どんでんででどんどででんでんどどどんででんどでんどどど返し

エリー.ファー

どんでんででどんどででんでんどどどんででんどでんどどど返し

 男だと思っていたのに、そう、彼は。

 いや。

 彼女は。

 女だったのだ。

 と、思っていた矢先、彼女へそのような洗脳を行った組織が何であるかを突き止めることに成功した。

 これにより。

 彼女は。

 いや。

 彼は。

 男であったのだ。

 だが、出生の秘密を解き明かすと、元々は織田信長の血を継いでいたものの、そこから他の武将たちに命を狙われ、何とか生きていかなければならないとその身を偽っていたことが発覚した。

 その結果。

 女だったのである。

 きっと、多くの苦労があったに違いない。涙が流れてくるものであるし、その部分を無視して生きていくことは難しい。

 そんな矢先のことである。

 彼女の近くに住んでいたという者から手紙が届く、革製の手紙であり、蝋によって閉じられている。そこにあるのは鷲の文様。多くの密書がそのような形で届いたそうである。

 はやる気持ちを抑えて開くと。

 そこには。

 目に前にいる。

 そう、つまりは彼女のことなのだが。

 本当の性別は。

 男であると記されていた。

 けれども、真実はいつも残酷な現実を照らし出す。

 この密室殺人事件で、殺害された佳代子さんには、莫大な借金があったという。彼女はその借金の返済の中で苦しい生活を強いられていたそうである。そのため、どうしても、遺産が必要であった。

 そう。

 少しでも遺産を相続する権利を持つものを殺す必要があったのである。

 この事件で佳代子さんが亡くなった意味、それは、殺そうとして反撃にあい逆に殺されてしまったという事を示している。

 不可能犯罪に見えたこの密室は、そもそも被害者が犯人になるはずだった現場であると考えればすべての説明が付く。

 そう。

 なんやかんやあって。

 その時に殺されるはずだった者が犯人になるには、どうしてもある条件が必要になる。

 そう。

 性別が。

 女でなければいけないのだ。

 つまり。

 貴方以外、この事件を起こせないということは。

 貴方は女性だということなのですよ。

 そう、口から言葉を出そうとした瞬間のことである。

 ヒルエストラ星からやってきたハンドトロワが大きく手を広げるとそこから光線が広がり、その中に彼女が入ってしまう。

 次の瞬間、肩幅が広がり顎から髭が生え始める。

 そう、その光線は性別を逆転するものあったのである。

 急に始まったSF系ドギマギ恋物語に周囲は大騒ぎ、一体どうなるのかこうご期待。

 そんな空気が流れつつも。

 そんなできすぎた物語のような展開は一切なく、彼女が彼になるようなこともなく彼女は彼女のままそこに存在していた。

 しかし。

 そんな彼女が水着姿で秋葉原の広告塔になってしまったことで、多くの批判を浴びることとなった。なんと、胸が大きすぎるし、目も大きすぎるし、発言もどことなく男性の好きそうなものだからだそうだ。

 確かに。

 これはいけない。

 絶対にいけない。

 そう、彼女は男性が好きだと思うような彼女でいてはいけないのである。あくまで誰にもこびていると思われない解釈のもと、間違いのないデザインと、性的なイメージの一切ない素晴らしい存在でなくてはいけないのだ。

 だから。

 彼女は彼になった。

 だが。

 今度はその彼が女性に媚びているようなデザインだったのである。

 こうなると、今度は性的な視点を感じざるを得ないという批判が出るものの、女性が好きそうな男性像は決してそのような思いはなく、神々しさの象徴であり、ミケランジェロのダビデ象もそれにあたると反対意見が噴出。

 では、ミロのヴィーナスはどうなのか、という意見が出たあたりで。

 ダビデ象とミロのヴィーナスを破壊することで、セクシャルなものを社会の目に触れさせてはいけないという問題は一気に解決。

 世の中からはBLが最初に消え、次に風俗街、その次にラスベガスが閉鎖。そのまた次には飛田新地が爆散し、執事喫茶はどうなのかと社会問題になり、恋愛感情と性をなるべく結びつけないようにすることで、何とか解決。

 世界は本当に平和である。

 見事なくらいに平和である。

 皆が、大好きなカルチャーが溢れかえっている。

 その裏で誰かがどのようなものを見ながらどんなことをしているのかはよく知らないが。

 とても平和である。

 絶対に平和である。

 表の社会にそういうものが出てこなくなったのだから平和になって当たり前である。

 私たちが汚いと思ったものが汚いのであってそのようなものが出てこなくなって健全に決まっているのである。

 そういう性的嗜好を感じるようなデザインは絶対に地下深くの影のようなところで少数の人間が見ていればいいのであって、そういうのが好きな人たちは一生そこで生活して笑っていればいいのである。

 だって、そういう人たちってキモイだけだし。

 邪魔だろう。

 邪魔に決まっている。

 だって、視界に入るだけでウザいのだから、消えてしまえばいいと思う。

 みんなも、そう思っているし。

 そういう健全な世界は最高だ。

 そういう少数派が大手を振って生きてる世界とかは本当に気持ち悪いし、そういうものを隠れて好きだ、なんだと言っている奴らが世の中に出てこないことが最高に健全だ。



 というような。

 どんでん返しが来たらどうするよ。

 まぁ、来ねぇだろうけど。

 だって。

 そいつもあたしらにとっちゃ話しのネタでやしょう。


 書き散らしてくれようか。

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