第52話 勇者一行王都へ
ショウタが黒龍を
つまり、刻々と近づく『魔界ゲート』の解放に
お
「トリスタン騎士団長、ご苦労さま。それで勇者さまたちの訓練は相変わらずですか?」
テンペラ宮の一室、例のごとくマリア王女がトリスタン騎士団長と勇者たちの今後について話し合っている。
「申し訳ございません」
トリスタン騎士団長のその言葉にあきらめ顔でうなずくマリア王女。
「王都より勇者さま一行をなるべく早いうちにお連れするようにと
「残念ですが、これ以上訓練の成果は期待できません」
「
「……」(早くに王都に戻ってこんな苦労を知らないマーロン魔術師団長がうらめしい)
「しかし、先日
「
「トリスタン騎士団長、誰か心当たりはありませんか? 見た目が立派で礼儀をわきまえた人物を」
「
「それは好都合だわ。トリスタン騎士団長の第2騎士団から適当に
「かしこまりました。すぐに手配いたします。それで勇者さまは良いとして、ほかのお二方はいかが致しましょう?」
「賢者さまと聖女さまは比較的まともなのでしょう? ただお召し物が
「そうといえばそうなんですが、ここは思い切って影武者の準備だけでもしておきませんか?」
「そうですね。見た目が良いに越したことありませんからね。それではそちらの準備もお願いします」
こうして、勇者影武者作戦『見た目が良ければいいじゃないか』が発動したのだった。
◇◇◇◇◇◇◇
「……というわけで、勇者さま、賢者さま、聖女さま。明後日には王都に出発しますので、よろしくお願いします」
「いいんじゃねーかー。ちょうどここの生活に飽きてきたことだし。新必殺技も行き詰ってるから
『青き稲妻の大剣』をいじりながら興味なさそうに返答する勇者ヒカル。
「王都って大きな街なんでしょ。そしたらあたしの小道具売ってるかなー」
ミニスカート姿で、相変わらず爪を気にしている賢者サヤカ。
「サヤカの欲しいものくらい、王都っていうくらいなんだから売ってるんじゃない? 私はちゃんとした甘いものが食べたい。スウィーツ欲しい」
そして、こちらもミニスカート姿だが、比較対象があれなので比較的常識?を持ち合わせた聖女モエ。
――こんな連中でも勇者さまご一行。マリア、アデレード王国のため。世界のため。ここは
「賢者さまの小道具は私には分かりかねますが、王都にはたくさんのお店がありますから、その小道具や
引きつりながらもにっこり笑うという、
彼女は、勇者たちを自分たちの都合で強引に召喚した手前、かなり
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