069

柴原さんが料理をしている間、私はすずとおままごとで遊ぶ。


「ハンバーグ焼きまーす。じゅー。」


「じゃあ、すずはたまごわるね。」


「すずー、卵投げないで。ワイルドすぎ。」


すずはおもちゃの卵を床に向かって勢いよく投げつけた。それは割るとは言わない。叩きつけだ。

私の反応に気を良くしてか、投げつけては笑い、また拾って投げつけるを繰り返す。そして一人でゲラゲラ笑っていた。

二歳児のツボ、未だに理解不能。


「二人とも楽しそうだね。カルボナーラできたよ。」


「かぼるなーら!」


「カルボナーラだよ。」


私はすずを抱っこして手を洗わせると、エプロンを被せてイスに座らせた。


テーブルの上には綺麗に盛りつけられたカルボナーラが準備され、部屋中に美味しそうな香りが漂っている。


すずはフォークを持って「かぼるなーら」と連呼した。早く食べたくて仕方ないらしい。

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