」


彼女というワードに過剰に反応する空手部主将


「どうしたらその、意中の相手と彼氏彼女になれるかなって…!?達兄、息してないけど大丈夫!!」


「ンッッッ!悪い由紀、俺にその手の話を振らないでほしい…俺は俺は恋愛話は苦手なのだ!!」


「彼女いるのに!?なんで!?」


由紀と輝がまじかっ!て顔になった。


「彼女はいるけど、その、あの、色恋は苦手なのだ」どんどん声が小さくなってゆく


「嘘だ!毎日送り向かいしてるし、休みの日は彼女の家に行ってるし、たまにデートしてるとこ見るけど仲睦まじくて羨ましくおもってるのに??」


由紀おまえそんな事してんの?


「大丈夫だ、由紀には俺がっ「達兄!お願い!今日も送り向かいするんでしょ!聖・マリアズに一緒に行っていい??」

壊都が俺がいるから!と言おうとしたが由紀に邪魔と押しのけられてしまった。

「あ…あぁ。大丈夫だ撫子に連絡取ってみる」弱々しく答えると

達郎は携帯を取り出し 撫子に直接電話した。


======================================================================「まじか。うん、わかった。うん、じゃあこっちも人数集めとく、うん、丁度いいのが3人居るしうん、わざわざありがとう 達郎さん」


部長が「ひゃっ!」という奇声を発してから電話に出て数分 今は普通に会話をしている。


電話が終わったのか 部長は少し息を整えて


「なんかね!彼氏の後輩がね!恋バナに相談に乗ってもらいたいらしくね!コッチに来るんだって!!だからね!今日は部活はおわり!

あんたら3人は強制的に私とファミレスよ!」


「えっ、3人って私達ですかぁ??」


あんたら意外にだれが居るのよ?


部長と私達3人しかいませんね…。


部活動を早々と切り上げ部長と私達3人はファミレスにいる。


目の前には見知った顔もあれば知らない顔もあったのだった。


「加奈子の彼氏と撫子の彼氏」(5)



「なんであんたがいんのよ輝」

ファミレスに来て早々加奈子が口を開いた。

國分輝は加奈子が来ることを予期してなかったようで、ぽかんとしている。



撫子部長が男子は向こうへ座れ!と喝を入れたので

男子は向こう側の席に座る事になった。まるで合コンのようだった。

阿川部長、輝、なんか女のこみたいな子、スッゲェ睨んで来るヤンキーという順で並んでいる。ヤンキーに至ってはなんか怖い…なんだろ、ガン付けられてんのかな?


女子組も 撫子部長、加奈子、亜也、しずくの順で並びとりあえずドリンクバーを頼むことからはじまったのだった。



「えっと、君が桜姫くんかな?」


恐る恐る撫子が阿川の隣の子に話を聞き始めた


その子は男子校の制服が似合わないようにも見えた。

その子の名前は『桜姫 由紀』というらしい、しかも蒼葉男子高等学校の生徒会長だという。

こんな、弱々しいのに?女子4人が同じことを考えた、無理矢理入れられたのかしら?と、


「あ、はい。僕が桜姫由紀といいます。達郎とは従兄弟なので、相談に乗ってもらおうとしたら全力拒否されたので彼女さんだったらどうかな?って思ったんですけど、」



「あー、ダメダメ。このカップル純情清純真っ盛りだから、あてにならないよ」


と、加奈子はキッパリハッキリと言った、言い切った。


「純情清純真っ盛り…」

コテンと首を傾げる由紀を他所に加奈子は喋り続けた


「だいたい、この2人休日何してると思う?お家デートよ!?だったらもうさ やり放題じゃない??なのによ?2人でジェンガを朝から晩までしてたのよ?馬鹿なの?!ってツッコミ入れたわよ!顔を見るのが幸せ、目を合わせて赤面、手が触れたら慌てふためく、この2人に恋の相談は無理よ!きくんだったら私か、そこの私の彼氏にでも聞きなさい!!」


