152話【魔法】
◇魔法◇
エドガー、そしてサクラとサクヤは、
とは言っても、
そんな荒れ果てた大地、【ルノアース荒野】を三人で歩く。
残されたローザとフィルヴィーネは、エドガーが戻ってくるまでは戦いを始めないと約束してくれた。それを聞いて、エドガーは
「これは……骨?」
「だね……動物なのは分かるけど、何の骨かな?」
しゃがんで、サクラと一緒に骨を見るエドガー。
チラチラとローザとフィルヴィーネがいる方を、そしてまだメルティナが残る王都方面を
「さすがに気になる?」
「え、ああ……うん。まぁね……ああは言ったけど、多分ローザとフィルヴィーネさんは、切っ掛けさえあれば、きっと
「ああ~、そうかもね」
「そうですね」
サクラとサクヤは
「なんか
「あたしも」
「わたしもです」
三人は同意見だった。
そしてその
「「「……――!?」」」
空に向かって上がる、
以前ローザが使ったものと、
【
しかし、
「――な、なにあれっ!?」
「ローザの炎だ……!」
「
「あ、ああ!」
様付けを忘れたサクヤは先行して走り出す。
エドガーとサクラも
◇
天まで届くのではないかと思わせる炎の柱は、フィルヴィーネの横を
空中に浮かぶフィルヴィーネを見上げながら、ローザは
攻撃を受けた側のフィルヴィーネはニヤリと笑うと、ローザに言い下ろす。
「なんだ?――まだエドガーは戻ってきていないぞ……言いつけを破るのか?」
「――誰のせいよっ!コソコソとわざわざ聞こえるように
右手の宝石【消えない種火】は、
この異世界に来て、初めて
フィルヴィーネは右手を
「……ふむ、それもそうだな。
どうやら、少しは自覚があるらしい。
「
「
「――あ!ちょっと!フィルヴィーネさ……――」
――ブンッッ!!
「――まぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
フィルヴィーネの胸の谷間に
高速で
「……フィ、フィルヴィーネ様!私の
「――だ、大丈夫ですか?リザさん!?」
リザが投げ飛ばされた先は、エドガーの胸だった。
上手く受け止め切れたのか、あんなに高速で
「お前かエドガー。よく私を止められたわね、
自分の全身を見回しながら、エドガーの手の上で
「おおっ、本当に生きているのですね!この小さなお方は……りざ殿、でしたか」
「え、えぇ……なによこの娘……そんなに不思議……?」
まじまじと見てくる黒髪の少女に“悪魔”リザは少し
「……《戦国時代》に“
更に隣の少女、サクラがサクヤに言う。
「ようせい?
「だれが
“妖精”と言う言葉に思い当たる
リザは自分が
チクリと、虫に刺されたかのような痛み。いや、もはや痛くはない。
「何か?」
「んなっ……!」
話が進まないと感じたのか、リザとサクヤのやり取りを見ながらエドガーが聞く。
「……それにしても、フィルヴィーネさんは何でリザさんを投げたんですか?」
こんなにも
リザは、サクヤの
「それは……私を巻き込まない為でしょうね……フィルヴィーネ様はお優しい。それに、投げる先にエドガーがいることが分かっていたからよ」
今も
フィルヴィーネは
ローザが加減なしで炎を使っているのが、遠めに見ても分かる。
荒野でなければ
ローザが前に言っていた『街では使えない』の意味が、本当の意味で分かった気がする。
フィルヴィーネはそれが分かってリザを投げ飛ばし、エドガー達が近づいて来る前に
それにしても、【心通話】を使えばよかったのに。とは言わぬが花だ。
「……つまりこれ以上近づくな……ってことね。多分この辺までが、戦闘
そう言いサクラは「よいしょ」と近くの大きめの岩に
下着が見えているが。サクラは本当にたまに抜けていると言うか、
エドガーからは見えていないから、それを分かってしているだけかもしれないが。
「戦闘
フィルヴィーネの考えを理解していても、エドガーは心配そうに二人を見る。
《契約者》の
「安心しなさいエドガー。
そりゃあそうだろう。
“魔王”と言われて、
「……
リザは、エドガーが契約した異世界人ではない。
フィルヴィーネに勝手についてきた、言わば無関係な
ついて来る
リザの“悪魔”名はアスモデウス。
「……フィルヴィーネ様を通じて、私もエドガーを感じることは出来るわ……私はエドガーに魔力を
【ランデルング】の車内で目を覚ましたリザがすんなりとエドガー達に慣れたのは、
「えっと……それはなんか、すみません」
「いや、別に
「言いつけ……何をです?」
「……お前達があの鉄くずの前方にまとまっていた時に、少しね。内容は
「……!――
「すっっごい……ってか、ここでも熱くない!?」
「!?」
フィルヴィーネが浮かぶ空に、物凄い
これだけ離れたエドガー達の
「これは、今までのローザの炎と
これがローザの炎の、真の威力。
《契約者》のエドガーに
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