第13話:犬と味わう孤独

ようい、どん!

惚気ます!

我が家のいろは結構覚えの良い子で、「おすわり」、「ふせ」、「まて(微妙)」、「お手」、「おかわり」、トイレの場所、「走れ」と、ほぼ基本的なものは覚えることができたのですが、これを覚えさせる時のメンタルがしんどかったです。というのも、しつけに関する知識を持つ人間が家族で私以外にいないんですよね。


わ た し し か い な い ん で す 。


犬は感情を発することはできても話すことはできません。

こちらがいくら覚えてほしい言葉を繰り返しても、無慈悲に降りる沈黙。何を考えているのかわからない無垢な表情。

悩ましい独りでした。

それを乗り越えても私は、私自身に、「よくやったね」とは言いづらいのです。それが私の症状だそうです。

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