第1話 裸で突撃でもする?

「へえ、お前雷魔法の適正なかったんだ、残念だな笑」

「お前、髪を引きちぎるぞ」


バカにしてきたやつは、俺の悪友テンド。

俺たちは幼馴染でアルテリア学園という魔法と剣を習う学校の同級生だ。

昨日入学式と属性検査が終わったばかりである。

ちなみに今は初めての授業開始前。


「お前は何の属性だったんだよ?」

「俺は土だけだな」

「さすが地味な見た目だけあって、地味な属性だな」

「殺すぞ、雷なし男!」

「やるか、このやろう!!」


それは言っちゃいけない言葉だぜ、テンド。


「感心しませんね、入学二日目で喧嘩をするなんて」


振り向くといたのは、担任のクウラ先生、まだわからないが、多分怒らせたら怖いタイプの先生だ。なんか、すごい威圧感あるし。


「ええと、ミナリくんとテンドくんだね。罰として、そうだな…校長先生の部屋に裸で突撃でもする?」

「「ごめんなさい、許してください」」


あれはマジな目だった。絶対姉と同じタイプだ。逆らってはいけない。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「やっと1時間目が終わったな」

「そうだな、先生に指されたときは死ぬかと思った。歴史なんてまだわかるわけないじゃん」

「確かに。あれは腹いせだな。今朝の」


おれたちは先生の悪口を言い合う。 

 

ゾゾッ! 


「今なんか、寒気しなかった?」

「実は俺も感じた」


気のせいだよな?気のせいだと思いたい。


「次は、やっと魔法の授業だな。」

「やっと俺の雷魔法が火を吹くぜ」

「お前、雷属性持ってないだろ、あと雷属性の魔法がなぜ火を吹く?」

「マジレスをするな、地味男が」

「てめえも地味男だろうが」

「俺は四属性クアドラプルの地味男です〜」

「地味男は否定しないのかよ」


しょうがないじゃん、俺の顔イケメンじゃないし。黒髪一重、髪は天パだし。

テンド、お前もな、茶髪一重ストパーが!


ブンっ

テンドが殴りかかってきたので避ける。


「テンドいきなり殴りかかるな」

「お前の顔がムカついた」


なぜ気づかれた…


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


やっと魔法の初の授業だ。見渡すとみんな緊張している。テンドも顔がこわばっている。俺もワクワクが止まらんぞ!

するとそこに、エメラルド色の髪をしたキリッとした20代後半くらいの女性が入ってきた。


「よし、わたぢっ」


(((((今、噛んだな)))))


「私が魔法の講師のリステルだ。よろしく頼む」」」」」


(((((なかったことにした)))))


だけど、顔真っ赤だな。か、可愛い!


「みんなの属性にあった訓練をするから属性ごとに別れて欲しい。」

 

属性ごとか、よし、俺はあっちだな


「集まったな。火は5人、水は4人、風は5人、土は6人、雷はってミナリだったか、お前は雷属性ないはずだ」

「なぜ、バレた」


俺のことは今日初めて見るはずなのに!


「校長から聞いたんだよ。雷に固執した頭のおかしい生徒がいるから気をつけろとな」

「くっ」

「お前はほう、火、水、風、土の四属性クアドラプルか。優秀だな、」


みんなから「マジかよ」「今朝クウラ先生に怒られてたのに」と声が上がるが、違う!俺は雷魔法が使いたいんだ!理由はカッコいいから!


「僕は雷魔法が使いたかったんですけど後天的に使えるようになりますか?」

「お前は雷魔法を愛しているのだな。だが、人には向き不向きがあるから雷魔法は諦めろ」


ガーン!

やっぱりそうか、雷魔法使いたかったな。はぁ〜


「雷は一人だけか、ルミネ」

「はい、そう見たいですね」


ルミネっていうのか、いいなぁ、雷魔法が使えて。もし俺に雷魔法使えたら必殺技の名前は轟く落雷ドンナーシュラークって決めてあるんだ〜

…あ、そうだ!俺は雷魔法が使えない。だったらルミネとすごく仲良くなって、雷魔法を見せてもらって必殺技の名前を俺がつけてあげれば、俺は雷魔法を使えるのと同義なのでは!

よし、


「ルミネさん!僕と一生の友達になってください!」

「え?」







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雷魔法に憧れました 平 周 @matu16

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