第55話
黒炎くんはベンチから立ち上がり、どこかに行こうとしていた。
「あ、それから会長とは……先輩と後輩までの関係で接するならいいぞ。なんか、それ以上の関係になるとよくわからないが俺の心がイライラする……じゃあ、またな!」
「う、うん」
ヒラヒラと手を振り、去っていく黒炎くん。
抜け出したのがバレたらまずいって、今は一体どこにいるんだろ。だけど、私が会長さんと仲良くするとイライラする……なんて、そんな嬉しい言葉をもらったら嫌でも顔がニヤけてしまう。
これって、少しは進展したってこと?
「よし、決めた! 私、黒炎くんに告白する!!」
会長さんに影響されたのかもしれない。どんな結果になっても気持ちを伝えることは大事だって今回学ぶことができた。
夏休みが終われば文化祭に体育祭と盛り沢山なイベントが待ってる。やっぱり後夜祭ってので告白するのがロマンチックだよね! って私ってば、はしゃぎすぎかな。でも、まずは会長さんにしっかりと断らないと。話はそれからだ。
「頑張るぞ〜!!」
私は立ち上がり、その場で叫んだ。すると近くにいた奥さま方に変な目で見られてしまい、恥ずかしかった。
ーーー暑い夏休みが終わり、二学期が始まろうとしていた。
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