第29話 見守ってるよ
その夜、不思議な夢を見た。天使、翔也、柚月が雲の上で遊んでいた。三人の弾んだ声が聞こえてくる。雲の隙間から下界を覗き込む。
そこにいるのは、私とパパだった。
「ねえ、あのママを幸せにしようよ」
「うん、パパも優しそうだし、いいと思うぜ」
「え~っ!イヤよ。あんな全身から不幸を醸し出してるような女は」
「何言ってんだよ。そういうお母さんを幸せにしてこそ、天使冥利に尽きるだろ?」
「そうよ、そうよ」
翔也と柚月が楽しそうに話をしているのに、天使はなおも難しい顔をしている。
「わかったわよ。でも、あのママはあのままじゃ幸せになれないわ。アタシ、最初に行くわよ、いい?」
「でも、それじゃママと会えないよ」
柚月が心配そうに声をかける。
「いいのよ、それで。あんたたちは何も心配なんていらないんだから。アタシに続いて、全力でママを幸せにするんだよ」
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