第76話 『テポルヴァ事変』 4
◇◆◇
“専守防衛”と言う言葉がある。
それは、第二次世界大戦後の『日本』において練られている『軍事戦略』である。
これは、過去の反省から『日本』が下したらひとつの『
その内容は、全般的な作戦において、相手の攻撃を受けてから初めて軍事力を行使する事、その程度は自衛に必要最低限の範囲にとどめ、相手国の根拠地への攻撃(戦略攻勢)を行わない事、自国領土またはその周辺でのみ作戦する事、などである。
『地球』における『日本』では、複雑な『政治的』・『軍事的』バランスの上でのみ何とか成り立っているモノであるが、
なぜなら、『戦争』の放棄など、身近に様々な脅威がある
『軍事力』とは『防衛力』でもあり、そして一種の『抑止力』でもある。
『平和』を渇望する事、『戦争』に対して忌避感を持つ事はとても尊い“考え方”ではあるのだが、しかし、世の中皆が皆同一の考えを持っている訳ではないのだ。
故に、己の『生命』を、『財産』を、『家族』を守る為には、脅威に対抗する『手段』は確実に必要になってくるのである。
それ故に、アキトがかつて『経験』し、アラニグラが今現在脱却しようともがき、『LOL』が今まさに直面している様に、『日本』と
アキトはすでにそれに乗り越えて
当然、『
◇◆◇
「いやぁぁぁっーーー!!!誰か助けてぇぇぇっーーー!!!」
「うるせぇ女だなぁ~。おいっ、誰か口に布でも突っ込んどけっ!」
「おいおい、また壊すなよぉ~?新しいのはさらってこれねぇ~だからよぉ~。」
「オメーは乱暴過ぎんだよぉ~。少し優しく『調教』してやりゃ、喜んでソイツも股を開く様になるぜぇ~?」
「別にオレの女じゃねぇ~し、『帝国女』に優しくしてやる義理はねぇ~よ。それに、抵抗された方が燃えんだろ~?」
「うわっ、コイツちっとヤベーぞっ!」
「『衛兵』さぁ~んっ!コイツでぇ~すっ!!」
「「「「「ぎゃははははっ!!!!!」」」」」
悲痛な叫びを上げる10代後半の少女を凌辱しながら、下卑た笑い声を上げる『カウコネス人』の若者達。
目も当てられない惨状ではあったが、これもある意味では
これは、何も『
『地球』でも、様々な『紛争』の影では、こうした悪行は『歴史的』に繰り返されてきているし、『カウコネス人』側からしたら、『ロンベリダム帝国』から受けた“仕打ち”をそのまま返しているだけである。
もっとも、今まさに被害を受けている少女からしたら、たまたま『ロンベリダム帝国』側の住人だっただけで、彼女自身に何の非もないのであるが。
しかし、もはや『暴徒』と化し、そこら辺の『野党』と変わらないほどに
少なくとも、彼らの中では。
「・・・チッ、ヘドが出るぜっ!人の醜い面を見ちまうとなっ!!!」
「なっ、誰だっ!!」
そこに踏み込んで来たのは、『神の眼』によって、『カウコネス人』達の
『LOL』の“スタンス”は、『
これは、『異邦人』である『
『
しかし、『
それによって、『
元々『LOL』は、『TLW』を『攻略』する上で発足した『
当然、中には様々な『意見』を持つ者達がいる訳で、アラニグラは、生来の『気質』と『アバター』の持つ『性質』も相俟って、決定的に『
しかも、ヴァニタスとの邂逅により、薄々勘付いていた『
そうなれば、アラニグラの中では『
『
故に、アラニグラは独断専行で事を起こした。
彼が『理想』としていた、『ダークヒーロー』を体現する為に。
「なんでい、コイツっ!一人でのこのこやってきやがってっ!?」
「自分は特別だと思い込んでる
「「「「「さんせ~いっ!!!!!ぎゃははははっ!!!!!」」」」」
「・・・その身体でどうやって?」
