赤髪ハイスペック王子は神獣娘にツンデレです

黒月白華

第1話 ツンデレハイスペック王子の好きな子

ここは平和で裕福なブッシュバウム王国。

少し前までは戦争の敗戦国でボロボロだったが俺の父王であるジークヴァルト・ゼッフェルン陛下が奇跡の力に目覚めて母上…


この国一の美少女と言っても過言ではない赤髪の鮮血姫という異名のクラウディア侯爵令嬢と世界を奇跡の力で救いまくり結婚して俺…


ヴィルフリート・ゼッフェルンが産まれた。


俺は赤髪の一族の力とあの父上の奇跡の力を両方とも持って産まれたし当然ながら一応顔も整っている。父上の前世で言うところのイケメンって奴だ!


父上はなんて言うか転生者だ!前世で一回死んで女神ザスキア様により、この世界に転生した。まぁ色々あったみたいだけど父上と母上の愛で最終的に乗り切った感じだ。


なんて前振り説明はもういいか…詳しくは「元豚王子VS悪役令嬢」ってやつを読んでくれ。



そんなわけで俺は…かなりのイケメンとハイスペック能力を持ちつつも頭もかなりいい!というか父上の前世のカメラというやつを3歳で作って国に広めた。今では写真は当たり前だ。

女神界に行ってザスキア様と会話もできるし、父上は何故かザスキア様のこと親しみ過ぎて親戚のおばちゃん呼ばわりしているが俺からしたらこの世界管理してる美しく聡明な方になんて態度かと思うがザスキア様もよく観察するとかなーり緩いというか雑というか本性を垣間見てしまう。


俺は心を読まれないように力を使ってるが。

父上なんて心読まれるくらい屁とも思ってないので毎回ザスキア様に失礼な態度とって殴られてる。女神界では眠ってる時に魂の状態で行くから痛覚とかはないけど。


俺は現在10歳になっていた。俺は部屋でスマホをいじりながらため息をついた。

おっと、何故この世界にスマホがあるかはもはやカメラの時同様なので俺はスルーしていいだろうか?とにかく俺が作ったとだけ言っておく。


カメラ機能と通信に優れたやつは単純に父上の前世から想像して便利で必要だと思ったからだ。父上は


「お前っ!ほんと天才過ぎて怖ええ!なんつーの?ノーベル賞とか?そんなんレベルだよ?」


「ああ、表彰とかめんどくさいから権利なんてカメラの時と同じで他の奴に売るから。その分俺の小遣い増えるしいいですよね」

と言っておく。父上は


「ううん、お前がそれでいいならいいけどな…ていうかさ、お前んとこに他国からもうちの国からもすっげーたくさん見合い話来てんよ?どうすんの?お前っ!?もう凄えよ!捌ききれんよ!どうにかしろ!ってか早くシーラちゃんと婚約くらいしろ!好きなくせによ!」

と珍しく父上が怒った。

凄え凄えうるせえし…。


「全部捨てときゃいいでしょ?」


「断る方が大変なんだっつの!?お前貴族社会舐めんなっつの!」

父上とはもはや友達感覚で喋っている。シーラとは…父上の従兄弟とローマン公爵様と神獣ハクチャーン様の娘だ。一応公爵令嬢で神獣。

この世界では竜のことをドラグーと呼ぶ。シーラはドラグー化すると眩い黄金の竜になる。


人間化の時は角は出し入れできるようになったが俺の二つくらい上なくせに気が弱くていつももじもじしているから夜会に出てもすぐにどっかの令嬢とかに虐められるし学院でもいっつも虐められている。こいつも曲がりなりにも神獣で人の心の中なんて読めるくせに回避しない。


そうここ数年で学院というものができて子供でも家庭教師を雇わず勉強できる施設ができた。俺は王立ナターナエル学院初等部の4学年首席の座で生徒会にも入っている。


もちろん貴族が多いがこの国はかなり豊かになったし平民も一緒に勉強できるようにと父上が授業料を平民でも払えるくらい安くし、さらに貧乏な子でも入れるように奨学金制度も作り上げた。ま、全部父上の前世知識だが、この世界の人に父上の前世のことは秘密だ。俺を含めごくわずかな一部の人しか父上の正体は知らない。


「とにかくヴィル!今日こそさっさとシーラちゃんに告白しろ!こういうのは親が口出すことじゃねーけどいい加減大量の婚約者候補の写真が山程送られてくるのに部屋が一室くらい埋まってんだよ!!」

と半ばキレられる。

するとそこに美しい俺と同じ赤髪の母上がやってくる。俺はスイッチを子供モードに切り替えた。


「母上!おはようございます!!それにステファニーもおはよう!!」

と子供用営業スマイルというやつをかます。

父上は全部知ってるから半目になった。母上には俺の天才的な部分はあんまり見せてない。ただの子供として振る舞っている。母上にはこんな大人思考の気持ち悪い子とか思われたくないんでね。


母上ほんと美しい!!妹のステファニーもまだ7歳だが金髪赤目で可愛い!妹は赤髪の力も奇跡の力も持っていないけどとても可愛いし守りたい。


「お兄様…シーラお姉ちゃん待ってるよ?学院遅刻するよ?」

とクイクイと服を引っ張る妹可愛い!


「うん、判った!ステファニー一緒に行こうね!」

と1学年のステファニーを抱っこして俺は父上と母上、主に母上に挨拶する。


「では行ってまいります!お美しい母上!後父上」


「おい、ついでみたいに言われたよ!俺一応国王陛下なのに!!」

と父上がボヤいたが無視してシーラの所へと言った。


シーラ・エーレンフェスト公爵令嬢。長いストレートの金髪で金目の美少女で12歳。小柄で胸が膨らみ始め…というか結構あるかも。表情はオドオドしていて俺を見ると頰を染めて心の中では


(はあっ…ヴィル…今日もすっごく素敵…好き…ヴィルの子供欲しい…でも…まだ大人じゃないし…婚約が先?でも…シーラと婚約してくれるのかな??どうしよう…恥ずかしくて好きって言えない)

とめちゃくちゃ俺はシーラに想われてる心の声がだだ漏れだ。


俺は自分の心は絶対にシーラには読まれないようにかなり警戒して力を完璧に制御しているから俺の心の中をシーラは読むことはできない。


俺はハイスペックだからな!絶対にシーラに俺もお前に惚れてることなんか悟られたくない!

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