第76話 セクシードール

《うッおおおおおおォ~~ーーーー❗❗❗❗

 お前らに、を殺させないィィィ~ーー❗❗❗❗》

 黄金こがね色に目を輝やかせ、ラン咆哮えた。


「うう……❗❗❗」僕はその言葉に唸った。


 ナゼか、ランは僕の正体がだと知っているみたいだ。


 だが、今はそんなことを詮索しているひまはない。



『うッ、ぬゥ……❗❗❗』

 賊の紅夜叉らも、圧倒的なランのスピードに恐れ戦慄おののき、劣勢をいられた。


 稲妻のようなランの刀剣が火を吹くように一閃いっせんした。



『ぐっわァ~~ー❗❗❗』

 悲鳴をあげ、紅夜叉の左の二の腕から鮮血が飛んだ。


『うう……』配下らもおくした様子だ。

 明らかに腰が引けていた。


 夜叉の面を被っていても、内の表情は手に取るように解った。

 顔面蒼白で、もはや戦意喪失だ。

 


 到底、賊の連中も防ぎ切れないと思ったのだろう。

『くゥ、クッソォ……

 お、覚えてろォ~ーー……❗❗』

 賊らは捨てゼリフを吐き、ホウホウの体裁ていで屋敷から逃げ出した。



「ふゥ……😔💦💦💦」なんとか助かった……

 おランのお陰で九死に一生を得た。


 ほんの一瞬でも助けに来るのが遅ければ、僕はあの禍々まがまがしい大鎌で斬首ざんしゅされていたに違いない。


《ぬゥ、待てェ~ーー❗❗❗》

 尚もランが追跡しようとするが、慌てて僕は制した。


「よ、止せッてェ~ーー…… ランッ❗❗

 これ以上、ヤツらを深追いするな❗❗」

 そんな派手なピンクゴールドの髪型をしたまま、深夜の江戸界隈を出歩けば目立って仕方がない。


 間違いなく町方と大捕物になるだろう。


 下手に騒ぎになり、奉行所の町方らと大太刀おおたち回りでも繰り広げられたら、それこそ厄介だ。


 何しろランは、この世には絶対にだ。



 捕まった挙げ句、公開で打ち首獄門でもさせられたら、歴史が変わってしまうかもしれない。


《……》

 ランも僕の制止を了解してくれたのだろうか。途中で足を止めた。




 ( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

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