第1話 入学
暖かな春の風に桜が舞う一本道を真新しい制服を纏い歩く。
今日は入学式だ。
今日から私はこの桜花坂高校の一年生だ。
ちなみに今年から私は一人暮らしをしている。中学校で色々あった私は地元を離れた。
新生活はいつでもワクワクドキドキするものだ。
周りにいる新一年生であろう人達が保護者や友達と坂を上り学校に向かう。
そんな中私は一人で学校に向かう。
地元を離れた為同じ高校に通う友達がいないのだ。まぁそれを望んでここに決めたんだけどね。
「ここでクラスを確認して教室に行ってくださーい!」
女の先生が玄関前で声を出して案内している。
1-3の欄に名前を見つけた。
「1-3か」
階段を上りクラスに向かう。
教室につくとわりと人がいる。
黒板に書いてある席を確認して席に向かう。
窓側から二列目の一番後ろ。
残念。窓側がよかったなぁ。
まぁいいか。
席につき教室を見渡して見るとたまたま教室に入ってきた子と目が合う。
スラッとしていて大きな瞳に艶やかな黒髪。
『すごい美人だなぁ。モデルみたい』と思っているとその子は私のとなりの席に座わり話しかけてきた。
「初めまして!席となりみたいだねよろしく!」
「えっ?あぁ、よろしくね」
「私小夏っていうの。小さい夏ってかくよ!そっちは?」
「一葉だよ」
「かずは?漢字は漢数字の1に葉っぱの葉?」
「そうだけど?」
「じゃーいっちゃんね!」
「え?なんでいっちゃん?」
「一だから!」
なんだそれ。見た目とは裏腹に少し子供っぽい性格だと思ったがそれもギャップなのだろうか?思わず笑ってしまう。
「そしたらそっちはしょうちゃんかこっちゃんだねw」
「えー!それはやだなぁw」
「友達には何て呼ばれてるの?」
「なっちゃんとか小夏かな?」
「ふーん。なら小夏って呼ぼうかな。いい?」
「うん!いいよー!これからよろしくね!」
「こちらこそよろしく」
友達第一号か。まぁ積極的に作るつもりもなかったからこれから増えるかわからないけど。
「いっちゃんってどこ中から来たの?」
「言ってもわかんないと思うよ。」
「この辺じゃないの?」
「違うよ。」
「えー、そうなんだ!私北中だよ!って言ってもわかんないか!」
「まーね。こっち来たばっかだし」
「だよね!w」
ガラガラッ
「皆さんおはようございます。席について下さい!入学式の説明をしますよー」
小夏と話しているとさっき玄関で案内をしていた先生が入ってきた。
「それでは皆さんご入学おめでとうございます。私は今年一年皆さんの担任となります。佐藤 楓といいます。今年一年よろしくお願いしますね。」
さっきはちょっとしか見なかったがこの先生キリッとした目にさっぱりショート、そしてスタイルがいい。何よりスーツを着ていてもわかる胸がすごい。
クラスの男子が喜んでるなぁ。
「皆さんの自己紹介は入学式が終わったあとで行います。それではさっそく入学式を行いますので皆さんは廊下に並んでください。」
佐藤先生の言う通りにクラスメイトが廊下に出ていく。
「いっちゃん!あの先生スッゴいスタイルいいね!」
「そうだね。小夏もスタイルいいと思うけどね」
「えっ!?そんなことないよ!」
「そんなことあると思うよ。本当羨ましい限りですよー」
「いっちゃんは小さくてかわいいよ!!」
「はいはい。どーせちいさいですよー」
「えー褒めたのにそんな拗ねないでー」
「しらん!いいから行くよ」
そう私は背が小さいのだ。155cm スッゴい小さいわけでもないが明らかにクラスで一番小さい。大きくなりたいなぁ。
体育館につき入学式がすすむ。
やたらと長い校歌斉唱や校長先生の話が終わり次は生徒会長からの挨拶だ。
「新入生の皆さんご入学おめでとうございます。私は生徒会会長の日向寺蒼歌です。-------------------------------。また新入生の皆さんもし興味があれば生徒会に入り学校生活を一緒に充実させましょう。以上で挨拶を終わりとさせていただきます。 在校生代表2-1日向寺蒼歌」
ん?生徒会長って2年なの?まぁ関係ないか。にしても綺麗な人だったな。フワフワした長髪にくりっとした瞳、背は高いな。
なんだかこの学校綺麗な人が多いな。
新入生代表の話も終わり入学式が終わった。
教室に戻りHRか。
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