「加奈子素敵っ!惚れ直した!!」


「そこの彼氏って、まさかお前彼女持ちだったのか!??」

驚愕の表情を浮かべ、輝をガン見するヤンキー。


「あれ?言ってなかったっけ…五年付き合ってる彼女が居るって、まっそーゆことだから」



「まあ、僕は加奈子さんとは初対面じゃないしね。」

ズズッと、ストローでドリンクを飲み干す由紀がいた。



「で、由紀君はさ、恋しちゃってるわけ?」


「…相変わらずブッ込んできますね」


「えー、ダメだった?恋話なんでしょ?言わなきゃー語らなきゃーなんにも始まらないよ?」


加奈子可愛い!と輝が横でめちゃくちゃ煩いので、

話す事にした。今気になってる存在のことを



話した後 大路亜也は赤面しながら顔を手で覆っていたし、加奈子については亜也をガン見している。とっても嬉しそうだ。西条しずくも亜也をじっと見てる。


「…亜也、知ってるんでしょう??」

加奈子は亜也のポケットをまさぐった。


ポンっと

可愛いレースを身にまとったウサギのぬいぐるみが出てきた。


「ひぃっ!な、何を??」



「いま、桜姫くんが携帯で差し出したこの写真のうさちゃん確か私が亜也にあげたやつと酷似してるんだよねー、ねぇ、王子??」



「…そ、そうだよ!僕が王子だよ!隠してるつもりはなかったんだ、かおは見えなくても話し相手として友達として居るだけでよかったんだ!!」

亜也はウサギぬいぐるみを左右に揺らしながら喋り出した。

亜也ってば!そんなイケボイスで喋ってたの!?

マジうける!!んですけど!!


桜姫由紀は制服のポケットから猫のぬいぐるみを出して同じトーンで話し出した。


「まさか!王子が女のコだったなんて!でも私も同じようなことしてたし、おあいこだね!」


ちょっと待てぇ!!

亜也ならわかる!てか!おまえもか!!


