𓀡 𓁿 𓁻 𓁼 𓁉 𓃰 𓃱 𓃲 𓃟 𓃠 𓄅
池田蕉陽
ストーカー×2
PCの画面に四分割された映像が流れている。それぞれリビング、寝室、便所、浴室が映してある。とあるアパートの一室をリアルタイムで監視しているのだ。
現在、リビングに女が二人いる。一人はその部屋の住人で、アパレル業界に勤める二十六歳の女。雄一が麻耶と出会ったのは駅のホームだった。その時、雷が身に落ちてきたような衝撃が走ったのを覚えている。運命だと彼は悟った。
もう一人は、包丁を持った雄一の知らない女だった。突然部屋に侵入してきては麻耶に包丁を突きつけている。彼女は酷く怯えて震えてた。雄一は動揺しつつも何故こんなことになってるのだろうと呑気なことも考えていた。
結局、彼が指をくわえて眺めているうちに麻耶は殺された。死体を何度も刺す謎の女を画面越しに呆然と見ていると、不意に女が振り返った。目が合った。
「これで私だけを見てくれるね」
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