第78話 お里の事を……

「おラン…… ありがとう❗❗

 お陰で、命拾いしたよ❗❗」

 彼女の華奢な肩を抱き寄せて優しくハグをした。


 大きく柔らかな胸の膨らみが僕の胸板に押しつけられグニュッと形を変えていた。


 一気に胸が高鳴った。



《フフ……👄✨💕💕 写楽ゥ……》

 セクシーアンドロイドは、妖艶なまめかしい声で僕の耳元で囁いた。

 媚薬のような甘い吐息が僕の頬を撫でていった。


「うゥ……❗❗」

 一瞬、僕は『写楽』と呼ばれて小さく呻いた。おランを見つめると彼女は静かに微笑みを浮かべていた。


「いや、今の僕は…… 写楽じゃないよ。

 源内…… 平賀源内だ❗❗」

 取り敢えず、否定しておこう。



 確かに、中身は写楽に間違いないのだが、他の人に説明するのは厄介だ。


 実は、江戸時代にタイムスリップしてきた未来人なんだと言っても誰も信じてくれやしない。


 あのインテリの蘭学医 杉田 玄白でさえ、僕の説明したタイムスリップの事を信じなかったのだ。



「あ、そうか……❗」やっと気がついた。



 おランは、キスをしたあの瞬間とき、僕の脳内へ侵入もぐり込んだのではないのか。



 今まで味わった事のない異様な体験だった。

 まるで、脳内のデータを全てハッキングされたような気分だ。




 そうでなければ、おランは僕の事を『写楽』とは呼ばないだろう。




《フフ……👄✨💕 写楽……

 もっと知りたいンでしょ……》

 セクシーアンドロイドが意味深に妖しく微笑んだ。


「え……❓❓ な、なにを……」

 知りたいッて……。



《どうして…… お里が亡くなったのか》

 妖しく挑むような眼差しだ。



「うう…… 教えてくれると言うのか。

 お里の事を……」

 源内が愛したと言うお里の本当の死の真相を……


《さァ、本当の事を知りたいのなら……

 私にキスをしなさい……👄✨💕💕》


「えェ…❓❓ キ、キスを……」

 思わず僕は聞き返した。





 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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