「姫っ!ありがと、そうだ、せっかくだからLine交換しない??そしたら毎日話せるよね」



「…そうだね!王子、姫って言わなくても良くなるしね!」



こうして、亜也と由紀はLine交換をした。


すんなりとした。


「…亜也、あんた。タイプなんでしょ?可愛い系男子が」


「あーうん。可愛い系男子はタイプですねぇ」


本人がいるにも関わらずヌケヌケと亜也は言う


「特にこの、身長!ベストです!でも絶対さ、桜姫くんにナイトの衣装似合うって!!撫子部長どうかなぁ??聖・蒼葉祭 混合劇やってみよーよ?」



「…そうね。いいかもね、んー。私は引退が近いからあんた達三人で動かしてみなさい。

大丈夫よ、脚本は書くから衣装も手伝うし、ただ場をまとめるのは亜也の仕事ってだけよ?そうだせっかくの混合劇だし」


チラッと撫子部長は蒼葉の方を見た。


「この子達にも協力してもらったらいいんじゃない?個性派ぞろいだし」



「なっ〜」


「拒否権は認めません部長命令です、いいわよね?達郎さん??」



「わりぃ!お前ら頑張れ」



「なっ!俺は参加しねぇぞ!!」


壊都が達郎に突っかかった時に後ろから輝が

「由紀にお前のことバラすけど?」

と、満面の笑みで耳打ちし、壊都は泣く泣く参加する事になる。


「楽しそうだね是非参加するよ、と言うことはマリアズの生徒会にも挨拶しなきゃだね?」


「あ、その必要ないから」


「え?でも、」不思議に思う由紀に撫子部長は当たり前のようにいう


「聖・マリアズはね、演劇部が生徒会みたいなものなの。ここにいる子達全員生徒会役員だから

挨拶しなくてもいいわよってこと」


「大路亜也、生徒会副部長次期会長」

「有栖川加奈子、生徒会副部長 だし、西条しずくも生徒会副部長だしね、まぁこの2人は他の部活かも兼任してっけど有能さんよ?」


「だから、問題は無いって事ですか」


「そーゆーこと。由紀くんの恋バナはなんとかなったし、そこのヤンキー君はなんかどんよりしてるし、解散でいいわよね?面倒だしはい!解散」




部長の解散宣言されて数刻


撫子部長と達郎先輩は真っ赤になりながらも腕を組んで帰っていった。


有栖川加奈子と、國分輝は輝が加奈子に猛烈アタックをしながら 加奈子が舌打ちをし、追いかけっこをしながら帰っていった。よく続くなと思う。


白石壊都は由紀がっ!由紀がっ!とブツブツ言いながら由紀と別方向に走っていった。



西条しずくも壊都を心配して帰っていった。


気がつくと私、亜也と 由紀君しかいなかった。

流石に2人で残るわけにもと思います席を立とうとした時


バシッと手を掴まれたのだ。


「あ、ごめん。でも待って」


由紀はゴソゴソと制服のポケットから 猫のぬいぐるみを出して

「うさぎと交換しよっ」と言ってきたのだ


「でも、交換したら王子じゃなくて、姫になっちゃうよ?」



「こんな時こそ姫になったらいいんじゃない??猫は姫。ウサギは王子、それでいいんじゃない?それか、亜也さんは何処にお住まいで??」



「蒼葉三本木町」


「なんと!一緒だ!じゃあさ、Line交換記念に一緒に帰ってもらえますか?姫?」



「よ、喜んで…恥ずかしいよぉ〜やっぱやめよこれ王子の方がいいよぉ〜」


「だーめ。可愛い系好きなんでしょ?僕と2人っきりの時は姫って呼んであげるから、僕のことも王子って呼んでよ」


内心ヒィ〜と亜也は思ったが


異性に「姫っ!」なんて呼ばれる機会が無いのでこれはこれでいい体験だなと思い


仕方なく、2人で帰る事にした











ドウシテコウナッタ…というのが加奈子の脳内を駆け巡る


未だに彼女(大路亜也)は行き交う人々(主に女生徒)に王子様として振舞っている。しかと完璧なエスコート、侮れない。伊達に1年間皆んなの王子様を演じていたわけでわない…というのが明白だろう


またも一人亜也王子の餌食になる犠牲者が現れようとしていた。




隣の高校からすこし背が低い男の子と高い男の子二人が小走りで入ってきた。どうやら口喧嘩をしているようだ


「ちょっ、なんで壊都まで付いて来るのさ」


「何処の馬の骨かわからないヤツに俺の大切な由紀をみすみすと渡せるかってんだよ」


「いや、となりの高校の大路亜也さんだからね?もう、昨日知り合ったでしょ」


由紀と壊都の二人であった。




二人が足を踏み入れた瞬間その場の空気がすこしだけ動いたようだった。


新たらなる得物に目を輝かせて王子亜也が二人に小走りで向かっていった。


(どうかー!亜也をとめて!!新たな犠牲者が出ないうちに!!)





シャラーン(効果音)


「おや?まだぼくと話していない仔達が居たんだね?」

亜也の手が由紀の頤を(顎のこと)掴みうえに向かせる(顎クイ)


