姚興10 討伐      

泫氏県男爵であった姚買得ようばいとく

姚興ようこう暗殺を目論む。

皇太后の葬儀に乗じてヤってやる、

そう計画したのだ。


そのことを密告してきたものがいたが、

姚興としてはどうしても信じたくない。

李嵩りすうを派遣、同調するふりをして

探り出してこいと命じた。


そうとは知らない姚買得、

大幹部の合流に気を良くしたのか、

べらべらと計画を喋ってしまう。

なので李嵩は帰還し、姚興に報告。

さすがにもうかばい立てはできない。

姚買得と楽しい仲間たちは皆殺しとなった。


その後姚興は触れを下し、

錦の織物の製造、及び淫祀を禁じた。


やがて姚興は外征に出る。

狙うは洛陽らくようエリアである。

自ら兵を率いて湖城こじょうに侵攻すれば、

守っていた晋将の陶仲山とうちゅうざん董邁とうまい

たちまち姚興に降伏。

姚興軍はそのまま陝城きょうじょう上洛じょうらくも陥とす。

そこから姚崇ようすう洛陽らくように派兵。

洛陽は夏侯宗之かこうそうしという将軍がよく守り、

陥とすことが叶わなかった。

そのためターゲットを変え、柏穀はくかくに。

ここで嚴彥げんげん裴岐はいき韓襲かんしゅうをはじめとする

二万世帯あまりを捕らえ、連れ去った。




泫氏男姚買得欲因興葬母虵氏殺興,會有告之者,興未之信,遣李嵩詐往。買得具以告嵩,嵩還,以聞,興乃賜買得死,誅其黨與。興下書禁百姓造錦繡及淫祀。興率眾寇湖城,晉弘農太守陶仲山、華山太守董邁皆降於興。遂如陝城,進寇上洛,陷之。遣姚崇寇洛陽,晉河南太守夏侯宗之固守金墉,崇攻之不克,乃陷柏穀,徙流人西河嚴彥、河東裴岐、韓襲等二萬餘戶而還。


泫氏が男の姚買得は興の母の虵氏を葬ぜるに因りて興を殺さんと欲し、之を告ぐ者の有りたるに會せど、興は未だ之を信じず、李嵩を遣わせ詐往せしむ。買得は具さに以て嵩に告がば、嵩は還じ、以て聞き、興は乃ち買得に死を賜い、其の黨與を誅す。興は書を下し百姓に錦繡の造ず、及び淫祀を禁ず。興は眾を率い湖城を寇じ、晉の弘農太守の陶仲山、華山太守の董邁は皆な興に降ず。遂に陝城に如き、進みて上洛を寇じ、之を陷す。姚崇を遣りて洛陽を寇ぜしむるも、晉の河南太守の夏侯宗之は金墉を固守し、崇は之を攻むれど克せず、乃ち柏穀を陷し、流人の西河の嚴彥、河東の裴岐、韓襲ら二萬餘戶を徙し還ず。


(晋書117-9_仇隟)




姚萇や姚興が繰り返している徙民政策(と呼んでいいのかどうか……)には、つくづく関中の争乱のヤバヤバっぷりが描き出されていますね。どんだけのひとがしんどんねんってゆう。


「ひとがいなければよそから充当すればいいじゃない」とか、マリー・アントワネットも恵帝も真っ青ですよまじで。


あたま おかC

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