「「「「「へっ!?」」」」」
チンッと小気味良い鍔鳴りの音を鳴り響かせ、不敵な笑みを浮かべたアラニグラは、『カウコネス人』の若者達に問い掛けた。
「ぎゃあぁぁぁっーーー!!!お、俺の腕がぁぁぁっーーー!!!」
「あし、足がねぇよぉっ~~~!!!」
「いでぇぇぇっ~~~!!!いでぇよぉぉぉっ~~~!!!」
一瞬の内にその“場”は阿鼻叫喚の様相を呈していた。
元々『
しかも、ある種の『覚悟』を決めたアラニグラは、今まで『心理的』にセーブしていたタガが外れ、最早
いくら『
「【
「えっ・・・!?」
アラニグラは、『
しかし、アラニグラの操る『魔法』の中には、所謂『時間干渉系魔法』が存在し、それを応用する事で、捕らえられた少女の暴行の跡を残さずに
「大丈夫か?」
「は、はいっ!!あ、あの、あ、ありがとうございましたっ!!!」
「いや、助けるのが遅くなってすまなかったな。けど、傷は治したし、時間が経てば
「えっ!?それって、どういう・・・?」
「【
「えっ・・・?Zzz・・・、Zzz・・・。」
「ここで最後みたいだな・・・。」
戸惑う少女に取り合わず、アラニグラは『睡眠攻撃』を仕掛けた。
これから行う所業を彼女に見せるのは憚られるし、何よりアラニグラの発言通り、彼女が『経験』した暴行や凌辱は“無かった事”になるからだ。
せっかく『身体的』な傷や、『精神的』な傷を
本来なら、
それは、例えアキトでも、セレウスやアルメリア、ルドベキアと言った『神々』にも、である。
しかし、『LOL』のメンバーは、
異なる『
ただ、これにももちろんデメリットが存在する。
当たり前の話だが、何かを得るには、それ相応の代償を支払う必要があるからだ。
その代償が“何か”は、残念ながら『
「さて、これでさらわれた『人質』はいなくなったか。後は、いっちょド派手に決めて、『カウコネス人』達の心を折るだけかな?っつっても、『指導者』まで巻き込むと『戦後』の話し合いに支障を来すし、コイツらみてーなバカ共を血祭りに上げるぐらいがちょうどいいかね。」
アラニグラが恐ろしげな作戦をひとりごちるが、残念ながら、それに反応出来る者達は、この“場”にはいなかったーーー。
◇◆◇
「ドリュースっ!?何があったっ!?おいっ、しっかりしろっ!!」
「ふぇ・・・?」
アラニグラに『睡眠攻撃』を受けたドリュースを、アーロスが発見したのはかなり時間が経った後だった。
『
『テポルヴァ』の『市民』達への被害を減らす上でも、ドリュースの『力』は必要不可欠である訳で、それ故、ドリュースには独自に一人で集中する『環境』が与えられたのだった。
そんな事もあり、ドリュースの“異変”に気付いたのは、『テーベ』に移動を開始する事を伝えに来た、つい今しがたとなったのである。
「あれっ・・・?僕はっ・・・!!!ね、ねぇっ、アーロスっ!!アラニグラさんを見掛けなかったっ!?」
「お、おうっ、目が覚めたのかっ!?いや、聞きたいのはこっちなんだが、アラニグラさん・・・?そういや、しばらく見てないかもなぁ・・・。」
「た、大変だっ!?すぐに“
「お、おいっ、ドリュースっ!?マジで何があったんだよっ!?」
「ごめん、アーロスっ!後で説明するよっ!!それよりも、皆さんを集めてくれないかなっ!?僕は“
「えっ!?もしかして、ガチなヤツっ!?」
「はやくっ!!!」
「は、はいっ!!!」
ドリュースの剣幕にたじろいだアーロスは、疑問は一旦棚にあげて言われた通り『
・・・
「なんじゃとっ!!??」
「真偽は定かではありませんが、その少年はそう言っておりました。それに信憑性はかなり高いかと。
「ヴァニタス・・・?」
「“願いを叶える者”・・・?」