「えっ!?」


「てめぇ!俺の由紀にさわるな!!」


バシッ 乾いた音が響いた。


「なんと、こちらの威勢が良い子猫ちゃんも魅力的だね、その、威勢の良い目、反抗的な口、うん可愛い、是非とも飼い慣らしたいねぇ」

色香と共になにか得体の知れないものが壊都の中に流れ込んでくるようだった。


「ヒッ!由紀逃げろっ」

思わず後ずさりしようと後ろをみたが

「カッコいーやばいー惚れる〜」

と、なんとも間抜けな言い草の由紀を見る羽目になった


壊都の横でモロに色香に当たっていた由紀に逃げるとかそんな言葉は届かない



「うんうん壊都だっけな?可愛いね君にはこれを差し上げよう、是非とも僕の可愛いおもちゃになってくれると嬉しいな!」



ガチャン…


壊都の首にあろうことか黒いチョーカーがつけられた。



「なっ!なにしてくれとんのじゃーーーーーーーーー!!!!は、外れないし!!」


「てめぇ!外せよっ!うわっ、急に倒れんな!!ちょっ、目ぇ覚ませ!!」

体力が切れたのか 亜也の体は壊都の胸にそのまま倒れ込んだ

壊都は乱暴に亜也のほっぺを叩いて起そうとする。


意識が戻った亜也が見た光景は今の今まで見た光景よりも刺激的で衝撃的だったのはいうまでもない



なんだろう何かの上にいるような、温かい感触。柔らかい…


それに、レモンのいい匂い


でも何故?ほっぺたが痛いのはなぜ?


亜也の虚ろな目に映ったのは昨日ファミレスで知り合った、確か白石壊都君というヤンキーみたいな少年のはだけた姿であった。


少年は亜也と目が合った瞬間たじろぎ、宙を向いている。


亜也は

そっとその少年の胸に顔を埋めた


少年はひぃっ!と、声をあげた



「っっっ!!てめぇ!!いい加減離れろっ!!」


ガシャン!!


首輪に繋がれた鎖が擦り合わさり音が鳴る。

「うおっ!?」


「鎖?」

手にしていた鎖を凝視して、壊都の首と何回か見たあと事の重大さに気がついた亜也の顔がどんどん赤くなったり、青くなったりし始めた


「いや、これを外して欲しいんだけど??」

壊都が首輪を指差すが


「ごっ!!ごめんなさい!」結構混乱している亜也はただ謝ることしか出来なくて状況は変わることはなかった。




ーーーーーーーーー ーーーー ーーーー ーーー




「で、亜也。これはどうゆう状況?」


亜也は赤面しながらも鎖を右手に掴んでるし、


隣の白石壊都は 疲れ切ってるし、てゆうかその首輪どうした!?

桜姫由紀は 壊都を恨めしそうに見てるし

などだ。ドウシテコウナッタ…状態なのである。


白石壊都は半ば諦めていて、


「はぁ。いくらやっても取れねぇし、後で家の者に言って切断するしかないか、もう謝んなよ。わかったから」


「ごめんね!本当にごめんね!まさか、本当に首輪してるとか!痛いよね?苦しいよね?」



亜也が壊都の首を心配して優しく触れる


「!!!」女慣れしていない壊都が硬直した。


「亜也、いくらなんでもそれは ダメでしょ」



亜也はえっ?っていう顔で加奈子を見た


「この子男子校なんでしょう?多分だけど、あんな可愛いクラスメイトいたら 女慣れしてないと思うのよね、だから多分触られたりしたら硬直しちゃうし、あららユデダコみたい」



「ーーーーーーっ!おいっ!いつまで触れてるつもりだ、はっ離せ」



白石壊都は亜也の手を振り払った



「あんたの家はほとんど男兄弟だものね、全員が全員慣れてるわけじゃないから相手のことも考えないとダメだよ」


「はい…(しゅん)」



振り払った壊都だが、明らかに亜也の頭に犬耳っぽいのが見えるほど落ち込んでいるのが見えて


壊都は普通に亜也の頭を 撫でた 撫でたのだ



「ま、本当に悪いって思ってるみたいだし今回の事は許してやってもいいけど…」



亜也は許してもらえたことが嬉しくて 壊都が赤面し脱兎しようとするまで抱きついていた




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




桜姫由紀は目の前で起こってることに唖然としていた。


なぜ?なんで?どうして?コウナッタ?



白石壊都が 大路亜也と何故か横たわっている



なぜ?


確か 聖・マリアズの校門をくぐったとこまでは覚えている、

その後やたら王子様の大路亜也の色香に当たって

放心状態に入ったのだ


その結果が コウナッタ?のか?


