再会した幼馴染は××オタクになっていました

星空永遠

1章 高校生の春、私は貴方と再会した

第1話

“初恋”


好きな人のことを考えるだけで、胸がドキドキする。


目と目が合うだけで、顔が真っ赤に染まる。


手を繋ぎながら、デートしてみたい!って、可愛いことを想像してみたり。


恋って青春の一つだよね!? と、大声で叫びたくなる。


両思いになったら、さぞかし幸せだろうな……と思っていたのも束の間。


再会した幼馴染は✕✕オタクになっていました。




―――私には忘れられない初恋がある。



「ふふふふ。今日からJKか」


姿見の前でニヤニヤと笑顔を浮かべる私、霧姫朱里(きりひめ あかり)。


今日から、高校生です。


「制服かわいい~♪」


赤いリボンに短いスカートはまさに女子高生って感じ!


何度も、クルッとまわってみては、自分の制服姿を確認する。


「あ……」


ふと、目に入るのは、一枚の写真立て。


そこに映っているのは、小学4年生の頃の私と一人の男の子。


「元気にしてるかな……黒炎(こくえん)くん」


サラサラの黒髪で小学中学年ながら、顔立ちが整っている。

成長したら、間違いなくイケメンになるタイプの男の子。


柊(ひいらぎ)黒炎(こくえん)くん。


そんな彼は、幼稚園からの幼馴染。

そして、私の初恋の人でもある。


だけど、そんな彼は小学5年生になる前、遠くに行ってしまった。


急な引越しだったせいで、連絡先も交換しなかった。


残っているものといえば、この写真くらい。



幼少期時代のことで、思い出があいまいな部分も多い。


今でも好き? と聞かれると、「会ってないからわからない」と答えてしまうかもしれない。


だけど、心の奥底では、黒炎くんのことを好きという気持ちがある。


「制服姿、見てほしかったな」


ポツリと小さく呟いた。だけど、この声が黒炎くんに届くことはない。


そんなこと、わかってる。


でも、初恋だったんだもん。そんな簡単に忘れられない。


きっと、もう一度会ったら恋してるかどうかわかるはず。

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