201話【出逢い6】
◇出逢い6◇
地上では、サクヤとリューネの戦いが
「――速いっ!……でもっっ!!」
ついていけない訳ではないと、リューネは【魔剣】を横に
キンッッッ!と、サクヤは
反応速度が
そんな
(
じりじりと
はぁはぁと息を
「……スピードが落ちて来てる……私でも
対するリューネも、反対側に動くように、
息もまだ
「――来るっ……後ろっっ」
耳をピクリと反応させて、リューネは
一瞬でその場から消えて無くなるサクヤ。
気付いた時にはリューネの背後に回り込み、
「はぁっ!!」
「――ふっ!」
サクヤが
ほんの少し首を
ガキン――!と受け止められるサクヤの
「くっ!!」
「はあああっ!」
「――んぐっ!……なっ!!」
リューネはそのまま反転して
力のままに、思い切り。
「が――ぁっっ!!ぐっ……ぐ……ぅ……」
ゴロゴロと転がって、サクラのもとまで
「――サクヤっ!!」
サクラは青ざめた顔でしゃがみ込み、肩に受けた傷を見る。
ダクダクと流れる
「待っててサクヤ!今止血するからっ」
「無理に
「――うん!」
サクラのポケットに入っていた“悪魔”のリザが、アドバイスの言葉を掛ける。
その言葉に
「か、
「
「――
無理矢理起き上がり、血が
「……ぐっ……ち、力が……」
「――無理しないでって!……今、【心通話】で……――な、なんで……【心通話】が使えないっ……あたしは平気なのにっ……なんでっ!!」
ポケットの中のリザは、
「……この
リザはポケットから顔を上げて、
そこではメルティナと誰かが戦っており、その白い翼から
その波動は、確かに覚えのあるものだった。
(――!?あ、あれは……!“天使”……スノードロップっ!?……
元の世界、すなわち過去の世界での知り合いでもある“天使”。それが真上にいた。
魔力が
「メルティナが戦っているの……!?」
スノードロップの強さは、“天使”の中でも上位だった。
メルティナでは分が悪いと、リザは瞬時に
(――ちっ!!そういうことねっ……あの女の
そうなると、フィルヴィーネとも連絡が付けられない。
リザはポケットの中から
あの光り
そんなリザの考えなど関係の無いサクヤは、痛みに顔を
「わたしが……サクラを、守る……!」
(……くそっ……【
「……サクヤ」
サクヤは反対の手で左眼を押さえながら一歩を
その様子を見て、リューネは【魔剣】を
【魔剣ベリアル】の試作量産型、【
帝国の技術で量産され始めているこの【魔剣】の効能、それは、
「……よくそんな身体で立ち向かおうだなんて思えるね、
斬られたサクヤの腕には、
【魔剣】の効能で
「……行くぞっ――」
「来るっ……でも、遅いっ……私でも対応出来るっ!」
飛び出したサクヤの動きは、筋力を弱めているとは思えない程の
しかし、リューネでも見える程に、やはりその最大の持ち味が失われている。
そして――決着は一瞬だった。
「……――はぁぁっ!!」
リューネが一瞬、
それが最大の
背後を取り、死角から突撃した。だが、それはフェイクだった。
一歩
「――うっ、ぐはっ……」
「サクヤっっ!!」
「サクヤ!!」
心配そうに名を呼ぶサクラとリザの声も
サクヤの身体に、リューネの【魔剣】が
アッパースイングのような斬り上げが、サクヤの黒い眼に映り込み、そして気付いた時には、速度を上げて
上空でメルティナが、スノードロップに
◇
サクヤは
サクヤは、自分の身体が
「――がはっ……!!」
いや――もう、意識はない。
「……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
下を向き、血まみれになりながらもサクヤは立ち上がる。
フラフラと足元を
「――サクヤっ!!」
「まだ立ち上がるなんて……人間離れしてるわ、【魔剣】の効果で力も入らない筈なのに……」
しかし。
「――っ!!――そ、そこの二人っっ!!
上空での異常な衝撃音も、気付いていた。
走り出していたら、もしかしたら間に合ったかも知れない。
走り出しているもう一人の少女サクラも、リューネの大声で何が起きたかを
落下してくる無数の
大量の落下物。
その全てが、サクラが向かう場所――サクヤの真上から降って来ていた。
今のサクヤでは、絶対に
何度も声を上げて逃げろと
なぜ動いたのか。
――そんな事、決まっている。
「――サクヤーーーっ!!サク、ヤ……サクヤ!!……――あ、
何が起きたのか。もう、考える
気付けばサクヤをそう呼び、
◇
ドン――!!――ガッッッシャーーーン!!
今、二人の少女が、その
リューネは、ポカンと口を開け、その大量の
「――な……なにが……起きたの?……あの子たち、無事で……」
すると、一人の少女が横たわり、全身を血と土で
よく見れば、小さな人形も近くに倒れている。
リューネは近寄ろうと一歩
腕を
馬が暴走してどこかへ行ったと思われた、帝国の馬車の真ん前だった。
「――えっ……?」
夢だったら、どれだけ安心出来ただろう。
魔導帝国の民となったとは言え、リューネは元聖王国民、何とも
がしかし、当然夢ではない。
今もなお、
「……バレてはいけなかったのです」
「――っ。ス、スノードロップ……さん?」
白銀の髪と
リューネをこの場所に
“魔王”フィルヴィーネの
「――あ、あの子達は……!」
スノードロップは首を横に
「一人は無事でしょう……ですが、その一人を投げ飛ばし、身代わりになった子は……分かりません」
「そんな……ス、スノードロップさんなら、助けられたんじゃっ!!」
「……
「――っ!?そ、それは……でも、あんな……」
「リューネ・J・ヴァンガード……
そんな一言で割り切れる程、リューネは大人ではない。
まだ17歳の、少女だ。
命がけで救おうとした、あの二つ結びの少女が最後に言ったのは、「姉上」。
姉妹だったと取れる。
リューネは馬車に背を
そのまま一言も
「……」
スノードロップは
(ニイフ様が
自分にも使命があったとは言え、この
戦っていた相手、メルティナがあそこまで全身を使ってエドガーのもとを目指すとは、想像もしなかった。
それに、
サクヤとサクラに関しては、スノードロップは手を出していない。
こればかりは、不運が重なってしまったとしか言いようが無かった。
(身勝手だと言われても申し開きようがありませんね……でも、
何かを
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