異世界転生って簡単じゃないと思う。

紗沙咲三

神様との邂逅?

あー……異世界転生かな……?

居眠り運転の暴走トラックって実在したんですねー……。

嘘みたいな話ではあるんですが、絶賛死亡中です。

えぇ、意識はまだあるんですが体の感覚とか無いんですよね。

思い出が走馬灯のように……


神様、異世界転生って死ぬほどつらいですね……。




「君は死ぬ間際になんでそんなバk…能天気なことを考えていられたのか。」

「苦しかったんですよ!死ぬほど!いや死んだんですけど!?」

結局やっぱり白い空間に来まし……た?

これから異世界転生するみたいです?

「さすが理解が早い。死ぬ前の願い?を叶えてやろう。……面白そうだから。」

しれっと何か言いませんでしたか?

スルーしますけどね?あ、異世界転生といえば、言っておかないと。

「せっかくなので何か何かください!」

「そ、そうだな。図々しいがまぁいい、魂にマーカーをつけてやろう。」

魂に真っ赤?魔貨?摩訶摩訶?

「違う。マーカー。印をつけるだけだ。」

「つまり神の御印があることで何か特別な力が!?」

ていうことは、チート!おおお!

「という話ではない。今与えたのは、ただの目印に過ぎない。」

なん、だと……!

「認識できるようになっただけだ。こちらから見つけられるというだけだな。」

ぬ?

「猫の首輪に鈴を付けるようなものだ。居場所がわかる。以上。」

野良猫扱いですか……え、チート無し?

「は?…………は?」

「日頃、神々が管理する対象がどれだけ居ると思っている?

 複数世界管理していたらお前を気にすることも難しい。」

へー……78億だったかな……?

「星ひとつの人間の数だからなそれは。」


まぁ間違いではないよね。

「見なくてはならない対象が多いから、わかりやすくしただけだ。」

無、意、味?

「目立った特典は無いが、それがあるだけで聖人認定されたりするぞ?」

「も、もう少し実用的な特典は……。」

「やれなくはないが……何を望む。」

「許されるなら、魔法の才能を。」

「良し。授けよう。追加で自己の状態がわかる権能も与えよう。」

ラッキー☆あっさり貰えた~、ついでにステータスっぽいのも貰えた~。

両方とも定番だよね!よし!よし!

るんるん気分で転生できるね!

冷遇されて追放令嬢になっても大丈夫!

論理的に考えて完璧!


「わかってないようだが、使い道があるとは限らんからな?」

をぃー!使い道、無いの!?


「ん?転生先がどこかわからない以上どうなるかは運次第だ。」

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