「っつか、『
アラニグラを除く『LOL』のメンバー達がドリュースのもとに集まり、彼からヴァニタスとの会話の内容が伝えられた。
その内容は、にわかに信じがたい話で、一部のメンバーはかなり取り乱していた。
「とりあえず落ち着くのじゃっ!!このタイミングで儂らに接触してきたのがどうも腑に落ちん。もしかしたら、儂らを混乱させる事が狙いかもしれんし、とりあえずはこの“状況”を打開してから、冷静になって話し合う必要があると思う。とにかく、アラニグラ殿と連絡を取って『テーベ』に避難してからっ・・・!!」
ティアは聡明な女性だった。
しかし、だからこそ、彼女は『論理』優先で考えてしまう。
世の中には、理解不能な事、計算出来ない事は往々にしてある事にも気付かずに。
その間も、ドリュースは『魔獣』や『モンスター』、『精霊』との感覚を“
ドリュースには、嫌な予感があった。
自分の知っているアラニグラが、
「見つけたっ!!!いや、でも、まさかっ!!??」
「どうしたっ!!??」
「いけない、“皆逃げるんだっ!!!”」
「「「「「「「「えっ!!!???」」」」」」」」
ズガァァァァンッと、ドリュースが叫んだ瞬間、『精霊の森』の方向から耳をつんざく様な爆音が響き渡った。
慌てて『LOL』のメンバーや、その音を聞き付けた駐留軍、『市民』も、表に出てその方向に目を凝らしていた。
そこには、
「ド、ドリュースさん・・・。もしかして、あれってっ・・・!!??」
「・・・アラニグラさんの『広域殲滅魔法』、です・・・。彼は、数百人の『カウコネス人』達を、今、『殺害』しました・・・。」
「「「「「「「「っ!!!!!!!!」」」」」」」」
力なく応えたドリュースの言葉に、『LOL』のメンバー達は、息を飲み込むのだったーーー。
◇◆◇
「あらぁ~、こいつはマズいわ~。彼を御するのは難しいかもしれないわねぇ~。『敵対』するなんてもっての他だしぃ~。流石にニルがアタシを寄越すだけあるわぁ~ん。他の仲間達も一筋縄ではいかないみたいだしねぇ~ん。」
『キノコ雲』を眺めながら、口調とは裏腹に冷や汗を流す長髪のシルバーブロンドの
もっとも、『ニル』と同じく『エナ』も彼の本名ではなく、所謂『コードネーム』である訳だが。
『LOL』のメンバーが、“平和維持活動”にて、ルキウスらの思惑通り動くかのを『監視』するのが今回の彼の『役割』であり、途中までは、その思惑通りに『
『
つまり、所謂『
いくら皇帝と言えど、『独裁者』と言えど、『国民』無くして『王』はありえない訳で、『世論』を完全に無視する事は難しい。
そしてこれは、何も『為政者』に限定した話ではない。
今回の件で『
そして、仮にまた何か“異変”が起これば、否が応でも『
そうなれば、『
『同調圧力』。
集団生活を営む『社会』において、その『力』に抗う事は難しいのだから。
ところが、これは、ある種『消極的姿勢』をみせる『
単純な話だが、本来なら『圧倒的強者』たる『
まぁ、もちろん、アラニグラの様に振る舞うには、それ相応の『覚悟』が必要にはなってくるのだが・・・。
「とにかく、彼が起こした事を問題視されない様に、上手く立ち回らなきゃならないわねぇ~。彼に『敵対』されたら、
エナもニルと並ぶ『S級冒険者』クラスの『実力』の持ち主ではあったが、流石に『神性』たるヴァニタスの存在には気付けずにいたのだったーーー。
◇◆◇
「アッハハハッ~!!!『正解』だよ、『正解』、アラニグラくんっ!!!やっぱり
「なんというっ・・・!!!これが『異邦人』の『力』なのですかっ・・・!!??」
『キノコ雲』を眺めながら、ヴァニタスはケラケラと無邪気に笑い声を上げた。