壊都は半ばキレ気味に大路のほっぺを叩いている



目が覚めたらしい、大路は壊都をみるなり、赤面して 青ざめて ワタワタしている。


壊都が首輪を外せと 喚いている




壊都は喚き疲れたのか諦めようとしている。



そしてなぜか結果的に折れた壊都が


あろうことか、大路亜也の頭を撫でたのだった




「ちょっ、壊都なにしてーーーー」



割って入ろうとしたとき


大路亜也が壊都にタックルしたのだ。


もちろんのこと 壊都は硬直、みるみるうちにユデダコの様になり 逃げ出した…



ちょっとなに勝手に僕の王子様に触れてるわけ?壊都は違うでしょ?なんで?


桜姫由紀の頭の中はそれだけが渦巻いていた、壊都に対しての憎悪という形で


さらに余計に…困惑する当人達を彼らは遠目でしか見れないものである。


「ひ、久しぶりだね」


一瞬男子生徒かな?と思わせるような立ち振る舞い、仕草をしている 1人の貴公子のようなのが構内を歩いていた。


なんでそんな事をしているのかと言うと、


仮にも役に入りきっていたのだとしても、他人の首に首輪を付けチェーンをつけた事は早々ない事なのだ。



声をかけられた方は本を読んでいた

熟読していた。声をかけられても気がつかなかった


声をかけた方は役に入ってないときは臆病である。


もう一度声をかけるか否か迷っている



が、声をかけることにした。



「白石君!ひさしぶりだね」と。



白石壊都は本を読むのに夢中で声をかけられたことにも気がつかなかった。


が、自分の名前を言われ、肩を叩かれたとき

集中していたのが一瞬で解けた。


「…!?大路亜也!なんでここに!?」



「謝りたくて…國分君の話でソレを気に入ってるって聞いたんだけど、やっぱり、人様の首にむやみにつけるものでもないし、罪悪感半端ないんだよね。だから外そうかと思って、男子生徒になりすましたんだけど?」


「…外すのか」


「うん。コレさお母様のコレクションの一部をだから勝手に持ち出したことバレる前に戻しときたいんだよね」


「お前のお母様すげぇな」


「そうなの?ふーん。お母様コレクション見てる時の顔が花が咲いたようになるから不思議でならないんだけどね」


「…だからか、役に入りきってるとき妙な色気を感じたのが親の遺伝なら相当だぞ、お父さんは何してる人だ?」


「役者だよ」


「成る程。見事に親の血が入ってるんだな…で、外すのか」


亜也の白い手が話しながらも壊都の首に伸びていく。


亜也はふところからシルバーの鍵を取り出した


「うん。外すよ」


かちゃりっ


なんとも軽快な音がした。


あっけなく首輪は壊都の首を離れていく


「なんか、寂しいな…って、何してんだ」


「あー、これはなんて言うかお詫びの品っていうかー。この方が映えるし、似合ってるかなーって」



首輪の代わりに亜也は壊都の首に 自分と色違いのネックレスを付けた。いや、細長いチョーカーみたいなものなのだが。


真ん中に壊都と同じ目の色をした宝石があしらってある。


「こっちの方がいいでしょ?」



「ありがとう…でもこれお揃い?」



「お揃いだめだった?」



「いや、だめじゃないけど…(付き合ってるみたいで!!やばいー!)」


「でなんだけどさ、壊都くん」


耳打ちをするように亜也が話しかけてきた

「私とお付き合いしてもらえませんか?」



「はい?」



「だめかな?」


「お付き合いってあの、男女の?」



「男女以外になんかあったけ?」



大路亜也は白石壊都に惚れている。

そして、白石壊都も大路亜也に惚れていた。


断る理由なんかどこにもない、ないのだ。






付き合うとになりました!


と、2人が顔を真っ赤にして帰ってきたのは1時間前のこと。

ガッチリと2人の手は繋がれていて

どこからどう見ても初々しく可愛い存在がそこにいたわけで

それが、極め付けなのか、もともと腹の虫が悪かったのか、


白石壊都は桜姫由紀に壁際まで迫られていた(暴力的なアレで)

痺れを切らした亜也が、助け舟を出そうとしたが



阻止された。


「わりぃな、これはあいつらの問題だから王子様はここで待機だ」


むぅっと亜也は頬を膨らませた。

なんでかなー?なんでなんだろー?何故?白石壊都は桜姫由紀に圧をかけられてるのだろうか??

