第10話 あたらしい予言者が──
「あたらしい予言者があらわれたそうですね、カズトヨさん」
「そうらしいね、ミツヤくん」
「予言とはいったいなんなんでしょうか」
「というと?」
「どこからどう『見ている』のかと思いましてね」
「予言は能力のなかでも特殊でね、神性存在の介在というものを考えないわけにはいかないんだ」
「神性存在──わかる気がします」
「未来の出来事を憶測ではなく『事実』として語るということは、その未来が現在と同時に存在していると認めるということだ。事件が『実際に』おきた。わたしはそれを見た。予言というのはそういうものだろう? 時は切りとれるものじゃないんだから、わたしやきみの目には現在しか映っていないだけで、一分先の未来、百年前の過去、すべての時間はおなじ場所で、同時にながれていると考えられるんだよ。この、ありとあらゆる時間がいっぺんに進行しているなかで、ありとあらゆる事象を俯瞰する。そんなことがただの人間にできるはずがない」
「つまりそれをできる何者かが、自分とコネクトできる人間に小出しに情報を与えている──」
「まあこれは能力研究者の意見だがね」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます