1章

第2話 高レベルスタートだと!?

レンジ・キリシマ

LV8000

種族:人間

HP200000 MP800000

アイテム

魔導書グリモワール宇宙的恐怖ネクロノミコン

魔導書グリモワール宇宙的恐怖ネクロノミコン


うん、すごいくらいにレベルが上がった。

もうステータスが六桁いったからな。全然死なない体になったぞ。

っていうかヤバいな。あと少しでレベルが五桁になるぞ……。


まさかの二冊読んでこの数値だ。

この世界のルールは少しだけ理解できた。


だが、事実は小説よりも奇なりだ。後は自分で見て学ぶしかない。


さて、ずっと森にいるわけにもいかなくなった。取りあえず適当に魔物を倒して、素材を入手しながら街を目指すしかないな。


レベル8000。たぶんこの森じゃあ、山賊すら近寄らないんじゃないか?

この世界では高レベルのものに魔物は近寄ってこないらしい。このレベルだけで十分魔除けになってる感じか。


となるとこの世界にレベルが四桁の魔物や冒険者がいるんだろうか?だとすれば相当ヤバいぞ。まだこの世界のレベルキャップすらも分からない状況だ。出会う前に装備とかレベルが整っていればいいんだが……。


「装備……」


ふと、自分の服装を見て考える。そういえば、この服装で大丈夫なのだろうか?

俺が着ている服は自宅にいる時の普段着だ。街に入ろうとすれば、門番に「変わった格好だな」と言われるのが目に見える。


なら、この世界観に合った服装にすればいい。

【万物創造】を使い。服装を選ぶ。


旅人セット(男性用) 消費MP:10

よくいる冒険者達が着ている服。防御力は低いが、ないよりはマシ。


お?良いものがあるな。

MPを10消費って安いな!?このレベルだからいいが、初期レベルだと高いんだろう。即座に入手して着ないとな。


レンジのMP

800000→799990


減ってない。全然減ってない。むしろ余裕過ぎて無駄遣いしたくなるな。


「そういえば、武器もない」


冒険者がよく着る服装だろ?腰か背中に剣とか無いと怪しまれるか?


次に【属性剣作成】を使い。ウインドウを開く。


無属性 消費MP:5

ただの鉄の剣。切れ味は良いが、この能力を持つものは属性以外の能力を付与できる。

炎属性 消費MP:15

レベル50までのものを消し炭にできる剣。威力調整が可能です。

炎属性Ⅱ 消費MP:30

レベル150までのものを消し炭にできる剣。威力調整が可能です。

炎属性Ⅲ 消費MP:60

レベル1000までのものを消し炭にできる剣。威力調整が可能です。

炎属性Ⅳ 消費MP:100

レベル5000までのものを消し炭にできる剣。威力調整が可能です。


水属性 消費MP:15

威力調整が可能な水属性の剣。威力最大で洪水を引き起こすこともできる。

氷属性 消費MP:50

絶対零度の力が込められた剣、あらゆるものを凍らせる。

雷属性 消費MP:100

神雷を秘めた電撃の剣。威力最大で大地が黒焦げになる。

風属性 消費MP:50

神風を秘めた風の剣。威力最大で大竜巻を引き起こせる。



沢山出てきたな。っていうか炎属性多すぎだろ。

ランクによって倒せるレベルが違うって訳か。消費MPが増えるのも無理はない。


取りあえず、無属性の剣でも作成するか。

選択したとたん。鞘に収まった剣が一本、俺の目の前に落ちる。

その剣を拾い、刀身を確認した。


「見事なくらいに鉄で出来てるな」


それに切れ味が良いとなると、能力付与で伐採能力を付与されば木ぐらいは切れるだろう。


「よし、先ずは森を抜けてみようか」


一通り準備を終わらせ、再び街へと歩み始める。

まさか転生からの高レベルスタートって、ゲーム的にまるで強くてニューゲームだな。



少しずつ森の中を進んでいく、右か左かどっちに進んでも木々と草だけだ。

さて、どうするか。


ゲームならマップを確認したいが、残念ながら現実だ。そこまでは優しくない。

いっそ川でも見つけて辿っていくっていうやり方も悪くない。


「ん?」


川を目指そうとしている時、声が聞こえた。


「へへへっ、人竜族の女の子を遂に捕らえたぞぉ」


「……!」


「安心しろぉ、痛いのは一瞬だけだからなぁ」


声につられてその場所に来ると、一人の男が赤髪の幼女にズボンを下ろしている姿を見る。


教育に悪いな。だが止めたとして俺に何の得がある?


「どうしたものか……」


ええい!仕方ない!助けよう!!


俺は鉄の剣を男と幼女の間にある木に向けて投げる。

剣はまっすぐに飛んでいき、予想通り間を高速で通り抜けた。


「……」

「……」


幼女はドキドキと緊張した表情を、男は頭から汗がポタポタと落ちる。


「そこまでにしておけ」


草むらから俺が出て、予備の剣の先を男に向ける。


「お…お前、何者だぁ?」


「俺か?ただの旅人だ」


間違ってはいない。転生者ですなんてかなり信頼を置いてる奴以外、口が裂けても言えない。


「その子から離れろ。10秒以内にだ」


そう言って数え始める。

男は懐からナイフを取り出し、襲い掛かった。


速度はなぜか遅く見える。レベルの問題だろうか?

さっと攻撃を避け、軽く回し蹴りを決めると男は3メートルくらい吹っ飛んでった。軽く回し蹴りをしただけで3メートルも吹っ飛ぶとかどんな威力してるんだよ。


思いっきりぶっ壊れた性能になったな。俺の身体。


吹っ飛んだ男は死んではいないものの完全に伸びている。


「……大丈夫か?」

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