第4話 わたしは春が──
「わたしは春が嫌いですよ、カズトヨさん」
「ははあ、また頭に毛虫がふってきたんだね」
「どうしてあんな生き物が存在するんです!」
「その存在意義をはたすための前段階の姿なのだから──まあ、ゆるしておあげよ、ミツヤくん。『子どもしかるな来た道だもの。年寄り笑うな行く道だもの』。昔の人はそう言ったじゃないか」
「人間の話ですよ、それは」
「人間だろうと虫だろうとおなじだよ。まあ正直なところ、わたしも毛虫は滅びていいと思っているがね」
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