第7話 聖騎士試験

やっと、迎えた聖騎士試験。といっても街で行われる振り分け試験なようなもの。


クリスと、華憐が一緒に来てくれた。

花純は、城外のお花の管理で

むりっす!といってた。どうせなら無理言ってでも連れてきた方が良かったかな。一応紅一点だったし、やっぱり女の子いた方が士気が上がるし


そんなことを考えていると


「勇之助様、頑張ってきてくだされ!」


「勇之助様!応援しています」


と、クリスと華憐に応援された。


なんか、様で呼ばれてるの俺だけみたいで、視線が集まってる気が、する。

これが魔王様なのか、結構恥ずかしいかも。


2人に手を振ると俺は試験会場へと入って行った。


入った同時に、名前を聞かれたので、俺は

「勇之助」と答える。が、

ユーノスと登録されてしまった。『ケ』が抜けてるなぁと思ったけど、まあいいかと何も言わなかった。


第1次試験の内容が

簡単すぎて、顔がニヤケるのを必死に抑えた。

だってさ、


魔王城の近くで取れる山菜を取ってこい なんて、自宅近くで生えてる草を取ってこいっていう内容でしょう?簡単すぎじゃね?

とか、思ってたのはどうやら俺1人だったらしく、周りから

「い、いきなり!?」とか、

「魔王城の近くって魔獣わんさかいるよね…」とか あちらこちらから不安な声が耳に入ってくる。


まあ、他人がどう考えてるかなんて俺には関係が無いことなので、


すぐさまに、クリスに テレパスを送り山菜の場所を逆テレしてもらった。

あ、なんで テレパシー使えるかっていうと 魔王として転生した時の初期スキルでこれが無いとただの人間と大体同じになっちゃっていざピンチの時 あった方がすぐに逃げたり、臨機応変に動けるの事。らしい

クリスから 逆テレしてもらう。


「ここら辺って 前に罠を設置したとこじゃん」

たしか、罠をいたるところに設置したっけ。

試験に受けにきている人には悪いけど、威力とか調べたいから 何人か犠牲になってもらおうかな



俺は 試験管にじゃあ行ってきますと、一言いい、向かおうとしたら 全力で止められた。何故!?


「お前!そ、そんな軽装でいくつもりか!山道なんだぞ!しかも魔王城の近くなんだぞ!」



周りにいたほかの試験者たちがクスクス笑ってる。


「いや、だって、あの森でしょう?それに、何かに襲われそうになったら 直ぐに逃げれるように軽装の方がいいんじゃないですかね?」

と、屁理屈を返してみる。


「はぁー、お前のような奴から死ぬんだぞ。とりあえず、これだけでも持ってけ」

と、煙玉と、電気スタンガンを貸してもらった。多分使わないけど。

「はぁ、ありがとうございます。じゃ、行ってきます、あ。山菜はなんでもいいんですか?」


「魔王城の近くに生えてるものならなんでもだ」


と、言われたので、


勇之助はスタコラと森に入って行った。

勇之助が入って直ぐに


魔獣の鳴き声が聞こえてきた。


「あいつ、早速喰われたな」


と他の試験者が言う。が、当の本人は たまたま寝ている魔獣の上を歩いてしまっただけで、さっきの雄叫びは、踏まれてびっくりした魔獣が鳴いただけである。


「もう、気持ちよく寝てたのに。魔王様のおかげで目が覚めちゃいましたよー」


「悪い悪い。ちょっと山菜探してて足元見てなかった」


山菜なら尚更足元ちゃんと見ててくださいよー


「どうせならさ、全種類制覇したいじゃん?お前この辺に住んでるんだろ?案内してよ」



「しょうがないなあー、今回だけだよぉ?」


と、魔獣と一緒に山菜を探す。


勇之助が出発して、10分ほど経った頃


勇之助は帰ってきた。何食わぬ顔で、ところどころに 葉っぱがついた状態で



「何が正解かわからなかったから、全種類持ってきた。」


と、試験管に 持ってきた 山菜を取り出した


会場からはドヨメキがおこった。


「なっ!全種類とかチートすぎ!てか全部状態いいんだけど」


「あいつが、無傷なんて、今回の試験はちょろいかもな!俺たちもいくぜ」


と、次々に向かって行く、試験者達だったけど



帰ってくるものは 参加した人数の半分程度で、帰ってきた試験者達は口を揃えて


魔獣がいたと、あの森やばいよと言っていた。


「俺が入った時いた魔獣って

やっぱりあいつしかいなかったよなぁ。うん。結構乗り気で脅かしたんだな」


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