きのこVSタケノコ 頂上決戦1
―――――ある休日。
私はクラスメイトの望さんと一緒にお菓子を買いにコンビニに向かっていました。
「桜ちゃんは何買うの?」
「そうですね。やはりここは無難にコーラとタケノコの村です」
「望はエナジーモンスターとタケノコの村にするよ」
「やっぱりお菓子はタケノコの村が最強ですよね!」
「そだね~。たまにキノコも買うけど結局タケノコに戻ってきちゃうよ」
しばらくしてコンビニに到着してそのままお店に入ろうとすると、入り口からお客さんが出てきたので私達はそのお客さんが出てから入る事にしたのですが―――――。
「………………おや? ちょっとさっきの人、おかしくなかったですか?」
「え? なんか変だった?」
「なんというか、その…………見慣れない物を持ってたような……………ああっ!?」
私は違和感の正体に気付きました。
「さっきの人、キノコの森だけ持ってました!?」
「そ、それは確かにおかしいよ!? 普通の人類ならタケノコの村か、妥協してキノコとタケノコをセットで買うのに、キノコ単体で買うなんて絶対に変だよ!?」
「これは事件の臭いがします! 急ぎましょう!」
「ガッテンだよ!」
私達は急いでコンビニに入店してお菓子コーナーに走ると、そこには大量のキノコの森が陳列されていました。
「た、タケノコの村がありません!?」
「ちょっと店員さんに聞いてくるよ」
望さんはそのままレジにいる店員さんの所に行って。
「あの! 望のタケノコの村が無いんだけど!」
「…………別に望さんのでは無い気がするんですが」
望さんにまくし立てられた店員さんはちょっとだけ困った表情を浮かべました。
「ごめんね~。タケノコは全部無くなっちゃって今はキノコしか無いの」
「それにしてはキノコが多すぎるのでは?」
「それが何か急にキノコしか入荷しなくなっちゃって、こっちも困ってるのよ」
…………いったいどういう事でしょうか。
「すみません。今回は他のお店で買うことにします」
「ばいば~い。また来るね~」
私と望さんがコンビニから出ると、ちょうど忍さんと鉢合わせしました。
「あ、忍さん。買い物ですか?」
「そ。ちょっと、お菓子を買いにね~」
知らないかもしれないので、一応警告しといた方がいいかもしれません。
「忍さん。今はキノコしか売ってないので、気を付けてください!」
「……………は? あんた何言って」
「桜ちゃん、急がないと!」
「と、そうでした。それじゃあ忍さん、また今度」
私達はそのまま走って他のコンビニに向かい、その場に残った忍さんは何がなんだかといった表情を浮かべました。
そして忍さんはそのままコンビニに入って行き、お菓子コーナーの前で立ち止まり―――――。
「あれ? なんでキノコしか売ってないんだろ?」
と、疑問の表情を浮かべながらも並んでいるキノコを1箱持って。
「……………まあいっか、私キノコ派だし」
といってレジに向かって行きました。
――――――数分後。
私と望さんは息を切らしながら別のコンビニへと到着しました。
「はぁ……はぁ………。流石にこのお店なら売ってるはずです…………」
「そ、そうだね…………は、早く買わないと3時になっちゃうよ………」
「3時を過ぎたらお菓子を食べれなくなってしまいます。急ぎましょう!」
「おー!」
私達がコンビニに入ろうとするとまたお店から出てくる人がいたので、今回もお客さんがお店から出るのを待ってから入ろうとしたのですが―――――。
「うわあああああああ!? さっきの人もキノコ持ってたよぉおおおおおっ!?」
「なんだが嫌な予感がします…………」
そのままコンビニに入ってお菓子コーナーへと進むと、そこには前のお店で見たのと同じようにキノコの森が大量に陳列されていたのです。
「ど、どうして、こんな事に?!」
「うわああああん。望のタケノコがぁあああああ」
これはどう考えても異常事態。
コンビニのお菓子が全部タケノコの村になるなら理解出来るのに、これは完全に常識の範囲を逸脱しています。
「これはきっとタケノコ派に対する宣戦布告に違いありません!!!!」
「そうだね。これは戦うしか無いよ!」
私達はこれからの作戦を考える為に、いったん公園に向かう事にしました。
――――と、その前に。
「あの。飲み物だけでも買っていきませんか?」
「うう~。本当はお菓子も欲しかったけど仕方ないか~」
改めて。私達はジュースを買ってから公園に向かいました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます