ロマン溢れるどんでん返し

雷炎

どんでん返しはロマン

1.忍者屋敷の扉のからくり。

2.歌舞伎の強盗返のこと。

3.上から転じて、フィクションなどのストーリー展開技法の一つをいう。同様に、話や形勢、立場などが正反対にひっくり返って逆転したことにも用いられる。


以上Wikipediaより抜粋


どんでん返しはロマンの塊である。子供の頃、忍者アニメで廊下の奥の壁がくるりと回って更なる部屋が現れたのに興奮した同士諸君はそこそこ居る事だろう。

というか実際にどんでん返しのある建物に出くわして壁を回さない者が果たしているだろうか。いや、いない。


両親の実家で隠し部屋を探した事は? 床下収納にロマンを感じたことは? 押入れの奥に秘密の通路を期待した事は?


私はある。だからきっとみんなもある。

…あるよね?

…ある筈。

…というかあれ。


実際忍者屋敷に何てアトラクションのある施設も幾つかあるのだからどんでん返しがロマンなのは確定的に明らかである。


ここまで来て何が言いたいのかと言えばどんでん返しはロマンということである。何一つ伝わっていない気もしないでは無いが本当にこれが言いたかっただけである。


話は少し変わるが物語に於けるどんでん返しも私は大好きである。

圧倒的絶望の中でそれまでの全てがひっくり返るあの展開は見ていてとても清々しく、また私を非常にワクワクさせてくれる。

あまり需要が無いからかも知れないがどんでん返しで主人公が絶望の淵に立たされる展開って物語の序盤以外で滅多に見かけませんよね。ハッピーエンド大好き人間としてはありがたいことこの上ないのですが、それにしたってもうちょっとあっていいのではないかと思う所存である。

それは兎も角として物語に於けるどんでん返しはその爽快感から長く人々に好まれる要素だ。願わくば人々を面白おかしく楽しませるどんでん返しを生み出したい物である。


このどんでん返しということについて書く上でまず「どんでん返し」という言葉自体を調べてみて冒頭に記述した三つの内、二つ目の意味は初めて知った。この二つ目の意味について初見の方はそこそこいるのではないだろうか。


この歌舞伎の意味でのどんでん返しを調べてみるとこれがまた面白いものであった。

どうも歌舞伎の背景パネルを九十度後ろに回すことでその下の絵を前へと出し一瞬にして場面転換を行う手法のことを指すらしい。図に起こすとこんな感じだ。


 ↓背景パネル

━┻┓→観客席


こんな感じの物を


 ↓背景パネル

━┫┓→観客席

こうすることで一瞬で場面を変える


なんだこれカッコイイ。


動かすのが人力なのか道具を使ったものなのかは存じ上げないが歌舞伎の舞台の背景パネルなんて馬鹿でかい物を動かす労力は結構な物だろう。これをみると構造自体は確かに忍者屋敷のどんでん返しと同じなのだろう。だが、対象が単純にでかいというだけでロマンは膨らむ物だ。


ここまで三つのどんでん返しの意味について心底下らない語りをして来た訳だが。読者諸君は如何だろうか。どんでん返しにロマンは感じられただろうか。もし感じた方が一人でもいたならそれに勝る喜びは無いだろう。

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