一方のエルファスは、アラニグラの放った『力』の一旦に、青ざめ驚愕の表情を浮かべていた。
「いやいや、まだまだ『
「これほどの『力』でも、まだ『手加減』していると言うのですかっ!?」
ヴァニタスのその言葉に、今度こそエルファスは気が遠くなる様な感覚に陥った。
「まあねぇ~。もっとも、『
「・・・ヴァニタス様。差し出がましい様ですが、
「ところがそうでもないんだなぁ~。『異邦人』の『力』は強力だから、誰もが『
「はぁ・・・。」
ヴァニタスの言わんとする事が分からず、エルファスは生返事を返した。
「おいおい、頼むよぉ~、エルファス。結構単純な話なんだから。つまり、『
「あれほどの『力』を持っているのに、ですか?」
「そっ。まぁ、
「はぁ・・・。」
エルファスは、ニルやエナほどの『力量』を有してはいなかったが、総合的な『力』は、それにひけをとらない『実力者』であった。
しかし、
「ま、そんな事も含めて、僕ら側から接触しない限り、『
「なるほど・・・、確かに。」
エルファスには、ヴァニタスの話は半分も理解出来なかったが、最後の部分は痛いほど理解出来た。
それは、エルファスが『
「さて、アラニグラくんのお陰で予想以上の『成果』を上げられた訳だけど、これで今回の件は終息に向かうだろうし、僕らは新しい『ステージ』に移ろうか?次はどこがいいかなぁ~?あ、その前に『神の眼』は回収しとかなくちゃねっ!!」
『カウコネス人』達の“滅亡の危機”も『LOL』の“亀裂”もなんのその。
ヴァニタスの興味は、すでに“次”に向かっているのだったーーー。
◇◆◇
時は、一旦『精霊の森』に『キノコ雲』が発生する直前に戻る。
『カウコネス人』の『実質的指導者』たるホンバは、取り巻き連中と共に“異変”を感じ取り『現場』に急行していた。
『暴徒』と化し、最早ホンバの言葉など聞かない若者達であったが、好き勝手ではあるが、『テポルヴァ』に対する襲撃は継続していた。
しかし、数刻前からそれがパッタリと止んでいたのである。
“異変”を感じた彼らがそこで見たモノは、まさしく『地獄絵図』であっただろう。
うめき声をあげながら、うずたかく積み上げられた『
生きている者もすでに事切れている者も関係なく積み上げられた、その不気味な『タワー』の傍らに立っていたのは、少々風変わりな青年であった。
「アンタが親玉か?」
底冷えする様な声色と、射抜く様な鋭い視線。
見た目は、『
場所が場所でなければ、どこぞの名のある『貴族』かそれに類する『高貴な者』が現れたのかと思うところだが、その『現場』は凄惨の一言に尽きる。
その絵画の様な美しい容貌が、むしろホンバらの目に不気味に映り、どこの『悪魔』が顕現したのかと、『現実感』のないその光景に、『恐怖感』で遠くなりそうな意識でホンバらはそう思った。
「違うのか?なら、アンタらも『タワー』の一部になるか?」
「ま、まてっ!!待ってくれっ!!!お、俺が『実質的指導者』のホンバだっ!!!」
「そうか・・・。ところで一つ聞きたい。
そんな状況だと言うのに、その青年は世間話でもする様な冷静な振る舞いを見せる。
それには、ホンバらはガタガタと震えながら、しかし、何とか言葉を絞り出した。
「こ、ここにいるのは『戦士』達だけだ。ど、同胞達は『精霊の森』の奥地で我らの帰りを待っている。」
「『戦士』・・・。『軍人』ってこたったな。なら、“死ぬ覚悟”も出来てる、って事だよな?流石に、何の罪もないヤツを殺すのは気が引けていたんだ。」
ホンバらはゾッとした。
このままでは皆殺しにされてしまう。
そう、本能的に悟ったのかもしれない。
