ぎりぎりアラサー女、カクヨムの広告収入で家を買いたい

小鳥 薊

第1話 カクヨムを始めたきっかけ

 さて、はじめに書いておきたいのは、わたしがカクヨムを始めたきっかけについて。


 私、アラサー女、いろいろあってシングルマザーみたいなもんなんですけどね。仕事は真面目にやっていました。

 お仕事のスタンスって人それぞれだと思うけど、私は毎月いただくお給料に対して見合った仕事を自分ができているかを重視して働いていたように思います。

 というのも、今はわけあって無職……というか正確には休職中。


 私は、私の考えで仕事をしてきましたし、別に他の人にそれを強要しようなんて思っていませんでした。でも、「こいつの働きで同じ給料もらってんのかよ」って思う人は正直いました。それでも、ジャッジは私ではなく会社がするものだ、と割り切って、職場のストレスを私生活に持ち込まないよう、けっこう厚めの鎧を纏って働く毎日でした。

 それでも、私の職場環境は周りに敵は多くとも、同じ部署は味方だったのでやっていけたんです。それがあんな形で職場を去らなければならない事態に陥るとは……正直思ってもみませんでした。

 ちょっと話が逸れますが、私には二つ年下の弟がいまして、自分で言うのもアレですが、恐姉だったと思うんです。どう接して良いのかわかんないというか、弟もそうですが弟が家に連れてくる男友達もあんまり得意じゃありませんでした。職場でもそうなんですが、自分が指導する立場になったときに年下の男の子との距離感ってすごく難しい。

 男の人の持つプライドを傷つけないようにしながらも、伝えたいことは伝えたい。なんか世代が違うと感じるコミュニケーション方法のギャップに戸惑う。ちょっとイライラする。まあいいや、スルー。でもここだけは伝えよう。あれ、なんか思わぬ反応。気分を害してらっしゃる? 待って待ってこっちだってプライドがあるぞ。あれ……あれれ。


 なんか、上手く噛み合っていたはずの歯車に、ちょっと歪みが生じたことで一気に私生活が崩壊しました。今までどんなに鬼ババみたいな人に何言われても耐えてきた私が、同じ部署の味方のはずの年下の男の子の言動に振り回され、ひどく落ち込んでいる。??? 私ってこんなに弱かったっけ……。自分が分からなくなりました。その男の子に無視されたことが頭から離れず、ごはんも食べられない。なんで?

 明日はどうしよう、と思うと眠れない。朝が来る。元気が出ない。

 まあ、仕事のストレスに耐えられなかったのは、私生活でも相当疲れが溜まっていたせいだと思うんです。仕事から子どものように逃げたいと初めて思いました。不思議と体調も最悪で、不眠と食欲含めた意欲減退に加え、超がつくほどのマイナス思考。仕事を休む口実に、心療内科を受診しました。

「思考の制止、抑うつ状態がみられます。心が疲れ切っています。ゆっくり休むことが必要です」

 先生と話して、自分がちゃんと話せていないこと、感情がコントロールできないことを自覚しました。診断書を書いてもらい、職場にはしばらくの療養期間をいただくことに。それから一ヶ月は本当に何もできませんでした。何もしたくない、というのもありますが、何かしようとしてもできない。したいとも思わない。しなくちゃいけないとわかっていても考えられない、という状態ですかね。

 しばらくは実家に転がり込んでいましたが、家族の心遣いまでもがストレスに感じ、結局は日中、子どもを保育園に預けて自分は自宅に閉じこもる毎日でした。一人で家にいると、「自分はなんのために生きているんだろう」とかそんな思いが押し寄せてきてただただ涙が溢れます。

 一週間くらいは泣いてばかりいました。あとは、「うつ」「適応障害」のユーチューブを見たり、自分を脅かさない音楽を聴いたり、本当にそれしかしていませんでした。このとき聞いていたのは、折坂悠太さんと崎山蒼志くん。

