第180話 カレー実食、買い物
さて、そろそろ昼の時間だ。ラッティーの勉強の
「アスカ、入るぞ」
一応ことわって部屋の中に入ったところ、先に
アスカの机の後ろの椅子に座って、机から頭と手を出したラッテイーが、顔を真っ赤にして
「ラッテイー、そろそろ昼食だから。それくらいにして、食堂に下りてこい」
「はい、でももう少しで切りのいいところまで終わるから、そしたら下りていきます」
アスカを見ると首をふるので、あきらめて俺だけ先に食堂に行くことにした。頑張り屋の子を持つ親の心境か? そんな大層なものではないが、小さな子供が頑張る姿をみて新鮮な驚きがあったのも確かだ。
俺は、小さいころラッティーほど頑張ったことが一度でもあったのかと問われれば胸を張って言い切ることができる。
『いいえ、一度もありません』と。
ほかの連中の食事を遅らせる訳にはいかないので、アスカとラッティーは後からやってくると食堂に集まった面々に説明し、先に昼食を始めることにした。
出来上がったカレーライスが盛られた深めの皿が、ミラが運ぶワゴンに人数分載せられて、食堂に運び込まれた。
厨房から漂って来る初めての匂いの正体が、お皿の上に載って自分の目の前に置かれた面々は
「アスカとラッティーは遅れてくるから、先に始めておこう。今日の昼食はカレーライスといっておれの
「「いただきます」」
さっそく、スプーンでカレーをすくい口に運ぶ面々。
「
いたるところで上がる悲鳴だか歓声だかわからない声。
「でも、おいしー!」
「ほんと、
そうだろう、そうだろう。うん、うん。辛さに慣れていないうちは、甘口カレーでさえ辛く感じるらしいからな。今回のカレーは、アスカ監修のスパイスだ。いいかえれば、俺が
早くきみたちもオコチャマ
ホー、おお辛い。水、みずー。
みんなも水をがぶがぶ飲みながらカレーを食べている。あまり水を飲むと2皿目が食べられませんよ。
「ミラ、悪いけどカレーライスのおかわりを
「はい、お待ちください」
今食べたカレーライスの皿はそのままに新しくよそったカレーライスをミラが厨房から持って来てくれた。これだと効率が悪いな。
「ミラ、
「はい、そうします。ソフィア、手伝ってくれる?」
「はーい」
「それと、もうすぐアスカとラッティーも下りてくるだろうから、二人の分も用意しといてくれるかい」
「はい」
ワゴンにご飯とカレーが用意されて食堂に運ばれてきたところで、アスカとラッティーが食堂に入ってきた。ラッティーも先ほどと比べれば元気が出てきたようだ。
席についた二人の前にすぐにカレーライスが用意され、
「「いただきます」」
そういって、二人ともスプーンを手にしてカレーを口に運んだ。
「おいしい」
ラッティーには辛くなかったようだ。
アスカはいつものように無口でスプーンを口に運んでいるのだが明らかに普段のスピードよりも手の動かし方が速い。
フフフ、マキナドールの弱点を見つけたぞ。だからどうってことは何もないし、たぶん、明日になればすっかり忘れてしまうとは思う
一部の連中には今日のカレーは相当
ラッティーは午前中の勉強疲れと食後の満腹感のためか、目が重たくなってきたようなので、アスカのベッドで休ませ、俺は居間でしばらくくつろいでお腹が落ち着くのを待って、アスカと寝具を買いに出かけることにした。
20分ほどアスカと駆けて、いつもの家具屋に顔を出し、ベッドを10セット、それ用の寝具を10セット買っておいた。
「アスカ、ラッティーの机なんだがな、おまえの机だと大きすぎて、あれじゃあ首だけ出したさらし首だろ? 子ども用の勉強机を売ってないかな?」
「そもそも、あんな子どもが机に座って勉強することなどこの世界では考慮されていませんから売っていないと思います。私がいつものように作ってしまいますから、材料の木だけ買っておきましょう」
「そうだな。アスカの作る木工製品、いや金属製品もだが芸術品だものな。そっちの方がいいな」
いつものように木材を売ってくれるようお店の人に頼んだのだが、今回は寝具を大量に購入したせいか、ある程度の木材をタダで譲ってもらえた。そういったサービスをしてもらうと、俺としては必ず、あとでそれ以上そのお店を
屋敷に戻って、家具屋さんから貰って来た木材を渡アスカにしたらラッティー用の机と椅子をあっという間に作ってしまった。まさに、アスカ
あれ、まだ板とかだいぶ残っているじゃないか。
いいことを思いついたぞ。
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