84話【お風呂の掃除】
◇お風呂の
午前中の仕事を終えて、エドガーとドロシーは
メイリンは
「あのお二人が、
ドロシーの言うあの二人とは、異世界人サクヤとサクラの事だ。
「そうなんですよ、どうやらモンシアさん……あ、メイリンさんのお父さんなんですけど」
「はい」
エドガーは
「
「メイリンさんのお父様に、ですか?どうしてそんな事に?」
「この前、メイリンさんの家にサクラが
あの日、ドロシーがここにやって来た日。
メイリンはサクラと共に
お礼と言っては何だがと、サクラは自分の世界の野菜の種をメイリンに
「サクラのせ――じゃなくて、
「?……それで、今日もお手伝いを?」
エドガーは「ははは」と笑って
「そうです。やってみると楽しいそうですよ、
夏に入り、日差しも強くなってくる。
「そうなのですね……わたくしはてっきり、自分が嫌われているものだと思っておりましたわ……」
そう言うドロシーは、心なしか安心したように笑う。
「そ、そんなことないですよっ、もうドロシーさんも仲間ですから!」
それは嬉しい
「はい、ありがとうございます。エドガー様」
「はい!」
しかし、問題もある。
今、
その人物は、今もまさにこちらを
しかし、その人物はとても苦しそうにこちらを見つめている。
「……」
メルティナ・アヴルスベイブ。
エメラルドグリーンの髪を持ち、その
身体の
具体的に何かをしたわけではないが、初対面で
それからメルティナは、エドガーとドロシーがいる時に限って、
何かを
エドガーも個人的にメルティナと話したが、分かったとは言いつつもこれだ。
危険なものを見るような目でドロシーを
その
(ん、メルティナ……行ったみたいだな)
メルティナは今度もまた、頭を押さえて去っていった。
その様子を確認して、エドガーは何事も無いように。
「さ、ドロシーさん。午後からは大浴場の
「はぁ……ん?」
それは、エドガーがサクラから【心通話】で
<ごめんエド君、トラブってメイリンさんの足引っ張っちゃった……少し遅れるかも>と。
「とにかく行きましょうか。ドロシーさんも入ったから分かりますよね。うちのお風呂は広いですよ?」
「は、はい!頑張ります」
カップを片付け、二人は大浴場に向かった。
◇
カポーンと鳴り
お湯を入り口から先には持っていけないという
よく言えば、入浴後に
正確には、お湯を出す
エドガーの父であり、
「
エドガーはシャツを
その瞬間に、
「残りの二つもコレを抜いて、お湯を抜きます」
エドガーが見せるのは黒い
「わ、分かりました!」
ドロシーもエドガーを
「そっちの
「はいっ」
そうして全ての
「これで床を
笑顔でそれをドロシーに渡した。
「【デッキブラシ】……」
「あれ、知ってます?実はこれも“魔道具”なんですよ」
「――あ……」
(しまった!)
つい、昔からこの宿にあるこの
ドロシー(スノードロップ)は口元を隠しつつも、
「えっと、東の国にもあるんですよ。
(
下手な
その
「へぇ!そうなんですね!それは
カショカショ!と、もう一本のデッキブラシで
どうやら、大して聞いていなかったようだ。
この【デッキブラシ】、実はサクラが
だが、昔からあるというのも本当で、その【デッキブラシ】は
エドガーの父、エドワードの“召喚”は、
今この大浴場にある大半が、実はサクラが
元々、
「あ、あはは……」
(
ドロシーと言う仮面を被る“天使”は思った。この少年は、
そんな確信を
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