 にしたって、子どもが帰ってくればごはんも作らなきゃならないし、家事全般は生きていれば付いてくる……逃げても逃げなくても追って迫ってくるものです。

「ごめんね、ちょっと疲れてるんだ……少しタンマね」

 体も頭も付いてこなくて、子どもに休憩を乞うww


 でも、することがなくなって体が休まってくると、自然と心も元気を取り戻してくるから不思議なもんでした。まあ処方されていた少量の薬も効果があったんだと思います。ちゃんと眠ってちゃんと食べること、それができるようになってからは驚くうちに元気になりました。

 晴れて正式に休職扱いとなって療養始めて一ヶ月くらいかな……ひょんなことから「文章を書いてみたいな」と思うようになった。それまでは書こうとして鉛筆を握っても言葉が浮かんでこない。パソコンの前に座っても指がキーを叩けなかったので、このことは私にとって重大なターニングポイントとなりました。

 そんなときに、パソコンで検索してたまたま見つけた「カクヨム」を知り、のぞいてみたところ、見やすいサイトに私も作品を投稿してみようかな、と思いました。しかもカクヨムは閲覧数に応じて広告収入を得ることができる「カクヨムロイヤルティプログラム」なるものを取り入れているそうではありませんか。

 なになに、なにそれーー。とりあえず参加。ブログやユーチューブみたいに、好きな文章を書いて、しかも誰かに読んでもらえて、あわよくばお金ももらえるってやるしかないでしょ! それしか頭に浮かんできませんでした。


 私は、かつて十代〜二十代前後あたりで本気で物書きで食べていきたいと思ったこともあり、少しだけ挑戦もしたことがありました。

 それも長編小説は一次選考にも残ったことがなく、応募した出版会社から連絡があって喜んだのも束の間、自費出版のしつこい勧誘にあったり、デビューなんて手も届かず、やさぐれていた頃に書きなぐった病みノートに溜まった詩や短歌を、ちょこちょこマイナーな賞や地方季誌へ投稿し、ちょっとした賞をいただいたくらいでした。

 もうずっと書いていない、ライトノベルのラの字も知らない私が、ネット小説で何を書く? となるじゃないですか。


 とりあえず過去にちゃんと完結させて批評もしてもらった長編小説を小分けにして投稿しよう。私はそう思いました。

 しかしまあ、投稿前に読み返してみると、ひどいひどい……こんな状態のままでよく人様に見てもらおうと思えたな、自分。推敲ならぬ校正が始まりました……。ちょっと待て、こんな酷い有様の作品はすぐには修正できん。

 私は、長編小説の前に、わりと最近書いた詩を詩集としてまとめてアップすることにしました。


タイトル:十二分のかなしみ

キャッチコピー:大人のための、大人に寄り添う、12の詩。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054893090955


 すると、すぐに「応援マーク」が付きました。

 誰かが読んでくれたんだ。そのあまりの反応の早さに私は感激しましたが、これは運が良かったんだと、後で知るのだった……ちゃんちゃん。


 カクヨムを始めて最初に思ったのは、短編や詩は入りやすく、自分も応援やコメントしやすいので、読者さまから反応をいただきやすいなということ。あとは、硬派な小説はまず読まれない。新着小説で読者を掴むには、タイトルとキャッチコピーが超重要。待って、なんでこんなにタイトル長いねん。そして、ランキングの上位を独占する異世界ファンタジーというジャンルとは……ワッツ? ライトノベルの知識や、スマホやパソコン画面を意識した独特の文章構成(行間の間隔や言葉の羅列)ができないと敬遠されるし、そもそも塵芥の作品たちに埋もれるだけである。そして発掘の機会は自分で掴め! 自主企画はちょこちょこチェックすべし。 

 そういうことなんだと、承知しました。

 一番最初に投稿して、それを見つけたくれたカクヨムユーザーさんのことは覚えています。それから、書き手が読み手という独特なカクヨムスタイルに必死に身を置こうと足掻くお話をしていきたいと思うのですが、今回はここまで^^


 今となっては、もう戻っては来ない日常に私は別れを告げることにしまして、しばしの無職を満喫している身でございます。もう少ししたら、求職活動する予定なんですけどね。それまではもう少しカクヨムにどっぷりと浸かりながら楽しみます。


 

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