自分に向けられている好感はあんまり察知できないのが

結構鈍感な王子様だったりする。








ところ変わりまして、ドス黒オーラ垂れ流しの由紀と

何故壁ドンされてるのかわからない壊都くんの、おふたり。


「なにが?」


「だから、さっきも説明したよね!?大路亜也の事なんとも思ってないって言ってたって」



「あ、由紀と話した時はな、その後何故か大路亜也の事が頭を駆け巡り出して気がついたら好きになっていた。一ヶ月前まで俺はお前にぞっこんだったのにな、一目惚れとは怖いな…

ごめんな、もう俺のハートは大路亜也が掻っ攫っていってしまったんだ だから由紀お前の気持ちには応えられん!!」



白石壊都はじゃあな!っと軽やかに由紀の壁ドンをすり抜けて、ハムスターの様に頬を膨らませている大路亜也に駆け寄っていった。


「ちょっ、なんで僕が振られたみたいになってんだよ…てか、白石ってあんなキャラだったか?」



人間恋をすれば変わるもの


「まあ、初めて恋を知ったのだからしょうがないんじゃない?」

悔しがる桜姫を嘲笑うかのように西条しずくが言う。

「あれだよ、よく見てごらんよ君よりもずうっとお似合いでしょ?身長的な意味も、純情ぽさもさ、それに、あんなに笑う亜也も久しぶりに見れたし」

とても、満足そうにしずくはカメラのシャッターを切った。


「なに、綺麗にまとめましたみたいに言うんだよ。僕のこのガラスのハートが傷ついたよ!なぐさめてよ!女子ならさ!」


「…うわぁ。あんまり仲良くない女子に対して慰めてよ!は、ないわぁ…」



桜姫に対しての西条の好感度が底辺まで落ちた瞬間であった。





場所かわりまして、白石と大路


「大丈夫?怪我してない?」


亜也が心配して壊都の顔を覗き込む

その様子が可愛すぎて悶える白石をさらに心配してくる亜也は天使だと、心から思うがあまりにも距離が近くなっている。色々とやばい。


「大丈夫だから、その、近すぎ」


亜也が小さく ごめんっと謝った。その後に

「でも、心配だったから、近くにいれたらなって思って。さっきさ男同士の会話ってことで蚊帳の外だったし、きになるじゃん?」


本当にどうしたらいいのかな!?


目で先輩と友人に助けを求めるがこちらを見ていないふたりとも彼女の相手で忙しそうである。


壊都はぎこちない感じで


「…こうやって、たまに寄り添ってくれれば大丈夫だよ。今はね」


そう、今はね。彼女を知っていくうちに願望が出る前まではこうしていたいなぁと思う白石壊都なのである。





遠目から見ていた二手のカップル



「ふぁ!?なにあれ!やばい!先輩達よりもピュアオーラやばかった!」


「…創作意欲が湧いたわ!見てるこっちがムズムズよぉ~」



「「…………昔は2人ともピュアだったのにな」」



男2人は澄み切った目で夕焼けを見ていた。





その1 初恋相手が(ぬいぐるみ越し)親友と付き合うことになった


その2 女子の前では『何もできない桜姫くん』を演じていたはずなのに

西条しずくの前で失態を働いてしまった



その3 初恋相手と付き合っている親友が

ガチで自分を好いていた事実を突きつけられる。幼等部から数えると 綺麗な思い出も全て恐ろしい思い出にしかならない…





「輝、彼女のところ行ったんじゃないの?」


桜姫由紀は生徒会室で書類の整理をしていた。


いつもそばにいるはずの白石壊都は 大路亜也に呼ばれていったし、達兄も部活に戻っていった。



そして、何故かいつもは彼女の事を思ってる國分輝だけが由紀と一緒に書類を整理していた。



「んー。結構ズタボロだと思って、親友には初恋相手取られるし、可愛い由紀くんでやってんのに、素が出るし、壊都の黒歴史は垣間見るし。由紀はもうちょっと前に出るべきだったかもね、回りくどくしないでさ」


