焼肉
ある家族が外食をしていた。
子供の誕生日ということもあり、奮発して和牛専門の焼肉店に来ていた。
「どれが食べたい?」
父親が子供に尋ねるが、子供はメニューとにらめっこして唸っている。
「うーん、色々あって迷うなあ」
タン、ロース、ヒレ、カルビ、トントロ、ランプ、ザブトン、サーロイン、等々。
一般的な部位から希少な部位まで、様々な部位がメニューに載っていた。
子供が迷うのは、無理もないことだった。
「どんなお肉がいいの?」
「おいしいお肉!」
「そうじゃなくて、柔らかいお肉がいいとか、脂が乗っているお肉がいいとか……」
見かねた母親が色々と説明する。
「柔らかいお肉がいいならヒレがおすすめだし、脂がのっているお肉がいいならカルビとか……」
しかし、子供はますます迷う。
説明を聞いても、どれもおいしそうという感想にしかならなかったのだ。
決まりそうにないと判断した父親が提案する。
「まずは定番のタン塩を食べて、その後は食べてみたいものを注文することにしようか」
家計のことを考えれば好き勝手に注文するのはよいことではないが、子供の誕生日なので母親も無粋なことは言わなかった。
「おいしい!」
こうして家族は焼肉を堪能することができた。
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