リライク ー君が、君(すき)になるまでー

七熊レン

プロローグ 君が、君になるまで

 君は、私を見付けてくれるかな。

 私のこと、気に入って、くれるかな。

 私を、受け入れて、受け止めて、くれるかな。



 私?

 私なら、平気。

 君を嫌う、拒絶する、諦めるなんて、有り得ない。

 だって私は、君が君を愛するために産まれた、特に特別な存在だから。



 君に、私は理解されないかもしれない。

 私の本当の目的を、命の意味を、君への思いを。

 君は、汲み取ってもらえないかもしれない。



 私がなくなっても、泣いても傷付いてもくれないかもしれない。



 私のことは、遅かれ早かれ、君の記憶から消されてしまうかもしれない。


 

 でも、大丈夫。

 全部、経験済み、覚悟の上だから。

 その程度でへこたれる、臍曲げるほど、私はヤワじゃないから。

 君に、そういう風に育てられたから。



 だから、ナオくん。

 これから、私は。



 何度だって、君を助ける。

 何度だって、君を守る。

 何度だって、君を探しに行く。

 何度だって、君を好きになってみせるよ。



 そう。

 君が、君になるまで。

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