第88話 指名依頼受注
「もしかして、キルンの冒険者ギルドで登録されたショウタさんとアスカさんですか?」
今度は誰? 振り向くと、
「はい」「。」
「ギルド職員をしていますエドガー・スミスと申します。お二方がショタアスのお二人でしたら、当ギルドのギルドマスターがお話があるようなので、ギルドマスターの執務室までお越しください」
ええー、めんどくさそー。暇つぶしに来てみたのがいけなかった。
「分かりました」「。」
「こちらへどうぞ」
スミスさんのあとについて、受付カウンターの横から階段を上り、2階、3階と登り4階に。偉い人は上に
「スミスです。ショタアスのお二人が、下の受付ホールにいらしたのでお連れしました」
「入ってくれ」
大柄な赤毛のおばさんが部屋の奥の大きな机の向こうに座っていた。
「あたしの名は、キャサリン・ギリガン。冒険者ギルド王都本部のギルドマスターだ。二人の知ってるキルンのギルマスのサイモン・ギリガンはあたしの弟だ」
雰囲気似てる。見覚えある顔だと思ったら『キルンのゴリラ男』の姉だった。
「楽にしてそこに座ってくれ。スミス、誰かにお茶を用意させてくれ」
「はい。ギリガンさん」
そういって
「サイモンから聞いた話なんだが、ショウタの方は、信じられないほど大容量のアイテムバッグを持ってるらしいっていうんだ。もしかしたら、エルフの使う収納魔法じゃないかとね。それと、ショウタもとんでもなく強いが、後ろに立ってるアスカの強さは強い弱い
アスカは分かるが、俺まで強いなんて持ち上げすぎじゃね。嬉しいけど。
「アイテムバッグについては持ってません。収納は、エルフの収納魔法じゃありません。私自身は自分を強いと思ってません。アスカは尋常じゃなく強いと思います。以上。で、私たちを呼びつけた用件は何ですか?」
とりあえず、
「まあそう
「先ほど窓口で
「護衛よりも、直接お前さんに荷物を運んでもらった方がいいんじゃないかと思ったんだよ。お前さんの収納容量は
「大きな倉庫一杯分がどの程度かわかりませんが、正直なところ、かなりの量が入りますよ」
「それならば、こういうのはどうだろうか。今王都の倉庫の中に収められている物資を北の砦まで運んでくれたら、その物資の代金と同じだけショウタに支払うというのは。運ぶ物資の代金は、商業ギルドで管理しているからそこに聞けば確認できるだろ。物資が先方に着いたら確認書にサインをもらってくればこちらで
「それなら何とかなりそうですね。ちなみに倉庫一杯分の物資の代金が金貨一枚以下ってことはないですよね?」
「まさか、食料関係だけでも大金貨百枚の価値があると思うぞ」
『アスカどう思う?』
『特に問題ないかと。砦までの距離は千二百キロのようですから、時速三十キロで駆け続けて四十時間、往復で八十時間です。途中休憩を十時間ごとに六時間とすると全行程百三十四時間、五日と十四時間になります。実際の走る速度は、街道上なら四十キロ近いのでしょうが砂虫などを排除しながら進むとなると、時速三十キロを
『それだと、夜中にも走ることになるんじゃない?』
『今のマスターの能力なら、特に問題ないかと』
『シャーリーはどうする?』
『連れてはいけませんから、フレデリカさんのところに預けましょう。アルマさんも了承してくれると思います』
『分かった。じゃあこの仕事を受けてみるか』
『はい。一度『魔界ゲート』を見たかったものですから』
俺も一度は見たいよ。俺がこっちに呼ばれた間接原因だものな。
「ギリガンさん、わかりました。やってみます。今日一日準備をしますから、明日出発できます。運搬する荷物のある場所を教えてください」
「荷物は商業ギルド本部の倉庫にあるはずだ。こっちから、商業ギルドに連絡しとくから、あっちの窓口に聞いてくれ。商業ギルドの場所はわかるだろ? 砦の建設は国の騎士団が受け持ってるからその担当者も来るはずだ。よろしく頼む」
時間がないので、すぐにギルドを辞し、『ナイツオブダイヤモンド』に駆けて帰った。シャーリーは何事かと驚いていたが事情を話して、着替えなどを揃えさせ、一緒にアルマさんの屋敷に行くことにした。
アルマさんの屋敷には『ナイツオブダイヤモンド』に呼んでもらった箱馬車で乗り付け、アルマさんに事情を話すと心良くシャーリーを預かってくれることになった。シャーリーはできた子なので、笑顔で見送ってくれた。
アスカと俺は礼を言って、明日から必要になりそうなものを仕入れに買い物に行くことにしたのだが、買い物といっても収納庫の中に予備の乏しくなったでき合いの食べ物と、飲み物を補充するのが
当然『ナイツオブダイヤモンド』でも弁当を何食分かお願いした。こちらはタダだからね。
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