異世界で依頼を受けてみたら……… 落第お嬢様の家庭教師⁉︎

GOD9999

第1章

第1話 急な依頼

「家庭教師やってくれないか?」


「はぁ? 僕がですか………?」


いきなり舞い込んできた仕事。怪しさむんむん過ぎるんだけど…… ここで思う。なぜ僕が?


「多分、君はなぜ僕が?なんて思ってるかもしれないが…… もちろん理由はある!」


「そうですか…… で?理由は?」


「相手はお嬢様だ。それもという称号付きのな。どうだ?お前にぴったりだろ?」


「………少し言ってる意味がわからないのですが」


落第…… その言葉は僕の胸に突き刺さる。


「お前はあの王女を育てた男だろ? 今回の依頼だってピッタリじゃないか?」


「ま、まあそうですけど……… あれは過去の話ですよ。あれはですし……」


そう。という言葉には語弊があるかもしれないが。あれは少し能力を引き出してやっただけだし。


「たまたまでいいんだ! 君のたまたまには私も期待しているのだよ!」


「そうですか……… 一応聞いておきますが、期限は?」


「1年。1年間だ!」


「はい⁉︎」


この人はふざけてるのか? あの王女様を育てるのに4年かかったってのに…… しかもは幼なじみだし。


「無理ですよ……」


「いいや。もう契約はしてある! これは電車の切符だ。ありがたく受け取りたまえ」


「…………」


相変わらず無茶苦茶な人だ。そう思いつつ俺は切符を受け取った。


「相手は公爵お嬢様だ。失礼のないようにな」


「僕を誰だと思ってるんですか?」


「はは。そうだったな。君もだし気も合うだろう」


嫌味にしか聞こえないんですけど?正直落第生なんて名前だけの話だろ。でなきゃ俺は今こんな仕事をしていない。


「じゃあ家庭教師くん。依頼よろしく頼むよ」


「はぁ〜……… 承りましたよ」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る