第56話 苦悩の病院通い part3



「さあー長谷川さん 検温ですよ・・朝ごはん


全部食べれた?」「はい・・・完食です。」


「もういいわよ・・・37、5度、うーん


少し微熱があるわね・・・11時から検査を兼ねた


処置があるから、その予定でいてね・・・」


少しの間があり・・・里中君ちょっと?」


廊下のほうへ出なさい、そんな合図があり

席を立ちました。怪訝そうな由紀子がいます。


そして不安顔に変わりました。「大丈夫だよ・・・・昨日、看護婦


さんにお願いしていた事だと思うよ・・・」「ねー貴方


何を頼んだの・・・」「うーん入院に必要な持ち物リストの


件だと思う」「ふーん・・・そうなんだ?」


ぎこちないやりとりでしたが、何とか切り抜けられました。


廊下の隅でお姉さん看護婦さんが「ねーーー里中君!


先生の治療方針で昨日の子宮内除去術をもう1度やりたい


との事なの・・・念には念を!・・・まだ、若いからきちんと


治療したい・・・」


「そうなんですか?先生にお任せするしか


ないと思います。異論はありません・・・昨日と同じ感じで


いいですか?1時間位・・・麻酔をして・・・」


「大丈夫よ・・・・でも彼女には伏せておいてね・・・病は気から


心配する心が治療の邪魔になるから・・・いいわね!」


軽く会釈をして病室に戻りました。「ね・・・貴方、早かったのね」


「帰りにステーションに!持ち物リストのコピーがあるから取りにきてだって」


「ふーん だったら私の前で話をすればいいのに・・・・なんか意地悪な


感じ」「いーじゃん・・・俺と二人なりなりたかったかもしれないよ!


強力なライバル現る、だって、あのお姉さん看護婦さん綺麗だもん・・・

ねーー嫉妬する・・・」


「ばーか 誰があんな人にやきもちなんか・・・貴方って・・・


そうやって誰にでもいい顔するから、そこが嫌なの!・・・私だけを見てれば


いいの!・・・寄り道、途中下車絶対に駄目だからね・・・いいわね・・・」


いつもの由紀子に戻りました。何とか上手く切り抜けられました。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る