姚興9  処すマン尹緯  

薛勃せつぼつが謀反を起して嶺北れいほくに出ると、

上郡じょうぐん貳川じせんの部族たちは

みな薛勃に呼応、

金城きんじょうに詰める姚詳ようしょうを包囲した。


姚興ようこう姚崇ようすう尹緯いんいを派遣し討伐を考える。

この動きを見て薛勃は三交さんこうから出撃、

自らも金城に出向いた。


姚崇軍は陣を張り

薛勃軍を威嚇しようと考えたが、

なんとここでトラブル。

兵糧が全然届かない。

姚崇軍の士気はがた落ちとなった。


すると尹緯が姚崇に言う。


彌姐高地びそこうち杜成とせいといった連中は

 陛下に協賛を申し出たがために

 三品に位置付けられております。


 それで輜重運搬の任も受けたわけですが、

 ここに至って動きを止め、

 結果我らが軍を窮乏のさなかに陥れました。


 ここは法に照らし、

 べきかと思われます」


そして彌姐高地や杜成を斬り捨てた。

このお裁きに各部族は震撼し、

次々に供出された兵糧は最終的には

五十万あまりとなった。


単位は?


また姚興自身も步騎二万を率いて親征。

この事態に薛勃はおびえ上がり、

配下たちを見捨てて沒奕于のもとに逃亡。


沒奕于ぼつえきうに捕まり、姚興に差し出された。




鮮卑薛勃叛奔嶺北,上郡、貳川雜胡皆應之,遂圍安遠將軍姚詳于金城。遣姚崇、尹緯討之。勃自三交趣金城,崇列營掎之,而租運不繼,三軍大饑。緯言於崇曰:「輔國彌姐高地、建節杜成等皆諸部之豪,位班三品,督運稽留,令三軍乏絕,宜明置刑書,以懲不肅。」遂斬之。諸部大震,租入者五十餘萬。興率步騎二萬親討之,勃懼,棄其眾奔于高平公沒奕于,於執而送之。


鮮卑の薛勃は叛きて嶺北に奔り、上郡、貳川の雜胡は皆な之に應じ、遂に安遠將軍の姚詳を金城に圍む。姚崇、尹緯を遣りて之を討たしむ。勃は三交より金城に趣き、崇は營を列ね之を掎せど、租運は繼がざれば、三軍は大いに饑う。緯は崇に言いて曰く:「輔國の彌姐高地、建節の杜成らは皆な諸部の豪にして位は三品に班ぜられ、運を督せるも稽留せば、三軍をして乏絕せしむ。宜しく刑書に明置し、以て不肅を懲ラしむべし」と。遂に之を斬る。諸部は大いに震え、租入は五十餘萬たる。興は步騎二萬を率い親しく之を討たんとせば、勃は懼れ、其の眾を棄て高平公の沒奕于に奔るも、執え之を送る。


(晋書117-8_仇隟)




尹緯さん有能なんだろうけど、だめだ、「あいつクソですね、処しますか?」が口癖な人に見えてきたw

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