なぐさめているのか、貶しているのか


「まさか、壊都が大路亜也のハートを射抜くとか思わないじゃん?仮にも「由紀大好き!!」人間だったわけでしょ?自分で言うのもアレだけと、てか輝しってたんだ」



「うん。幼等部の時にね、由紀に告白しようと思うんだ!って相談されて「由紀男の子だよ?」つて言ったら「えっ!!女の子じゃないの!?」って返されたんだよね


あの時の由紀も可愛かったからね。髪も今より長かったし初めてあったら間違えるよね。ぼくも間違えそうになったけど、トイレの方向が一緒で一気に冷めたよ。」


「その節は…いや、なんで謝んなきゃいけないんだし!間違えたのがいけないんだろ!?」


「まあ、そうなんだけどね。しかし壊都がねぇ、多分こいつは一生彼女なんか作らないんじゃないかって思ってたんだけどねぇ。


まあ、首輪されるは 、押し倒されるは、胸下に、顔を埋められるは、されたら 揺らぐよねぇ。

しかも、男装までして、校舎に入ってくるは、

本に夢中で気づかない壊都にチャレンジするは、

首輪外したと思ったらお揃いのチョーカーつけられるは、耳打ちで告白されたら

お堅い壊都くんも揺らぐわなあ」



「おいまて、後半の初耳だぞ」


「初めて話したもの当たり前でしょ」


「え?お揃いのチョーカー?え?耳打ちで告白されるって、え?大路亜也からしたの?え?」




「いやぁ、中々の純情さで加奈子と2人でハイタッチしちゃったもん」


いや、そんな瞬間見ているお前らが怖い。壊都がどうこうじゃなくてお前らが怖い

由紀は、その場から去りたくなった。


「つまり。大路亜也は僕よりも壊都を選んだって事?僕よりも白石壊都が良かったってこと?」

半ばキレ気味な桜姫由紀は國分輝に詰め寄った。


「そうみたいだねぇ、あーでも1番の決め手は

意識が戻った時に見た壊都のはだけた姿と照れ顔だそうです!」


いやぁ、大路さんも女の子だったって言うことだねぇ!!



大丈夫だよおぉ!

加奈子に頼んで良い子紹介するから~


由紀は、渾身の力でニヤニヤしている

友人を友人の腹を叩きまくった










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「あんたさ、結構言うよね」


「そうかな?加奈子、桜姫も自分が世界の中心っていう考えたったからいいんじゃない?」


「それに、白石が大路に照れてる顔新鮮で面白いしー」


「それは、わかる!あとさ亜也が無防備に壊都くんの体触るのも良いよね」


「そのあと、壊都が硬直するやつだろ?!ウケるよな!どんだけ純情なんだよーーー!!!みたいな?」


「わかってんじゃんー!これも亜也にドレスを着せる為何だからね、この際相手は壊都くんでもいいの!」


「この際って、でもまあ、これから楽しくなりそうでウキウキだぜ」



輝と加奈子は近くのファミレスて語り合った後帰って行った。



その様子を1人



「まったく、悪趣味なんだから、って私もそうか。


でも、まあ、うん。亜也にドレスを着せる目標には一歩近づいたかな。

桜姫由紀には災難だったけど。


しばらく桜姫由紀が何かをやらかさないか見張っとかなきゃ」




西条しずくは

帽子を深く被りファミレスを後にした。




主な登場人物たち。


大路 亜也 (おおじ あや)


