第10話陸上自衛隊を中国の人民解放軍のようにするのか!
先に国家としての危機管理や安全保障体制強化や初動対応能力のために陸上自衛隊のスリム化を提案しましたが、今回は陸上自衛隊の持つ本質の消極的な理由から述べます。
何れも、これまで何度も提案を続けてきた筈です。
まず日本は周囲を海に囲まれた海洋国家であり、その特性からも海上自衛隊や航空自衛隊を増員増強し、侵略者を海と空で迎え打つことが合理的だということです。そのことを防衛大学校入校直後に周囲に吐露したところ、
丁度、ベトナム戦争が終わった時期でもあり想像以上の大騒ぎになっていたようです。この現実は紛争激化のシナリオにも関係します。海と空で海上自衛隊が侵略者と戦っている間、陸上自衛隊は何をするかという現実です。警察に保護され駐屯地に立て籠る。あるいは演習場に避難し、和平交渉成立を待つなどの笑い話にもならない行動を想像してしまいます。完全な遊兵です。もし和平交渉が失敗に終わり、陸上自衛隊が想像する本格的な国内戦(本土決戦)という事態になった場合、海上自衛隊や航空自衛隊も戦う術を失った状況であることを想像するしかありませんが、その時には海上自衛隊や航空自衛隊も地上兵として、沖縄戦同様に銃を執るしかない状況です。
2011年3月11日の国家的大不祥事2度目の敗戦と揶揄された「福島原発事故」に際して事故を防ぐための陸上自衛隊の初動対応もスリム化を主張する理由です。原子力発電が絶対安全ではないという危機感は、「福島原発事故」以前にも政府部内で囁かれ、その対応が研究されていた筈だと信じています。それにも関わらず、陸上自衛隊は2011年3月11日、混乱を極めて、適切な初動対応が出来なかった。
陸上自衛官勤務時の個人的に味わった陸上自衛隊の組織、集団としての醜悪さも触れています。遊兵として駐屯地や演習場に立て籠り和平交渉成立を待つという思いこそ醜悪だと指摘出来ますが、この個人的な体験は完全に個人的問題とは切り捨て出来ない部分もあるので告白をした次第です。「柵の中にて」、あるいは「ラ・マンチャの男」とタイトルを変えた上で小説と言う形で残して広く配布しております。世間から税金泥棒と非難された時代、施設科職種部隊は広報も兼ねて部外工事という地方自治体の要請を受けて運動公園などの造成工事を請け負っていました。その時の体験と女性を巡る混乱を扱った体験談です。また鹿児島川内にある福島原発事故後、日本で最初に再稼働を果たした川内原発にも無関係ではありません。作業を休んでいるにも関わらずドーザーなど建設器材を稼働させ、アワーメーターのカウンターを増やすという工作をすることを支持するように強要されたのです。正直に告白しますと作業終末段階において強要に負けてしまいました。彼が強要する理由は歴代の伝統であり過去の作業隊の責任追及に及ぶということ、作業をしたように装い隊員に休暇を与えるということ、アワーメーターを操作し、ドーザーや油圧ショベルの稼働数を稼ぎ、施設器材の更新を早めるという3点でした。そのような操作をして、どのよりも先に新しい器材を手に入れたい。そして同時に仕事をしたふりをして休暇を取りたいということでもあった。毒を飲むことを強要しようもしていたかも知れません。
現場でのこの争いは、小説にしか書けないような、さらに醜悪な事態を引き起こしたようです。
また、この時期、川内原発の稼働に伴い、部隊が川内に移駐する直前のことであり、「原発も絶対、安全とは言えない」ということを多くの隊員の前で語り騒動になったことも、「まか不思議なこと多し(福島原発事故以降)」という小説に書いたとおりです。
このようなインチキに定年退職直前にも付き合わせされたと思っています。国内戦(本土決戦)の際の戦い続けるための国内の生産能力や物資の備蓄状況を把握するという補給管理システム構築のための「兵たん地誌調査」という調査を係わったことです。この調査も、すでに15年前のことで改善はされていることと期待したいのですが、現状は変わらないでしょう。おそらく総務省に属していた防衛庁時代に得たデータを、そのまま活用するしかない筈です。憲法に自衛隊明記をし、三権分立から四権分立に移行することで補給管理システムの元になる民間の生産量や補給能力、物資の保管状況に関するデーター収集も行い易くなります。これは重要な意味を持ちます。陸上自衛隊に中国の人民解放軍並みの権限を与えるという大きな歴史の節目になりかねません。例えば、今回のコロナ騒動で問題になったマスクの保管状況も、入札を希望する業者に調査表に記載し把握することで把握可能になるのです。
そのような道を歩むより、陸上自衛隊の管轄する補給処機能や補給管理システムを総務省に移し、同時に陸上自衛隊をスリム化して管理出来なくなった装備品や、その他、原発事故や今回のコロナ騒動、或いは大規模テロや災害から国内戦まで俯瞰出来る組織を総務省内に造ることが良い道のように感じます。
陸上自衛隊は5万人程度にスリム化し、平時はアメリカや西欧諸国とともに中東やアフリカでの平和維持活動に専念する組織にすることです。
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