マタンゴさんは増えたい(文字制限オーバ版)
タハノア
第1話 マタンゴに……ナタヨ!
ブレーキ音、空を舞う俺、転生す。
太郎、心のテンプレ俳句……。
「ええ! そういうわけでしてね! 今回ご紹介するのがこちら! 剣と魔法の中世風世界でございます。燃料問題でパンが高級品とか井戸が汚染されてて綺麗な水よりワインの方が安いなんてことのない優しい中世風でございますよぉ! 大変おすすめです」
やけに声が高いスーツのおっさんが、必死に俺が転生する世界の紹介をしている。どうやら俺を引いたトラックのおっちゃんは、研修で職業体験中の神様だったらしい。
神様も研修とかして大変なんだな……。殺人者とか被害者とか全部体験しないといけないらしい神様もつらそうだね。
そんで太郎こと俺が、歩道に突っ込んできたトラックに豪快に轢かれたってわけですよ。一般の運転手の体験のはずがやらかしちまったらしい。研修で無残に散らされた俺の命は、その研修中の神が継ぐ世界に希望通りの選択で送られるらしい。
他も選べるが、そうなると根回しとか色々大変らしいのでここに決めてほしそうだ。
「ええ! ですからこのシートにご希望を書いてくださればそのとおりに。研修が終わるまで神代理として付いても構いませんし、魔王として君臨するのもご自由です」
俺は受け取ったシートの欄をすべて無視してデカイ字でこう書いた。
”胞子で自分を増やすマタンゴ”
「お買い上げありがとうございます! 違いました……ご契約誠にありがとうございます! ん?マタンゴ? まぁ良いでしょう……」
マタンゴとはなにか……簡単に言うとキノコ人間である。
なぜこんな物を選んだかと言えば、昔見たゲームのマタンゴがとても楽しそうだったからだ。
俺の予想通りなら、きのこの傘をバフバフして分身を増やすだけで最上の快楽が得られるのじゃないかということだ!
そうまるで人間のセッ[ピー]のように!
そんなわけで俺はマタンゴとして転生した。
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