聖・マリアズ高等学校 (女子校)演劇部副部長

高校2年生。容姿 スラリとしていて女子に人気が高いといっても女子校なのだからそうなんだけど。

名前の通り 王子のような顔立ち 、仕草、立ち振る舞いを在学中はしてしまっている。本人曰く 女の子らしいことをしてみたいんだそう。

でも、内気な所が邪魔をして 出来ない。



親友に


有栖川 加奈子 と、西条しずく が居る。

2人とは幼等部の時から友達がいる。2人を呼ぶときは

加奈ちゃん、しずちゃんと呼ぶ


有栖川加奈子

高校2年生

裁縫部所属 兼演劇部副部長 亜也がほんとうは女の子の格好して遊びに行きたいのを昔から知ってるので、いつかのために亜也用のワンピースとかドレスとかを毎年作ってあげてるけど、中々その機会がない。でも親友の為に作ってあげてる(もちろんサプライズなので、亜也は知らない)

髪は黒めで肩までの長さ。それを2つに分けている。

亜也、しずく と呼び捨てで呼ぶ。

隣の高校に付き合って5年目の彼氏がいる。もう、熟年夫婦のようだと亜也は言っている。

5年目の彼氏 國分 輝 (こくぶん あきら)蒼葉男子高等学校2年生(御察しの通り男子校である。)


加奈子との出会いは遡ること5年前。

12歳の時に出会っている。

告白したのは國分からである。加奈子はその時國分にすの字も興味はなく、どうせ一週間で飽きられて振られるだろうと付き合ったが まだ飽きられていないようなので本人もここまで続くとは思ってなかったらしい(加奈子曰くである。)この話はまた今度話そう。



國分 輝 蒼葉男子高等学校 2年生 生徒会、副会長

加奈子にぞっこんであり、加奈子以外は目もくれない。容姿はかなり端整で 他の高校生からファンレターを貰うあたりはイケメンである。が、輝は加奈子一筋なのでそのばで断っている。



西条しずく 聖・マリアズ高等学校 2年生 写真部所属

副部長兼 演劇部副部長を務めている。

可憐な容姿からは想像できないほど、素早く行動する。見た目何もできなさそうなお嬢様なのにだ。


見た目がフランス人形みたいなので驚かれる事が結構多い しずく曰く、どんな決定的瞬間を逃さない為よ!ということ。

亜也が加奈子の繕った服を着用するのを今か今かと待ってる。写真に、思い出におさめようとしているが その機会に中々出会えない。

加奈子、亜也と呼び捨てでよぶ。



桜姫 由紀 (おうき ゆき)蒼葉男子高等学校 2年生 生徒会長

見た目が女子。男子校に咲く一輪の薔薇!ってくらい可愛い。でもわかってる、この容姿でモテてる事にわかってやってる事がいくつかある。

そのことも判例して男子校なのに毎日ラブレターや告白を受ける。全部断ってる

「恋愛対象は女子なので」と、それでも諦めない輩には親友の白石 壊都に助けてもらってる。


親友はあと1人いる。


加奈子の5年目の彼氏である。



白石 壊都 (しらいし かいと)蒼葉男子高等学校2年生 蒼葉男子高等学校生徒会、副会長兼書記。

頭がおかしいんじゃないかってくらい 由紀が好き。

(その事は由紀には知られていないが輝にはバレてる。)

だからたまに 輝から止められる。寸前の所で止められる。輝に彼女がいる事をまだ知らない。

由紀は知ってる。あったこともある。


壊都の容姿はかなりイケメン。黙って歩いてたら芸能スカウトされるくらいイケメン。

でも、由紀にフォーリンしてるから色々アウト。


初恋は由紀。男子と知ってショックを受けるも

一緒に居られるなら!男でもいいや!と自己完結して10年くらい由紀を思ってる。でも報われない

多分本人も気づいてる。報われないことを。由紀に良い人が現れるまでは この想い募らせようとしてる。

見た目がヤンキー。御坊ちゃましかいないはずなのにヤンキーみたい。強い、とにかく強い。


序盤で大路亜也が気になっていく設定。多分由紀とは恋のライバルになる。


そして、現在は由紀に対する恋心みたいなのが無くなって普通になってきてる。







































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王子様って呼ばないで とまと @Jinoon

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