「ま、待ってくれっ!!!お、俺達の負けだっ!!!『一斉放棄』は止めるっ!!!『帝国』に投降するっ!!!だからっ!!??」
「いや、俺にそう言われてもな・・・。それに、それは少し虫のいい話だろ?アンタらにはアンタで、『帝国』に反抗する理由はあるんだろうが、関係のない『一般市民』を弄んでいたじゃねぇか。『戦士』なら『戦士』らしく、駐留軍と戦り合って死ねば良かったのによ。」
青年も、『知識』としては『戦争』や『紛争』の影の『略奪行為』を知っていたが、実際に見るのは今回が初めてだった。
当然、青年の『価値観』から言えば、『
「そっ!!!」
「んじゃ、アンタらは下がってな。曲がりなりにもアンタが親玉ってんなら、死なれると困るんだよ。『
反射的に反論しようとしたホンバには目もくれず、青年、アラニグラの周辺には、凄まじい『暴風』が吹き荒れるのだった。
『スポーツ』において、“スポーツマンシップ”と言う言葉が存在するが、例えば『強豪校』と『弱小校』が対戦する場合、時に“イジメ”の様な大差がつくケースがある。
観戦者によっては、「『手加減』しないなんて、“スポーツマンシップ”に反する」と非難する者もいるだろうが、逆に『手加減』をする事の方が“スポーツマンシップ”に反する、と言う意見も存在する。
『勝負』の『ステージ』に立った以上は、『強者』も『弱者』も関係なく、一人の『戦士』なのである。
故に、あらゆる『戦略』は肯定されて然るべきだ。
『トーナメント』においては、『勝ち点』が『勝利条件』に大きく関わる事もある。
そうでなくとも、「どっちが『強い』か?」を、明確に示す事で、その後の対戦を優位に進める事が出来るだろう。
話を元に戻そう。
これは、何も『スポーツ』に限った事ではない。
『戦争』においても言える事である。
元々、『ロンベリダム帝国』と『カウコネス人』達の間には、圧倒的な『戦力差』があった。
『力』で押さえ付けている、と言えば聞えは悪いが、その『軍事力』、所謂『抑止力』によって、仮初めとは言え“平穏”が保たれていたのも、また紛れもない『事実』なのである。
当たり前の話だが、『
それに反発するのは、まぁ、人として分からない話ではないが、その前にあらゆる努力したのだろうか?
以前にも言及したが、『冒険者ギルド』や『魔術師ギルド』が、その“存在”を勝ち得たのも、理不尽な『国』やら『権力者』ともどうにか折り合いをつけて、自分達の『技術』を一部供与する事によって“利用価値”を認めさせたのだ。
その後は、“利用価値”を高める事によって、むしろ手を出すどころか、なくてはならない『組織』へと成り上がっていったのである。
当たり前の話であるが、『交渉』とは、何も『戦争』が全てではないのである。
では、『カウコネス人』達の場合はどうか?
『
それに対する憤りや怒りがあって然るべきだが、客観的に見たら、その『力』に対抗出来なかったのもまた『事実』なのである。
それにとらわれすぎて、『
『
確かに、勝てば様々な『支払い』は踏み倒せるかもしれない。
しかし、その“覚悟”が本当にあったのだろうか?
負けた場合は、『
「【
「「「「「あ……………ァ…………………ひっ…………………」」」」」
撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだ。
『
高熱の炎に飲み込まれて爆発した『カウコネス人』の若者達と、その後の『キノコ雲』を顕現させた、後に“殲滅の魔道士”と呼ばれるアラニグラを虚ろな目で眺めながら、完全に
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